saga(複数形:sögur)
初期アイスランドの文学、具体的には12世紀から18世紀までの間に書き留められ続けた文学作品の総称。13世紀ごろを頂点とし衰退していくが、意外に長い時代に渡って書かれ続けている。ちなみにサガは時代や内容ごとに様々な種類に分けられるが、特に北欧神話やヴァイキングに関わるのは「アイスランド・サガ」と呼ばれる、9-10世紀頃を回顧する形で書かれた作品群である。
「サガ」は元々、動詞の「語る、言う」(segja)=英語のsayに相当する単語から派生したもので、「語られたこと」を意味する。
ヴァイキングにはものを書き記す習慣が無く、物語はすべて口伝えだったことからそのように呼ばれたらしい。
サガという単語自体は英語でいう「story(物語)」から「history(歴史)」までを包括する。創作と歴史、という区別概念がないため、語り手自身も意識せず、自分の語ることはすべて「真実」であると認識している。歴史として語られたものの中に意図せず神話的なモノの見方が紛れ込むこともあれば、どう考えても現実にありそうもない出来事の中に歴史的な記述が混入していることもある。すべて語り手の主観によって作り出された世界なのである。したがって、サガの内容を創作と歴史に分類することは不可能で、あまり意味が無いとも言える。
サガの現存する写本はすべて13世紀以降の転写で、現在では約200種類が知られている。
参考:「サガ選集」東海大学出版会