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タイトル ドイツ叙事詩のドラゴン。
記事No 1985
投稿日 : 2004/12/30(Thu) 13:58
投稿者 岡沢 秋@出先
某さん狙いでネタをふってみる。

ヴォルフラム・フォン・エッシェンバハの「パルチヴァール」第二巻に、パルチーのお母さんが子宮の中にいるわが子を「竜」と表現する場所がある。で、「これ原語で何ていってんだろう。」と調べてみた。

>日本語

その後、我に返ったとき、怪獣グリフィンに右手を食いちぎられていた。
ここで夢が一変した。不思議でならなかったが、彼女は一匹の竜の母になったらしく、竜はやがて子宮を引き裂き、胸から乳を吸い、突然飛び立ち、その後二度と彼女の前に姿を現さなかった…

>原語(たぶん文字化けすると思うけど^^;)

ir lîp si dâ nâch wider vant,
dô zuct ein grif ir zeswen hant:
daz wart ir verkêrt hie mite.
si dûhte wunderlîcher site,
wie sie wære eins wurmes amme,
der sît zerfuorte ir wamme,
und wie ein trache ir brüste süge,
und daz der gâhes von ir flüge,
sô daz sin nimmer mêr gesach.

えードイツ語読めないので、行換算で「多分ココ?」みたいな感じで引っ張り出した原文です。

wurmes が 竜と訳されている部分で良かでしょうか…。

>ちなみに原文はココの104節です。
http://www.fh-augsburg.de/~harsch/germanica/Chronologie/13Jh/Wolfram/wol_pa02.html

タイトル Re: ドイツ叙事詩のドラゴン。
記事No 1986
投稿日 : 2004/12/31(Fri) 02:43
投稿者 摩伊都
お久しぶりです。今年もあとわずかとなりましたね。来年もまたよろしくお願いいたします。

> 某さん狙いで・・・

↑すみません。私ではないことは分かったんですが、通りかかったもので、書き込みさせてくださいな。
古い独逸語なので、私もよく分からないのですが・・・

> ヴォルフラム・フォン・エッシェンバハの「パルチヴァール」・・・わが子を「竜」と表現する・・・「これ原語で何ていってんだろう。」

> 怪獣グリフィン ein grif
> wie sie wære eins wurmes amme,
> 彼女は一匹の長虫(竜)の母になったらしく、
> und wie ein trache ir brüste süge,
> 胸から乳を吸い、
> und daz der gâhes von ir flüge,
> 突然飛び立ち、
> sô daz sin nimmer mêr gesach.
> その後二度と彼女の前に姿を現さなかった…

> wurmes が 竜と訳されている・・・

そうですよ〜。岡沢さん、独逸語が本当に分からないとしたら、ものすごく勘がいいんですねえ。
少し格変化しているので、Wurm ヴルム でいいと思います。もしかしたら Wurme ヴルメ でもいいかも。
それから、ein trache というのがありますが、これも「竜」です。現代では Drache ドラッヒェ ですが、濁っていないと「トラッヒェ」になります。
wurmもtracheも、私の大好きな Das Lied vom Hürnen Seyfrid の中に何度も出てくる単語なので間違いないと思います。 

タイトル やはりWormなんですね…
記事No 1990
投稿日 : 2004/12/31(Fri) 13:21
投稿者 岡沢 秋
年末年始は寒いようで。
お昼のニュースで雪の降ってるのを見て布団に帰ったヘタレです(笑
どうぞ良いお年を。

狙った某さんは実家に帰っている模様。
ええと、まあ、実はドイツ語読めなかったんで摩伊都さん来てくれるかなーとも思ってたんですが。ドイツ語→英語翻訳にかけても、古い単語なのかほとんど訳してもらえなかったんですよね。。


> > 怪獣グリフィン ein grif
> > wie sie wære eins wurmes amme,
> > 彼女は一匹の長虫(竜)の母になったらしく、
> > und wie ein trache ir brüste süge,

腹の中にワームって、相当イヤじゃないですか? ^^;
「パーシヴァルがワームかよ!」みたいなツッコミもあったり。

> それから、ein trache というのがありますが、これも「竜」です。現代では Drache ドラッヒェ ですが、濁っていないと「トラッヒェ」になります。

あ、なるほど。日本語では二回「竜」という単語が出てくるのに
wurmが一回しか出ないのであれーと思ってたんですが。

この物語には、グリフィン、竜、以前穂代に上がったガンピルーン他、けっこういろんな怪物名が出てくるのですが、ドラゴンはドラゴンで、ウテパンドラグーン(=アーサー王の父さん)という言葉で出てくるんですよ。それが不思議といいますか。

Utepandragu^n

…それか、私がdragu^nの意味をとり間違えているとか。
 

タイトル ユーサーべンドラグン(Ythrbendragwn)
記事No 1991
投稿日 : 2004/12/31(Fri) 15:14
投稿者 摩伊都
>ウテパンドラグーン(=アーサー王の父さん)という言葉で出てくるんですよ。それが不思議といいますか。
> Utepandragu^n

ユーサーべンドラグン(Ythrbendragwn)のことでしたら少し知っています。
関係文献:12世紀の『ブリテン列王史』←ラテン語らしいです
ちょっと著作権に引っかかるかもしれないので、詳しくは書けないのですが・・・

『ブリテン列王史』で筆者はアーサー王のお父さんを Ythrbendragwn と呼んでいるとか。
Ythr ユーサーは、ウェールズ語のウスル(uthr 恐るべき)から来ていて、ベンは、ウェールズ語のペン(penn 頭、リーダー)の変化した形で、ドラグンはラテン語のドラコー(draco 竜蛇)が語源で、ユーサーベンドラグンは、「恐るべき龍の王」という意味らしいですが、後にこれは称号となり、ユーサ−の息子のアーサーが受け継いだらしいです。
一族を束ねる優れた王、の中の王、ということでしょうか。

ということは『パルチファル』の中に出てくるウテパンドラグーンというのは、当然のことながら、人間のことではなく「竜王」ということでしょう。それとも・・・ア−サ−のお父さんも『パルチファル』の登場人物? ^^;

タイトル そうそう、お父さんなんですよ
記事No 1992
投稿日 : 2004/12/31(Fri) 15:59
投稿者 岡沢 秋
> 関係文献:12世紀の『ブリテン列王史』←ラテン語らしいです

モンマスのジェフリーさんの書いた本ですね。

>Ythrbendragwn と呼んでいるとか。

あ、そうか。ラテン語だからつづりが違うんですね。
カタカナ表記だと同じでも…。


> ということは『パルチファル』の中に出てくるウテパンドラグーンというのは、当然のことながら、人間のことではなく「竜王」ということでしょう。それとも・・・ア−サ−のお父さんも『パルチ
ファル』の登場人物? ^^;

お父さんです。父王として登場します。王妃アルニーヴェがさらわれたので助けに行くけど、魔法の城に阻まれて辿り着けなかった、かわいそうな人。

逆に、ウテパンドラグーンやユーサー・ペンドラゴンが「称号」として扱われている話は、まだ見かけたことが無いんです。
おそらく多くの話では個人名として扱われているのでしょうが、同じ時代の一つの話の中で、「ドレキ」も「ワーム」も竜のことを指すというのが、不思議だなぁ、と…。

日本語に直したときに両方「竜」なだけで、実際は異なる形状の怪物を指していたんでしょうか?

タイトル ジルベスター(大晦日)なのに・・・深みに嵌まってしまいそう。。。 ^^;
記事No 1993
投稿日 : 2004/12/31(Fri) 17:54
投稿者 摩伊都
龍のこととなると話がとても長くて複雑になってしまうのですが・・・
少なくともWurm(独逸語)は、手足がなく、羽もない・・・と解釈しています。ただ、本来Wurmは「虫」のことなので、ミミズとかと区別するためにリントヴルム(Lindwurm くねる長虫)と書くようです。これを「地竜」と訳す人もいるようです。
http://ewancient.lysator.liu.se/pic/art/o/l/oli/lindwurm.jpg
http://www.merlauerdragonerhaus.de/html/schilde/schildmuster.html
wurmでも手足翼をつけている画像が多かったです。独逸でも今は意味がごっちゃになっているのでしょうね。
ちなみに、タッツェルヴルム Tatzelwurm というのは“前足のある長虫”つまり、蛇体に2本の脚のついている龍を指すようです。http://www.unexplained-mysteries.com/gallery/albums/userpics/crypto/tatzelwurm-fake.jpg
で、Trache(Drache)は龍、 Drachenは竜王、と少しずつ意味が違うようです。
Drache http://www.utmandis.de/drache.jpg
Drachen  http://www.desktopbilderarchiv.de/suchen/fantasie/drachen.jpg

タイトル ワームとドラゴン
記事No 1994
投稿日 : 2004/12/31(Fri) 20:46
投稿者 toro某
今は手元に資料が何もないので詳しくはわかりませんが:
ベーオウルフでは同一の存在に対して等しくwyrmとdracaが使われてたりします。
かなり古い部類に入る資料で、すでに混同されているのですが

タイトル 探してみようとして力尽きた
記事No 1995
投稿日 : 2005/01/01(Sat) 03:04
投稿者 岡沢 秋
ベオの原文をあさってみました。
後半で竜と戦うシーン、確かに、二種類の表記がまじってますね。

2210節
ベーオウルフと闘う竜の初登場
「やがて一匹の竜が…」
draca

2774節
「竜そのものが、そこには…」
wyrmes

あと関係ないところで、こんなんも見つけました。

1695節
剣の描写で「蛇飾りのある柄」
wyrm-fah

てことは日本語では一種類でも、それに対応する言葉は一つではないわけだ…。うーん。

いやちょっと思ったのはですね。ベーオウルフはアングロ=サクソン語、パルチヴァールは古期ドイツ語、時代も言葉もかなり違うわけですが、もとはゲルマン民族の言葉だなと。
今ある、「西洋の」ドラゴン像は、よく言われるメソポタミアではなく、北の国で生まれた、という可能性は、あるんだろうか…なんて。

まぁそう単純にいかないとは思うんですが、トカゲっぽくて火を噴いて空を飛ぶ生き物、最初に考え付いたのは意外に北欧世界の人たちだったりして。

タイトル Das Lied vom Hu"rnen Seyfrid
記事No 1996
投稿日 : 2005/01/01(Sat) 18:00
投稿者 摩伊都
Das Lied vom Hu"rnen Seyfrid でも同じです。
全179節の中で・・・以下のように出ています。(適当に一部抜粋)

6   ein mercklich Trache
7   Der wurm
8   Lindtwürm
9   die würme
17  ein wilder Trach
35  der Trach   
49  Ein Trach
99  Trachenstain

歌なので、前後の調子によって微妙に語尾のrやerが省略されていたりします。

「西洋の」ドラゴン像はメソポタミアが起源と考えられているのですか?
メソポタミアも中国も、龍というと水に関係しているような気がします。
塩水=龍?(これに付いては某サイトで反論がありましたけど・・・)

タイトル ドラゴソ(←ゲームに出てくるモンスター)
記事No 1997
投稿日 : 2005/01/02(Sun) 18:20
投稿者 岡沢 秋
 えと、メソポタミア起源説は、かなり眉唾もんの説だったりします。^^; そもそもメソポタミアは西洋文化圏に入らないような気が。ドラゴンではなくドラゴソと書いてるんです実は(嘘

 東洋の竜は水に関係するものが多く、神の化身とされる高貴な生き物、西洋の竜は火と宝に関係するものが多く基本的に化け物、という違いがある…なんて話が、よく出てくるのですが、西洋の竜である「ドラゴン」という単語の起源(実際の使用例)を、出来る限り遡ってみたいなと思いまして。

 ジークフリート(ジーフリト、シグルズ)に関連する竜は、元を辿れば北欧神話の「ファーブニルの歌」に出てくるファーブニルが化けた竜なんですが、エッダでシグルズに倒されている「竜」は、どうも翼が無い、蛇のような生き物らしい。

 ファーブニルは水を飲むためズルズル地面を這ってやってくるのですが、シグルズは穴を掘って待ち、腹がちょうど穴の上に来たところで下から突き刺す。
 苦しんだファーブニルは、頭と尻尾を振り回すけれど、手や翼については語られず、シュッシュッという音をたてて威嚇したと語られる。

 してみると、西洋の竜退治伝説の原型に登場する最初の「竜」は。どっちかというと「大きな蛇」のイメージだったんじゃないかと思うんです。ドラゴンの吐く火は、毒蛇の毒だという説もありますし。ドラゴンが金目のものが好きだとか、財宝を蓄えたがるという話しは、ファーブニルと、ベーオウルフに出てくる火竜が原型でしょう。

 ところで、エッダにはもう一箇所、竜と思われる生き物が出てきます。
「巫女の予言」の最後で死者を乗せて飛ぶ「黒い蛇」ニーズヘッグで、こっちはきらめくうろこを持って空を飛ぶ生き物です。

 気になって原語を調べてみたら、充てられてる単語は「dreki」のほうでした。
もしかすると、本来は、蛇に似た、飛ばない竜がワーム、トカゲに似た、空を飛ぶ竜がドラゴン、…と区別するべきだったのか? なんて思うんですが。(って摩伊都さんも書かれてますが。)

 とはいえ、ベーオウルフでは空を飛ぶ竜に対してどっちの単語も充てられてるので、確かに早い段階から混同されていたんでしょうけど。

タイトル 竜のはじまり
記事No 1998
投稿日 : 2005/01/03(Mon) 10:29
投稿者 toroia
 ゲルマン系のことばのドラカdracaとかドレキdrekiとかは(ちなみに英語ではdrakeのほうがdragonよりも古い形らしいです)、ほぼ間違いなくギリシア語のドラコンΔρακων(ラテン語のドラコdraco経由かもしれないですが)にたどれますよね。だとすると、できる限りたどるならヘシオドスとかホメロスとか、ギリシア語の資料になってしまうわけですが。
 となると、ギリシアローマ世界と接触する以前はドラゴンという単語はなかったことになりますね。

>本来は、蛇に似た、飛ばない竜がワーム、トカゲに似た、空を飛ぶ竜がドラゴン、…と区別するべきだったのか? なんて思うんですが。
 確かにゲルマン系だとワームは飛ぶイメージがしませんね。スイスのツチノコであるタッツェルヴルムも地面をはうばっかりですし。。。。ベーオウルフの火竜も「地竜」eordhdracaって呼ばれてます。デンマークでは、空を飛ぶのをドラーウェdrage、飛べないのをレンオアムlindormと区別するらしい(『世界の龍の話』より)。でも、ギリシアでドラコーンと呼ばれる怪物が空を飛んでいるという話は知らないです。「ヨハネの黙示録」にある「巨大な竜、古き蛇」は空を飛んだかどうか覚えてませんけど、こいつは尾の一振りで全天の1/3の星を払い落とした超巨大ドラゴンなので、地球レベルの話は関係ないかも。
 流星はファイアードレイクですけど、これもドラゴン系ですね。火を身にまとって空を飛ぶ。『アングロサクソン年代記』793年の条では「火竜が空を飛んでいるのが見られた」とあるんですが、この原語もfyrenne dracanです。
 お宝を守る蛇といえば、ブログにも書きましたが、ラドン(黄金の林檎を守る。星座では竜座らしい)、アルゴー探検隊の竜(金羊毛を守る)というのがギリシアにいますし、大地べったりの蛇といえばデルポイの番人(赤ちゃんアポロンにあぼーんされた)であるピュトン、アレスの泉の竜(カドモスにあぼーんされた)、レルネー沼のヒュドラ(そういえば、ファーヴニルの血もヒュドラの血も、結果的に英雄の死に決定的な役割を果たすことになります)、ガイア(=大地)が産んだテュポンなんかが思いつくです。旧約聖書外典「ベルと竜」(新約と同様、ギリシア語で書かれてる)の「竜」もドラコンですが、洞窟にすんでます。ニーズヘッグも普段はユグドラシルの根っこをかじってるんですから大地べったりですな。

 そういえば北欧にシーサーペントの伝説がありますよね(オラウス・マグヌスだったか?)。あれはたぶん一度たりともドラゴンと呼ばれたことはないのでしょうが、一応ゲルマンな水=蛇の例として。

 バスク地方(非インド・ヨーロッパ系の人々で、ヨーロッパの先住民といわれてる)でも炎を吐いて飛び回るシュガアルという怪物がいるそうです。詳しいことはわからないので、もしかしたらフランス経由で叙事詩のドラゴンが伝わっただけかもしれませんけど。
 火を噴く爬虫類だったら、旧約聖書のレヴィアタンは「ヨブ記」に火を噴き火花を撒き散らすと書かれてます。レヴィアタンは水の怪物で、原型はクジラだとかワニだとか言われてます。また、「民数記」には「炎の蛇」と訳されるネハシム・セラフィムという怪物が出てきますけど、これは不実なイスラエルの民へのヤハウェさんの贈り物で、毒蛇です。「セラフィム」は最高位の天使のことですが、この関連から、もしかしたらセラフィムも蛇のような姿をしていたのではないか、とも言われてます。ただ、西アジアでは翼は生えてても飛ぶ姿は描かれません。みんな足で立ってるだけです。空を飛ぶ蛇は、たしかヘシオドスだったかプリニウスだったかが、エジプトあたりでそのような蛇の話がある、といってた気がします。とはいえ、どれも北欧に影響を与えたとは考えにくいです。

 今のとこ、空を飛んで火を吐く蛇トカゲは北欧起源だと考えてもいいのでは? フランスではセルパン(つづり忘れた、サーペントと同語源。普通名詞の「蛇」)が火を吹いて飛ぶらしいですが、これは北欧の影響かと

 メソポタミア起源というのはようわからんのですが、メソポタミアあたりではドラゴンは確かに神様たちの敵の一種ではありますが、そこまで重要な存在ではないですよね。というか、神様の仲間でさえある(たとえば、イシュタル門にあるムシュフシュ)。むしろそういう人の頭の中ではレヴァント地方(イスラエルとか、レバノンとか)のリタン(カナアン)やレヴィアタン(ヘブライ)あたりが念頭に置かれてたのではないかと思います。神さまの敵対者としてのドラゴンは、上記ヨハネの黙示録にはっきりと書かれてしまったことで半ば固定化されて、それがキリスト教の広まりに伴ってヨーロッパに浸透していったという経緯があります。神様の敵対者としてのドラゴン・蛇の怪物はカナアン以外にもアナトリアのイルルヤンカシュ、メソポタミアのムシュフシュやバシュム、ムシュマッヘー、エジプトのアポピス、イランのアジ・ダハーカなどなどあるので、そのあたりに源泉があるという考えがおきてもおかしくはないと思います。文化には複数の源泉があってしかりでしょう。
 ところで、西洋文化圏/東洋文化圏と単純に分割して考えるのはあまりお勧めできません。この分類って、今ではヨーロッパの学者さんや知識人仲間が、自分たちは自分たち以外とは根本的に違うんだ!という妄想じみた信念のもとに創り上げたもの、といわれてます(サイードの『オリエンタリズム』とか)。現代ではその分類が実体化しているところもあるし、「結果的に」存在している場合もありますけど(とくに政治的なものの場合)、前提として区別するのは、ちと個人的には抵抗があります。とくに、この話題のように歴史時代と先史時代のはざまをさまようようなネタの場合・・・。

タイトル やっと発見。
記事No 1999
投稿日 : 2005/01/03(Mon) 17:30
投稿者 岡沢 秋
ええと、前に言った、北欧神話での龍という単語についての考察。谷口先生じゃなくて菅原教授の「ゲルマン北欧の英雄伝説」でした。ヴォルスンガ・サガで、シグルズとレギンがファーヴニルについて語るシーンの注釈です。


【本文】

シグルズ
「ぼくは若くたって、この大蛇(ormr)がどんなやつか知っている(以下略)」

レギン
「そいつは違う。奴の大きさは普通の蛇(lyngormr)ほどで、実物よりずっと大きく伝わってしまっているのだ。(以下略)」


【これに対する注釈】

原語 ormr は、英語 worm 、独語 Wurm と同意。ファーヴニルを指す名詞として、本文では今後 dreki「龍」(独語 Drache 等と同じく、最終的にはラテン語 draco <ギリシャ語dra-ko-nより>も頻用される。古ゲルマン人は、我々のもとにおけるような大蛇と龍との区別をしていなかったようだ。「ニーベルンゲンの歌」のlin(t)trache(第三歌章100連)も「半龍半蛇」と解義されている。

しかし、中世後半(14-15世紀)の北欧になると次のような把握がなされるようになった。
「彼は一匹の龍(ドレキ)が北方の山から自分のほうに向かって飛んでくるのを見た。それは大蛇(オルム)のようにとぐろと尾を、そして龍(ドレキ)のように翼をもっていた」(雄鮭ケティルのサガ)1章

ノルウェーのテレマルク州に伝わる伝説によれば、蛇たちは年に一回集まって薬石(bustein)を吐くことを習慣とし、集まっては互いに打ち合いをして、一匹が死ぬまで止めなかった。この死んだ蛇に最初に水を運んでいった蛇は龍になるという。

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このあと、ヨハネ黙示録の2章では龍と蛇が同等の意味で使われているとか、サクソ・グランマティクスの語る龍退治伝説では龍は serpent になっているとかが続きます。

あと、lyngormr は字義的には「荒野の蛇」だそうで。


ギリシアの伝承はあんまり興味無いので失念してましたが、なんか色々いましたね、確かに。どっちが古い? というのはともかく、ギリシア語のドラコーン、もしくはラテン語のドラコが入ってくるまで、ゲルマン語では龍のことをすべて「オルム」で片付けていたのだとすると、二つの単語が入り混じっているのも納得できます。

あとの時代になってから、「オルム(ワーム)」と「ドレキ(ドラゴン)」の意味を分離したんでしょうね。


ベオの竜が「地竜」と呼ばれている部分、まだ探せてません^^;
読めない言語を目で辿るのはけっこう難しいですね。

あと、北欧にシーサーペントの伝説ってありましたっけ。

タイトル ヨルズドラカ
記事No 2000
投稿日 : 2005/01/03(Mon) 21:22
投稿者 toroia
、と『幻獣大全』には書いてあったのですが、eordhのdhはエズです。
それで検索してみると2712行目くらいに載っているようです。

ベーオウルフに出てくる怪物たちの名前、別称、あだ名、などが並んでるページがありました。
http://www.heorot.dk/monstrorum.html

タイトル 地龍あった…
記事No 2003
投稿日 : 2005/01/07(Fri) 01:49
投稿者 岡沢 秋
> それで検索してみると2712行目くらいに載っているようです。

まさにビンゴ。
ヨルズドラカでした。ありがとうございます。

あと気づいたこと少々。
その前の2705行では「龍」dracaと呼ばれているのですが、
2706行では「鬼を打ち倒した」となってます。

Feond gefyldan, です。どっちが「鬼」でどっちが「倒す」って単語なんでしょうね。うーん…^^;

2650行では「恐るべき炎の鬼」なんですが、
gled-egesa grim なので、たぶんgrimに鬼という訳が当てられているはず…。

ご紹介のページには、どっちも載っていないっぽいです。

タイトル feond
記事No 2004
投稿日 : 2005/01/07(Fri) 07:15
投稿者 toroia
 「鬼」は現代英語のfiend(悪魔、鬼、敵)に当たるfeondのほうだと思います。

 No.2000のページだとシーサーペントsea serpentという意味の言葉が
いくつかあるみたいですけど、「?」があるですね。
 sae-dracaなんかはソレっぽいですが……。

タイトル スイスのツチノコであるタッツェルヴルム
記事No 2005
投稿日 : 2005/01/07(Fri) 09:15
投稿者 摩伊都
>確かにゲルマン系だとワームは飛ぶイメージがしませんね。スイスのツチノコであるタッツェルヴルムも地面をはうばっかりですし。。。。ベーオウルフの火竜も「地竜」eordhdracaって呼ばれてます。

家族旅行している間に話が随分と進んでしまったようですが・・・
Die Bilder vom Tatzelwurm (タッツェルヴルムの絵・写真)というサイトです。↓ イラストとして見るとイメージがよく伝わってきます。
http://www.markuskappeler.ch/taz/tazs/bilder.html

タイトル おお。ほんとにツチノコだ。。。
記事No 2006
投稿日 : 2005/01/08(Sat) 22:59
投稿者 岡沢 秋
>摩伊都さん

さんくすです。ほんまにツチノコっすね。^^;
あとファーブニルの岩壁画も見つけました…ノルウェーのサイトで。ただのデカい蛇っすね…

してみるとドラゴンというものは、もともとでっかいヘビだったものが、いつのまにか手足と羽根が生えて人々の想像の中で進化していったものなのでしょうね。

>toroiaさん

なるほど、feond のほうですか。
古英語なんだから、現代の英語と比べてみるとなんとなく分かるかもしれないですね。

1428節の「s(ae)-draca」、グレンデルの仲間の妖怪たちについての記述でした。
和訳では「海龍」です。
1430節では「海龍と怪獣」という和訳で、wyrmas ond wildeor

でもこれ、怪物の群れについての単語で、単体のことではないんです。具体的にどういう形状の怪物なのかは述べられておらず、その前後で群れに対して実にいろんな単語があてられてます…

なので、龍ではなく【魑魅魍魎】というべきモノたちなのかも。

ちなみにベーオウルフは、鎧着たまま水中に飛び込んで、この怪物たちの間を泳いでグレンデルの館にたどり着きます。ムチャだから。^^;


あと前回うっかり見逃してた…↓この部分

>空を飛ぶ蛇は、たしかヘシオドスだったかプリニウスだったかが、エジプトあたりでそのような蛇の話がある、といってた気がします

これについては、以前調べたことがあるんです。
ちょこっとまとめたものが、あります。↓
http://www.moonover.jp/bekkan/story/17.htm

エジプトの壁画には翼のあるヘビがたくさん出てきますが…主に冥界にいると信じられていたものなので…。

タイトル フランス・・・混乱中
記事No 2008
投稿日 : 2005/01/10(Mon) 00:43
投稿者 toroia

> でもこれ、怪物の群れについての単語で、単体のことではないんです。具体的にどういう形状の怪物なのかは述べられておらず、その前後で群れに対して実にいろんな単語があてられてます…

単体でなくてもいいんじゃないですか?
スレのテーマから外れますけど、今のことばでいう「海sea」「竜dragon」なのですから、
少なくとも一部は、水の中の怪物のイメージの中に泳いでる(?)ドラゴンがあってもおかしくはないと思います。


> ちょこっとまとめたものが、あります。↓
>http://www.moonover.jp/bekkan/story/17.htm
>
> エジプトの壁画には翼のあるヘビがたくさん出てきますが…主に冥界にいると信じられていたものなので…。

たぶんそれだと思います

 ところでフランスで蛇の怪物はヴイーヴル(vouivre、ラテン語のマムシviperaが語源)というらしいのですが(ジャンポールクレベール『動物シンボル事典』)、これは翼のある蛇の姿をしていて、しばしば炎の体で現れるそうです。目はルビーなどの宝石、そして城跡や遺跡に住み着いているとのこと。また、川や湖で水を飲み、「水生の蛇」であるとも。メリュジーヌもヴイーヴルの仲間らしいです。紋章上ではヴイーヴルは人を食ってる蛇ですが、、、耳が生えてます。
 でも、英雄vsヴイーヴルの伝承があるかどうかは触れられていませんでした。
 このヴイーヴルがどこまでさかのぼれるかはわかりませんが、『動物シンボル事典』には、ガロ・ロマンの昔、リュジニャンでは一匹の翼ある蛇が人々に崇められていたらしい、と書いています。また、ガリアの典型的な怪物で、昔のセクワニー族の土地ではなじみの怪物であった、ともあります。前者をそのまま受け取るとローマ時代に翼のある蛇がゲルマン系ではなくてケルト系で知られてたことになります。後者は「セクワニー族に馴染み」だったのか「セクワニー族のいた土地では馴染み」であるのかよくわかりませんが、考えられることは似たようなものです。
 ただ、クレベールさんは訳者あとがきで「アマチュアで、間違いも多い」と書かれているので、どこまで鵜呑みにしていいかはわからないです。

タイトル 群態
記事No 2010
投稿日 : 2005/01/10(Mon) 01:08
投稿者 岡沢 秋
> > でもこれ、怪物の群れについての単語で、単体のことではないんです。具体的にどういう形状の怪物なのかは述べられておらず、その前後で群れに対して実にいろんな単語があてられてます…
>
> 単体でなくてもいいんじゃないですか?
> スレのテーマから外れますけど、今のことばでいう「海sea」「竜dragon」なのですから
> 少なくとも一部は、水の中の怪物のイメージの中に泳いでる(?)ドラゴンがあってもおかしくはないと思います。

そうなんですが、怪物についての具体的なイメージが何も書かれていないんです。形状とか…。

だから「海に住む怪物」という意味の単語が他に無かったので
sae draca と書いたのであって、竜のような生き物は想定していなかった可能性があるんじゃないかと疑ってみたんです。

魑魅魍魎…っていうのは、正体のよく分からない、具体的な姿があんまり想像できない有象無象をさす日本語だと思うのですが、
この場合のsae-dracaも、よく分からないけど海にいる普通じゃない「何か」たち、という意味で、竜のことではないかもしれない…。

その前後で、同じ怪物たちを表すのに「奇怪なる海の渡りもの」とか、「恐るべき異形のもの」とか、あいまいな言葉で、単語が色々入り乱れているのも、それが何かについて具体的なイメージが無いために起こった混乱のように思えます。


私の疑問の、最初の発端は「ドラゴンっていう言葉は、いつから、いま想像されるようなドラゴンになったんだ?」…というものです。いま想像されるドラゴンというのは、ティラノサウルスに翼がついたようなアレ、です。

もうちょっと進めていくと、大蛇に手足のついたような生き物と、翼があってどっちかというとトカゲに似ている生き物とは、どこで分離したのか。幻想動物の進化の分岐点ですね…。それが知りたいな。とか。

----
えと、あと、toroiaさんが原語のテキスト持ってなかったらアレなんで、ここをどうぞ…
http://www.sacred-texts.com/neu/asbeo.htm

ベオの原本は火事で破損してるので、破損箇所の文字の復元について多少違ってる部分もあるみたいなんですが、行換算はウチにある本と同じなんで。
出回ってる岩波文庫の和訳の元になってるテキストとも同一だと思います。

もうご存知だったりしたらスンマセン。

あとフランスのヴィーヴィルについては、あんま知らないのでちょっと調べてみます。ガリアの怪物ってことは、大陸ケルトの資料を探さないといけないですね。

タイトル 手足に蛇
記事No 2012
投稿日 : 2005/01/11(Tue) 00:03
投稿者 toroia
>あいまいな言葉で、単語が色々入り乱れているのも
これはグレンデル、お母さん、竜のどれにも当てはまらないですか?さらにベーオウルフなど人間たちに対しても。
ところで私の手元にあるのは一番小さな岩波文庫のやつなのですが、
saedracanを「水蛇」と訳してました。前後にはwyrm-が2ヵ所出てきますけど、こちらは普通に「蛇(ルビくちなわ)」。
前後の詩行を見てみて、外来語でその原義が蛇を意味するdracaをあえて使うとすれば、やっぱ・・・

それと、たとえ「何か」が蛇型の怪物ではなくても、それにdracaということばを当てた時点で、書いてる人に具体的なイメージがなくとも読み手がdracaから蛇のような怪物を想像するのはごく自然なことだと思います。書かれたものって、書いた人だけじゃ成り立たなくて、それを読む人&解釈する人がいなきゃならないわけですから。イメージがあいまいなものをことばでキチッと書いてしまうことによって、そのイメージがことばからつくりだされて新たなイメージが誕生してしまうというのはよくあることです。名前は大事です。少し違う話になってしまいましたが。

ところで、日本語で、魑魅魍魎(より近いことばとして「妖怪」)にあたることばにアヤカシというものがあります。ですが、アヤカシは16世紀の謡曲「船弁慶」などでは海に現れる妖怪のことを意味します。さらに、民間伝承では、アヤカシというのは、海に現れる鬼火だったり船幽霊だったりしますが、有名なのは鳥山石燕の書いた絵で、非常に体長の長い蛇か魚のような姿をしています(http://ww22.tiki.ne.jp/~ballet/melmaga2/photo/ayakashi.jpg)。

>えと、あと、toroiaさんが原語のテキスト持ってなかったらアレなんで、ここをどうぞ…
どうもありがとうございます。

ケルト系といえばグンデルトルプ(日本語表記バラバラでどれがいいのかわからんw)の釜に、ケルヌンノス(仮名)が左手で「羊頭の蛇」をつかんでますね。すごく地味ながら、角が生えてます。
http://paganinstitute.org/images/Deities/Cernunnos%2011.jpg
『世界神話大事典』「ケルトの聖獣」(p.648)のところでセクァニー族の硬貨にこの蛇が馬に足蹴にされてるところが描かれてるとありますが、もしかしたらこれが『シンボル事典』の書いてるやつのことかもしれません。また、ボヘミアのボイー族の硬貨は前1世紀ごろ、ドナウ川にそってブラティスラバまで分布していて、角を生やした蛇が彫られているそうです。「長い割に太めで、頭部はどちらかというと竜のような」姿らしいです。ただし、足は生えてない模様。ほかにもフランスやイギリスでもこの意匠が見られるそうです。

>もうちょっと進めていくと、大蛇に手足のついたような生き物と、翼があってどっちかというとトカゲに似ている生き物・・・

中世の動物誌(bestiary)では、蛇がありえない形で描かれてたりします。
http://bestiary.ca/beasts/beastgallery144.htm
→両頭蛇アンピスバイナ。一番上のイラストでは蛇ですけど、下のだと4つ足で犬のような顔。その下も2脚。

http://bestiary.ca/beasts/beastgallery268.htm
→アスプ、元はエジプトコブラのこと。2本脚で翼が生えてたり、耳だけあって脚も翼もなかったり。

http://bestiary.ca/beasts/beastgallery274.htm
→ボア、イタリアの大蛇。上のイラストでは普通の蛇なんですが、下のだと脚が生えて耳もあります。

http://bestiary.ca/beasts/beastgallery275.htm
→猛毒蛇ディプサ。上のではツチノコっぽい蛇だけど、下のだと前脚がなくて尾が長い哺乳類に近い。

http://bestiary.ca/beasts/beastgallery262.htm
→ドラゴン。これは実に色々な姿をしてます。2番目のは4つ脚、角あり、翼も2対で火を吹いてますが
その下は前脚があるだけ。その下は空を飛んでます。耳があって鼻があって毛が生えてて、爬虫類よりも哺乳類に近いです。

http://bestiary.ca/beasts/beastgallery272.htm
→水蛇ヒュドロス。角だけあって泳いでたり、翼があったり、ただの蛇だったり。。。

http://bestiary.ca/beasts/beastgallery264.htm
→スネーク。普通の蛇でも脚や耳があったり。

描かれているのは単なる動物としての蛇なはずなのですが、脚が生えて翼が生え、トカゲを通り越して
耳や鼻が発達し、ついでに毛が生え、足は猫のよう。唯一尻尾と首が長いのが蛇である証・・・?
いったい何で蛇に哺乳類の特徴が加わったのかは、私にはよくわかりません。
ただ、中世(っても期間すごく長いけど。動物誌だと12世紀以降?)だと、単に「蛇」やその仲間のことばを使っている場合でも、イメージ的には脚や翼があることもあった、ということはいえると思います。
要するに「動物誌」以前の蛇とかドラゴンとかの図像になにがあったのか?
ということなのですが、私はまだ見つけてません。

ところで、同時代〜少し後の時代の絵画では、たとえばカラパッチオの「聖ゲオルギウスとドラゴン」ではドラゴンはむしろ翼の生えた犬っぽいですし
http://cgfa.sunsite.dk/carpaccio/p-carpaccio3.htm
ウッチェルロの同じ絵でも、不自然に2本脚ですが、犬歯とその他の歯がきれいに描き分けられています。
http://www.wga.hu/frames-e.html?/html/u/uccello/6various/5dragon1.html
それに、両方とも、トカゲと違って哺乳類や恐竜のように脚が下に伸び、はいつくばってません。
ラファエロの同じ絵も同様。
http://cgfa.sunsite.dk/raphael/p-raphae36.htm

こういったルネサンス期の絵画が現代のドラゴンのイメージに直接つながるんだとは思いますが……。

たぶん、欧米ではこのようなドラゴンの図像の変遷を丁寧に追った本とかあるのでしょうが、あいにく私の手元にはありませんです。

タイトル 翼の生えた犬っぽい・・・
記事No 2013
投稿日 : 2005/01/11(Tue) 01:28
投稿者 摩伊都
> いったい何で蛇に哺乳類の特徴が加わったのかは、私にはよくわかりません。
> ところで、同時代〜少し後の時代の絵画では、たとえばカラパッチオの「聖ゲオルギウスとドラゴン」ではドラゴンはむしろ翼の生えた犬っぽいですし

犬、で思い出したことがあります。
ハリウッド映画「ネバー・エンディング・ストーリー」(ミヒャエル・エンデ原作『Die unendliche Geschichte』)で、幸福の龍フッフール(映画ではファルコ)の顔が、どう見ても犬にしか見えなかったことです。原作のイラストでは、中国風の龍で足が4本。翼は無し。獅子?に似た顔に耳のようなものがある。これがどうして映像になった時にあんなに変化してしまったのか? 欧米の歴史の中に、龍は犬のような顔をしているという思想があるのか?もしかして、狛犬(唐獅子)と中国の龍が合体したとか???

>岡沢さんへ
時間の無駄かも・・・と思いつつ、Das Lied vom Huernen Seyfrid 「角質化したザイフリート」の原文と、石川先生の『「ニーベルンゲンの歌」を読む』の中に出ている、これの訳とを比較対照しつつ、trache、wurmがどのように訳されているのか確認しています。
韻文をそのまま訳してあるのではないので分かり難く、時間ばかり過ぎていっています。(誰か、古い独逸語に堪能な人、おらんかな〜)
ここの、龍に関するレスが終わってしまっても・・・179節までたどり着けるか分かりませんが、ぽちぽちと頑張ってみます。 ^^;

ネットで検索していると、Lindwurmやtracheは、人(日本人ね)によって解釈の仕方が本当にまちまちで、???と思うことがしばしばです。確かに、古い独逸語の辞典にさえ、「der Lindwurm 龍。體躯脚足獅子のごとく、羽翼口嘴鷲に似たる怪獣。」と書いてあったりしているので、いつからこのイメージが出てきたのだろうと不思議に思いました。   


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