北欧神話−Nordiske Myter

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オーディンの箴言 41〜60


【41】
オーディン;
友達は、互いに武器や衣服を贈って相手を喜ばすべきだ。自分自身の経験に照らしてみれば、よく分かる。贈ったり、贈られたりして、友達はいちばん長続きする。うまく行きさえしたら。

ロッド;うまくいきさえしたら…?

オーディン;最後の一行が、ちょっと意味ありげな感じになっとります。

【42】
オーディン;
友達には友達らしくして、贈り物には贈り物のお返しをするべきだ。笑いには笑いで、嘘には嘘でうけとめるべきだ。

ロッド;腹の探り合いしながらも、ニコヤカ〜に話したりするんですね。

オーディン;そういうことじゃ。それが大人のお付き合い。

【43】
オーディン;
友達と、その友達とも友達となれ。だが、誰も、敵の友達の友達にはなるな。

ロッド;敵の敵は味方ってカンジですね。

オーディン;そうとも言うな。場合によりけりだが。

【44】
オーディン;
よいか、お前が信頼できる友を持ち、彼から良いことを期待しようと思ったら、その友と心を通わせ、贈り物をやりとりし、足しげく会いにいかねばならぬ。

ロッド;餌付け? プレゼント攻撃?

オーディン;いっぺん好意を抱かせたら、あとは何とでもなる。まずは褒めちぎってでも心を掴め!

【45】
オーディン;
もし、信頼できぬ友を持ちながら、彼から良いことを期待しようと思うなら、口先だけ綺麗事を言って心では欺き、ごまかしにはごまかしで酬いるべきだ。

ロッド;まったくもってその通りですよね。

オーディン;生々しいからそういう顔はやめなさい。

【46】
オーディン;
お前の信頼できない、気心の知れぬ者についてもそうだ。その者には笑いかけて、心にもないことを話せ。贈り物には同じ贈り物を返せ。

ロッド;キツネとタヌキの化かしあい…か…。

オーディン;左様。周囲で見ておるものがオーラを怖がって近寄れんくらい満面の笑みで握手しろ。

【47】
オーディン;
昔はわしも若かった。一人で旅をして道に迷った。人に会えたとき、自分が豊かになった気がした。人は人にとって喜びなのだ。

ロッド;オレはまだ若いので、一人のほうが気楽でいいこともあります。

オーディン;誰しもひとりでは生きていけんのじゃ。迷えるときは友を呼べ。年をとれば分かるわい。

【48】
オーディン;
物惜しみしない剛胆な男はよい生活を送り、くよくよすることはほとんどない。だが、臆病者はちょっとしたことにも怯え、いつも、贈り物をしみったれて愚痴をこぼす。

ロッド;細かいこと気にすんなってことですね。

オーディン;大雑把すぎるのも問題があるとは思うがな。

【49】
オーディン;
わしは、野原でわしの衣服を二つの木像に着せたことがある。それは服を着ると人間のように見えた。裸の人間はみっともない。

ロッド;当たり前っちゃ当たり前なんスけど、何だって一人でカカシなんか作って遊んでるんです?

オーディン;遊んでおったわけではない。これも神の崇高なお仕事のうちなのだ。

【50】
オーディン;
不毛の土地に立つ樅の木は枯れる。樹皮も針葉もそれを保護しない。誰にも愛されない人間もこれと同じだ。どうして長生きしなければならぬのか。

ロッド;うわぁ…ソレかなりシビアな箴言ですねぇ。役立たずはとっとと死ねってか。

オーディン;敵ばかりの世の中は、冷たい北風に裸で立つのと同じこと。

【51】
オーディン;
悪い友との間には、火よりも熱い友情が5日間燃え上がる。だが、6日めが来ると、火は消えて、友情は前より悪化する。

ロッド;男女の付き合いも似たようなモンですね。

オーディン;まぁ焦って恋人を選ぶと、大火傷することになるがのぉ。ふぉっふぉっふぉっ。

【52】
オーディン;
大層な贈り物を人にしなくとも良い。ささやかなもので良い評判を得ることも多い。パン半塊と酒杯半分で、わしは友を得たことがある。

ロッド;オレはクロスカウンター一発で友達を得たことがあります。

オーディン;拳で語る、青春の思い出は贈り物、か…。

【53】
オーディン;
小さな海には小さな砂浜しかない。人の分別とてわずかなものだ。だから、すべての人間は同じように賢くはならず、人間はあらゆる点で至らぬものなのだ。

ロッド;生まれつき器のちっちゃい人間は、それ以上にはなれないってことなんですか?

オーディン;小さくとも、努力次第で美しい波を立てるだろう。

【54】
オーディン;
誰でも、ほどほどに賢いのが良い。賢すぎてはいけない。いろいろとたくさん知っている人々のうち、いちばんよい生活が、この人のものとなる。

ロッド;知りすぎていると、命狙われたり余計なことに心を痛めたりするんですね。

オーディン;わしの苦労も少しは分かったか。

【55】
オーディン;
誰でも、ほどほどに賢いのが良い。賢すぎてはいけない。あまり賢すぎると、その心が晴れることは稀になるから。

ロッド;いっそ愚か者のほうが楽しく生活できるんですかね?

オーディン;悪いことはすべて他人のせいにすれば良いのだからな。

【56】
オーディン;
誰でもほどほどに賢いのがよい。賢すぎてはいけない。誰も自分の運命を前もって知りはしない。知らない者は心配がなく、平穏な心でいられる。

ロッド;ちなみに知ってしまった場合はどうすれば?

オーディン;イッパツ殴って忘れさせてやりなさい。

【57】
オーディン;
燃え木は、燃え尽きるまで他の木によって燃え、火は火によって発火する。人も他の人と話すことによって賢くなれる。引っ込み思案では賢くなれない。

ロッド;オレは知りたいことがあったらいつでも突っ込んでいきますが。

オーディン;他の人に放火しろとまでは言ってない。

【58】
オーディン;
他人の財産や生命を奪おうと思う者は、早起きせねばならぬ。横になっている狼は股肉を手に入れることは出来ない。寝ている人は勝利を手にすることは出来ない。

ロッド;ええー寝込み襲うんですかぁ。それってかなり卑怯くさいじゃないですかー。

オーディン;勝ったもん勝ちじゃい。手段より結果がすべてなのだ。

【59】
オーディン;
働き手が足りなければ、早起きして仕事に就くべきだ。朝寝坊には手抜かりが多く、きびきびとした男は半ば富豪だ。

ロッド;貧乏ひまなしっスねぇ…。

オーディン;早起きして、夜遅くまで働くのじゃ。いいことではないか。

【60】
オーディン;
乾いた割木と屋根の白樺の皮の分量を心得ておいて、三ヶ月も半年ももつように供えておいたほうがいい。

ロッド;ウチには非常用のカンパンと水が常備してあります。

オーディン;ちょっと待て、なぜ非常食にスルメが入っとる? さてはお前、自分の好みで揃えただろう。




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