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ダガン

別名・別綴り/ダゴン(ヘブライ、ウガリット)
性別/男性
守護都市/エブラ


【主な役割】
主要な役割は不明 (後述するように、魚の神あるいは穀物神とする説は間違い)
後付の役割として天候神・農耕神になった可能性はある

【神話・資料別エピソード】
元々はユーフラテス川中流での主神。しかし本来もっていた神話や姿が不明瞭なため、様々に解釈されてきた。
「魚の神」とする説はおそらくクトゥルフ神話のイメージから来ているもので、本来の信仰とは異なる。ただしこの誤解自体は紀元後4世紀まで遡れるという(*古代オリエント事典/東洋書林)。

「穀物神」とする説はヘブライ語の「ダガン」が穀物を意味するところからきているが、元はアッシリア語なのでヘブライ語での解釈は後付の理由である。("モーセ"の名前がヘブライ語の"引き上げる(モーシェ)"から来ている、とするのと同じようなコジツケ。モーセはエジプトで拾われたのだから名前の意味はエジプト語で解釈しなければならない。)

一時は主神だったはずなのに、本来の属性や役割が残されていないため後付け設定が真にされてしまった、ちょっとかわいそうなお方である。あれだよホラ、クラスに一人はいる、名前は知ってるんだけど影の薄いっていう子。

なお、シュメール由来の神ではないため、メソポタミア南部ではほとんど言及されることがない。ウル第三王朝あるいはイシン王朝での文書に僅かに登場する。

●イシン第一王朝の三代目に「イッディン・ダガン」=ダガン神が与えてくれた(子) という名の王がいる。

●マリ王国での役割には死者の神というものもある。ジムリ・リム王の時代には王が特に帰依したため、大神殿が2つ捧げられている。

●戦いの神イラバとともに、アムル人のハナ王国の守り神もつとめていた。

●ウガリット神話ではバアルの父。エルに継ぐ地位とされた

●後にペリシテ人の主神となった。旧約聖書関連で絡まれるのはだいたいこのせい



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【参考】

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