「ヴァイキング」は、スカンジナヴイア半島から各地に遠征に出かけていったゲルマン民族の総称である。語源には諸説あるが、一般に「入り江」を意味するヴィークから来ている「入り江に住む人」という意味から来ているのではないかとされる。ヴァイキングの行動範囲は広く、ヨーロッパ、ロシア、西アジア、北米にまで達する。そのため「ヴァイキング」という言葉も様々な国で呼びかえられてきた。以下は、各国語での「ヴァイキング」という言葉の対比である。
言語 | 単数形 | 複数形 |
古アイスランド語 | ヴェイリンギ væringi |
ヴァイリンギャル væringjar |
スウェーデン語 | ヴェーリング väring |
ヴェーリンガール väringar |
ギリシャ語 | ヴァラゴス βαρáγγοζ (varangos) |
ヴァラギ βαρáγγοι (varangi) |
ロシア語 | ヴァリャーグ варяГ (varjag) |
ヴァリャーギ варяГи (varjagi) |
グルジア語 *文字出ません… |
ヴァランギ (varangi) |
ヴァラングニ (varangni) |
アラブ語 *文字出ません… |
ヴァランク (warank) |
このうち、「ヴァリャーギ」はビザンツ帝国において、北欧から来た外国人傭兵を意味する言葉として使われていた。この場合の「ヴァリャーギ」は単純にスカンジナヴィアの住人という意味ではなく、傭兵としてビザンツ皇帝に仕えた人々を指し、忠誠を意味する北欧語「var」(ヴァール)に由来するとされる。
参考:「ヴァリャーギ ビザンツの北欧人親衛隊」国際語学社