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投稿時間:2002/12/25(Wed) 23:46
投稿者名:摩伊都
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タイトル:
ニ−ベルンゲンの指輪
初めまして。

なかなか素晴らしい内容のペ−ジに、ビックリしています。

ただ・・・
なんか・・・発音がところどころ・・・不自然な所があるのですが・・・
独逸語の発音・・・あれでいいのですか?  ???

投稿時間:2002/12/26(Thu) 00:18
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
URL :
タイトル:
発音ですか。
 どもこんにちは。岡沢です。

> なんか・・・発音がところどころ・・・不自然な所があるのですが・・・
> 独逸語の発音・・・あれでいいのですか?  ???

 「指輪」の、人物名ですか? 人物名についてはワーナーミュージック・ジャパンが出してるCDについてたドイツ語/日本語訳の台本と新書館から出ている4部構成の台本から取ってきてるんですが、
 実際のとこ、私、第二外国語は中国語だったのでドイツ語さっぱりでして^^;
 具体的にどこがおかしいのか仰っていただければ、調べてみますけど。

投稿時間:2002/12/26(Thu) 00:24
投稿者名:岡沢 秋
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タイトル:
あっ…
 …タイプミスしてる…(がーん)
 ジークフリートのつづりが違うんですよねっ? e抜けてますねよく見たら?
 誰か突っ込んでYO! ごめんなさいぃT_T
 オレにトールキンになるのは無理だ…。

 とんでもないサイトです。容赦なくツッコミ入れてください。

投稿時間:2002/12/26(Thu) 00:55
投稿者名:摩伊都
Eメール:
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タイトル:
Re: あっ…
>  …タイプミスしてる…(がーん)
>  ジークフリートのつづりが違うんですよねっ? e抜けてますねよく見・・・

あ。ええと・・・違います。
例えば・・・「セイフリ−ト」という箇所とかがあったんですが・・・Seyfrid ですよね。これは、Seifrid つまり・・・独逸語ではザイフリ−ト です。
ちゃんとちゃんとザイフリ−トになっているところもあるのに・・・へんだなあ???

それから・・・パッサウ ではなく・・・どちらかというと パッサオ ではないかなあ・・・。細かくてすいません・・・。私も独逸語初級なんですが・・・。^^;

すいません。
別のことなんですが・・・ク−ドル−ンのところで・・・

>ところで、森の中でハーゲンは、不思議な、ドラゴンのような生き物に出くわしたことになっています。
 …グリフィンの島に住んでいるドラゴンとは。親戚なんでしょうか。

出会い頭、ハーゲンはいきなり、戦いを挑みかかります。狩りの途中だったので、ついでなんでしょうか。ドラゴン=羽根はえてるヘビみたいな獲物。(おいおい。それでいいのか王子様。)

という処がありましたよね。あのう・・・。

この、「ドラゴンのような生き物」のスペル、分かりましたら教えていただきたいのですが・・・。
もし、分かるのでしたら、ぜひ、教えてください。お願いします。
取り急ぎ、調べる必要があるものですが・・・どこを探してもないもので・・・困っているのです。

Wurm なのか・・・それとも・・・Tatzel−wurm なのか・・・。それとも・・・また違うのか・・・???

投稿時間:2002/12/26(Thu) 01:26
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
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タイトル:
「セイフリートの歌」のこと?
名前変換表。
http://www5b.biglobe.ne.jp/~moonover/2goukan/name.htm


> 例えば・・・「セイフリ−ト」という箇所とかがあったんですが・・・Seyfrid ですよね。

そうなってます。セイフリート、になっている作品もあるんです。
書かれた時代が違うんで、つづりも違うし、発音も若干異なる…と。

> それから・・・パッサウ ではなく・・・どちらかというと パッサオ ではないかなあ・・・。

 えーと、これは、だいたいの本がパッサウ、と表記しているので、パッサウでいいのではないかと思います。
 パッサオは見たことないです^^

 それより、「Worms」のほうが表記がバラけています。
 ヴォルムズ、ヴォルムス、ウォルムス、ウォルムズ、と現在までに4種類を確認(確認してどうする)。どれがいいんでしょう…。

> 別のことなんですが・・・ク−ドル−ンのところで・・・
> この、「ドラゴンのような生き物」のスペル、分かりましたら教えていただきたいのですが・・・。

 うーーーん、クードルーンのウェブテキストは見たことがない…です。あんまし人気ないのか、以前ちらっと検索してみたときも、めちゃめちゃ簡単な概要しか載ってなかったような。

 ドイツ語がお分かりになるようなので、検索で探してみてはいかがでしょうか。googleにタイトルを放り込んでみると…。
 写本は一種類しか現存していないので、探しやすいかとー。

 ていうか、見つけたら私にも教えてください。
 あの粗筋の元にしたのが、現代教養文庫のテキストなのですが、どうも地名のカタカナ表記がアヤシイような気がするので、いっぺん確かめてみたいと思ってたんです。

投稿時間:2002/12/26(Thu) 02:03
投稿者名:ろき
Eメール:
URL :
タイトル:
auのカナ表記
> > それから・・・パッサウ ではなく・・・どちらかというと パッサオ ではないかなあ・・・。
>
>  えーと、これは、だいたいの本がパッサウ、と表記しているので、パッサウでいいのではないかと思います。
>  パッサオは見たことないです^^

手持ちのドイツ語入門書によると、ドイツ語の二重母音"au"は、
発音上は"アウ"より"アオ"の方がより正確ですが、
ドイツ語の外来語/人名/地名等をカナ表記する場合は、
慣用表記として一般に"アウ"と表記するそうです。
ex.アウトバーン[Autobahn]、ファウスト[Faust]、アウグスブルク[Augsburg]
もちろんこれは現代ドイツ語の話で、過去のドイツ語の話は、
超初級者のへたれな私の手には負えません。(^^;

>  それより、「Worms」のほうが表記がバラけています。
>  ヴォルムズ、ヴォルムス、ウォルムス、ウォルムズ、と現在までに4種類を確認(確認してどうする)。どれがいいんでしょう…。

現代ドイツ語の発音をカナ表記すると、ヴォルムスになります。
ただやっぱり過去のドイツ語の話は(以下略)

投稿時間:2002/12/26(Thu) 15:22
投稿者名:摩伊都
Eメール:
URL :
タイトル:
Re: auのカナ表記
> 手持ちのドイツ語入門書によると、ドイツ語の二重母音"au"は、発音上は"アウ"より"アオ"の方がより正確ですが、
ドイツ語の外来語/人名/地名等をカナ表記する場合は、慣用表記として一般に"アウ"と表記するそうです。
> ex.アウトバーン[Autobahn]、ファウスト[Faust]、アウグスブルク[Augsburg]

わあ。ありがとうございます!!!
そうか・・・。表記上の問題かア。
いえ、実は・・・数少ない海外旅行でPassau(スペル、忘れた〜)へ行ったのですが・・・どう聞いても「パッサオ」にしか聞こえなかったもので・・・。はい。

投稿時間:2003/01/02(Thu) 20:03
投稿者名:
Eメール:
URL :
タイトル:
Re^2: auのカナ表記
> > 手持ちのドイツ語入門書によると、ドイツ語の二重母音"au"は、発音上は"アウ"より"アオ"の方がより正確ですが、
> > わあ。ありがとうございます!!!
> そうか・・・。表記上の問題かア。
> いえ、実は・・・数少ない海外旅行でPassau(スペル、忘れた〜)へ行ったのですが・・・どう聞いても「パッサオ」にしか聞こえなかったもので・・・。はい。

現代ドイツ語では、”AU"の発音は”A”から”U"の方向への二重母音で、完全には”U"まで行きません。よって、”O"の近所で音が終わってしまいます。”O"より”U"の方が唇の開き方が゛狭い”(唇を尖がらせ円くする”)。したがって、”AU"が”AO"のようになってしまいます。ドイツ語の”U"は日本語の”ウ”とは全く異なる音なので、ことさら”AO"のように発音したほうがドイツ語らしく響きます。あなたの聞かれた音をそのまま使ってドイツ語を話すことがbesserでしょう。

投稿時間:2002/12/26(Thu) 06:08
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
Re: 「セイフリートの歌」のこと?
http://www5b.biglobe.ne.jp/~moonover/2goukan/niberunku/retold-ex2.htm
>韻文「不死身のザイフリート」
>創作者;? 創作年代;現存する最古の印刷−1530年ごろ 現存>する最新の印刷−1642
つづりは、
Das Lied vom Hu:rnen Seyfrid [Das Lied vom Hürnen Seyfred]
が標準つづりのようです。http://www.nibelungenlied.com/HS/seyfrid2.html
では、その主人公のこのページでは次のようなあらゆる綴りが挙げられています。

Sewfrid K,B,S1,O,O1,II.1,X
Sewfried O
Süwfrid B
Sawfried O2
Seyfrid N,F,S
Seyfried Ba
Sifrid H
Sayffryd (Sajfryd) P
Süfrit V
Zufrit St

名前のあとのアルファベットは、Kほん、N本とか出版本の種類を指します。

>悲劇「不死身のゾイフリート」
>ハンス・ザックス

は、"Hu:rnen Seufried"[Hürnen Seufried]
Hans Sachs

蛇足ですが、過去ログ#580に
>>  その他、見つけられずにいるのが「デンマークのバラード」「フ>>ェロエのバラード」なるもの。シグルドやブリュンヒルドが、ちょ>>っとずつ名前変わって出てるらしいのですが、何なのでしょうか。
>検索してみたところ>http://lings.ln.man.ac.uk/endangerment/Faroese.html のサイト
>に"Lyngbye, Hans Christian (ed.), Færøiske >Qvæder om Sigurd Fofnersbane og hans Æt. Randers, >1822."という本は「ファフニール殺しのシグルズとその家族のフェロ>ー(語)のバラード」..
と書きましたが、「シグルズのバラード」というのは、作品の題名ではなく、いくつかのバラード群の総称らしいです。www.um.dk/english/danmark/danmarksbog/kap7/7-2-10.asp
に、Sju'r∂ar kvae∂ini [Sjúrðar kvæðini]が"ballad cycle"である、つまりバラード作品群であると書かれています。

http://www5b.biglobe.ne.jp/~moonover/2goukan/niberunku/retold-ex3.htm
(ド・ラ・モット・フケーのローマつづりが de Motte となっていて La が抜けております。ウンディーネという水精について書いたのがこの人だって言うのは知ってたんですよね。しかしニーベルンゲンのネタで戯曲を手がけてたのは無知でした。あと、後世の騎士が、ブリュウンヒルデ娘アスラウグの夢を見るとかいう創作もあるようです。
「ウンディーネ」や「アスラウグの夢」の英訳テキストは:

http://digital.library.upenn.edu/webbin/gutbook/author?name=La%20Motte%20Fouque%2C%20Friedrich%20de にあります。

 「グドルーン/クドルーン」の竜みたいな生き物については別レスに入れます。

投稿時間:2002/12/26(Thu) 17:10
投稿者名:摩伊都
Eメール:
URL :
タイトル:
Re^2: 「セイフリートの歌」のこと?
すごいですね〜
きよさんて・・・独逸語、ペラペラなのでしょうか?

ところで・・・お詳しいようなので・・・もう一つ質問。

17世紀のドイツの民衆本『不死身のジ−クフリ−ト』の巻末に、ジ−クフリ−トの結婚式の余興のことが書かれているとか。

この中で登場する、農夫ヨルクスと兵士ツィフェレスのことを調べているのですが・・・

何かご存知ありませんか?
スペルが分からないので・・・探索できなくて困っています。

きよさん、この二人のスペル、ご存知でしょうか?

投稿時間:2002/12/26(Thu) 19:19
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
URL :
タイトル:
テキストあんのかな?
> 17世紀のドイツの民衆本『不死身のジ−クフリ−ト』の巻末に、ジ−クフリ−トの結婚式の余興のことが書かれているとか。
>
> この中で登場する、農夫ヨルクスと兵士ツィフェレスのことを調べているのですが・・・

現代教養文庫の「ドイツ中世物語2」に、「角のように固くなったジークフリート」というタイトルで、この作品のあらましが入ってますよ。

綴りは載ってませんが、これもタイトルで検索してみるのが一番。

原題は「Der hu"rnen Siegfried」です。

投稿時間:2002/12/29(Sun) 10:55
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
ヨルクス&ツィフィレス
> 17世紀のドイツの民衆本『不死身のジ−クフリ−ト』の巻末に、ジ−クフリ−トの結婚式の余興のことが書かれているとか。
> この中で登場する、農夫ヨルクスと兵士ツィフェレスのことを調べているのですが・・・
> 何かご存知ありませんか?
> スペルが分からないので・・・探索できなくて困っています。

 前回挙げたサイトのなかに、『角質の[肌の]騎士ジークフリート』"Siegfried der geho:rnte Ritter"のテキスト
(http://www.nibelungenlied.com/HS/ritter.html)があります。
そこに bauer(農夫)の Jorkus と knappe(従士、小姓)[?]の Zifelles
が登場するようです。
 
 岡沢さんのおっしゃる通りで、ドイツ語は、ほんのかじった程度です。スラスラと読めたらどんなにいいでしょう。私の場合、どうするかというと、
http://babelfish.altavista.com/babelfish/tr の機械翻訳にかけてとりえあえず英語に直します。(英語なら読めます)。
 ところがこの場合、結果はちんぷんかんぷんです。おそらく、次のようなことが書いてあると思います:

 このとき、宮廷道化師は招待客の従士のなかでツィフィレスを名乗る人物を見つけた。この人は、恐ろしい野うさぎ[=おそろしく臆病者?]だが、とても気位高く偉ぶっていて[?]、豆でいっぱいにつめた牛の膀胱[?]の物音でも恐怖におののいて、1マイルも遠くまで逃げて捕まえにいかなくちゃならないありさまなのだが、.. ヨルクスもこれを、他の者の上に立つ[?]《野うさぎ足ヤロー》[=臆病者]と呼んでいた。

 こんな按配で、自信ないので、ドイツ語達者な方に助っ人頼むのがベストですね。このテキスト以外は、まったくネット検索にひっかからないようだし。

投稿時間:2002/12/29(Sun) 11:21
投稿者名:摩伊都
Eメール:
URL :
タイトル:
Re: ヨルクス&ツィフィレス
きゃあああああああ。今、気がついた!!!
う、うれしいですすすすす。きよさま、感謝感謝感謝!!!!

>  前回挙げたサイトのなかに、『角質の[肌の]騎士ジークフリート』"Siegfried der geho:rnte Ritter"のテキスト
> (http://www.nibelungenlied.com/HS/ritter.html)があります。
> そこに bauer(農夫)の Jorkus と knappe(従士、小姓)[?]の Zifelles
> が登場するようです。

これ、これですよ!
>bauer(農夫)の Jorkus と knappe(従士、小姓)[?]の Zifelles
農夫ヨルクスと、兵士ツィフェレス。

ありがとうございました〜。何かお礼をしたいが・・・
私はどちらかというと・・・神道の方が詳しいのですよ。何か、お役に立てることがあれば・・・申し付けてください。でも、あんまり期待しないで下さい。(笑)

投稿時間:2002/12/31(Tue) 02:06
投稿者名:摩伊都
Eメール:
URL :
タイトル:
やはり気になる「セイフリートの歌」
> 名前変換表。
>http://www5b.biglobe.ne.jp/~moonover/2goukan/name.htm
セイフリート(Seyfried(S));「不死身のセイフリート」;「セイフリートの歌」
> そうなってます。セイフリート、になっている作品もあるんです。
> 書かれた時代が違うんで、つづりも違うし、発音も若干異なる…と。

すみません。やはり、この発音、気になります。
Seyfried を、「セイフリ−ト」と読んでいるのは、どんな文献でしょうか?

投稿時間:2002/12/31(Tue) 21:19
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
URL :
タイトル:
読まないんですか?
> すみません。やはり、この発音、気になります。
> Seyfried を、「セイフリ−ト」と読んでいるのは、どんな文献でしょうか?

 読まないんですか? 資料本にはカタカナでそうなってるんですが。

 私はドイツ語はしゃべれませんし、古いドイツ語になってくるとなおさら専門的すぎて…。

 外国語からカタカナ表記になおすのだから、発音重視か綴り重視かで違ってくるとも思うのですが、もし発音の問題がどうしても重要であれば、ドイツ語の専門家に聞くのが一番だと思いますよ。

投稿時間:2003/01/01(Wed) 14:04
投稿者名:摩伊都
Eメール:
URL :
タイトル:
Re: 読まないんですか?
> もし発音の問題がどうしても重要であれば、ドイツ語の専門家に聞くのが一番だと思いますよ。

発音はとても大切です。
以前、Das Lied vom Hu¨rnen Seyfrid をぽつぽつ読んでいる時、ある専門家に

「文の中に i もあるけれど・・・例えば Deyn  bey seynen  など、yがiの代わりをしているようにしか思えない単語があるのですが・・・。それぞれ、Dein   bei seinen と置き換えてもよいでしょうか?」 という質問をしたことがあります。その回答は、

「はい,その通りです。グリムのメルヒェン等でも初期の版では sein ---> seyn と書かれているお話が沢山ありますよ。」ということでしたので。

Seyfrid は、当然「ザイフリ−ト」と読むものと思っていたのですが、この掲示板で「セイフリ−ト」とあったので・・・あれれ?と思ったのです。
だいだい・・・「エイ」という発音は独逸語では本来ないはず。。。
で、「セイフリ−ト」と書かれていたのは、なんという資料本でしょうか?確認したいと思いますので教えてください。

投稿時間:2003/01/01(Wed) 15:03
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
URL :
タイトル:
書いてあるんですが・・・
あけましておめでとうございます。
正月からここのスレ。

> で、「セイフリ−ト」と書かれていたのは、なんという資料本でしょうか?確認したいと思いますので教えてください。

主要参考文献はいちいち聞かれるのがイヤなので、各ページの下のほうにチョイと書いてあるんです。(著作権の問題もあるだろうし)

名前リストの下のほうに書いてありますよ。

投稿時間:2003/01/02(Thu) 07:40
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
発音
> 名前リストの下のほうに書いてありますよ。
「名前変換表」http://www5b.biglobe.ne.jp/~moonover/2goukan/name.htm
吉村貞司「ゲルマン神話−ニーベルンゲンからリルケまで」読売新聞社ですか。お勧め度★★★★★、入手難易度★★★★だとか(笑)。

摩伊都さんが
>「エイ」という発音は独逸語はない
とおっしゃる点については、

「名前変換表」で
>ドイツでも、南と北では方言がかなり異なるそうです。
とあるように、標準語以外であったら、ありそうな気もします。現に、北欧語では 「石」= steinn ステイン、「家/郷」= heim ヘイムですしね。
 ですから、可能性としては、版元がどこか地方だった場合、標準発音の「ゼイフリート」以外には変化するでしょう。おそらく。
 もっとも、私が知っているのは、ich が、バイエルンの方では「イッシュ」、低地ドイツ語(Plattdeutsch)では「イック」に訛るって程度です。
 「ゲーテ」も標準語だと「グゥーテ」みたいな発音ですけど、地元(フランクフルト)だと「ゲーテ」にちかいと読んだことがあります。
 S も、標準だと「ザ行」で濁音ですが、地方によっては、柔音化して「サ行」になるようですよ。シュヴァーベン方言のサイトhttp://www.schwaebisch-englisch.de/
の"Vocabulary"でも"Saudaggl"の音声ファイルを再生すると「サウダグル」と聞こえます。

 もっとも、これらは詮索の域を出ていません。訳者がなぜ「セイフリート」を選択したかまでの検証は私にゃ無理ですね。

投稿時間:2003/01/02(Thu) 09:31
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
シドレクスサガは北欧です (TT)
 『シドレクスサガ』は、ドイツの伝承から起して、いちおう北欧語系統なので、「各エピソードの名前変換表」 http://www5b.biglobe.ne.jp/~moonover/2goukan/name.htm
で「中世ドイツ」の縦列に入れてしまわれているのは、可哀想です。

 私が調べたところでは、『シドレクスサガ』の表記は次の
--------------------------------------------------------------
グリームヒルド Grímhilðr [Gri-mhil∂r](Grímhilðr)
シグルズ Sigurðr [Sigur∂r](Sigurðr)
ブリュンヒルド Brynhildr --
ヘグニ(ホグニ)Högni [Ho:gni](Högni)
アッティラ Attila --
シドレク Þiðrekr [Pi∂rek](Þiðrek)
ヴェレント Velent --
ニドゥング Niðungr       [Ni∂ungr](Niðungr)
エルミンレク Erminrek --
--------------------------------------------------------------

おまけ:
--------------------------------------------------------------
グンナル Gunnar
中世ドイツ=
グンテル Gunther (B、C写本共通)
--------------------------------------------------------------
ゲルノズ[?] Gernoz
中世ドイツ=
ゲルノット Gêrnôt [Ge^rno^t](Gêrnôt)(B&C)
--------------------------------------------------------------
ギルゼル/ギルセル Gilzer(Gisler, Gilser)
中世ドイツ=
 ギーゼルヘル Gîselher, Gˆselhêr
[Gi^selher, Gi^selhe^r](Gîselher, Gîselhêr)(B&C写本)
--------------------------------------------------------------

あと、古英語(アングロサクソン語)の追加として、『ベオウルフ』とほんの一字違いですけれど、

エルマンリーチ
Eormanric(es)「デーオールの歌」

があります。ちなみに、現在「デオールの歌」の訳を手直し中で、名前対照表をいちおうつくってます。

投稿時間:2003/01/02(Thu) 09:59
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
URL :
タイトル:
基本的に資料に沿ったんですが…
>  『シドレクスサガ』は、ドイツの伝承から起して、いちおう北欧語系統なので 「中世ドイツ」の縦列に入れてしまわれているのは、可哀想です。

ん? でも書かれたのはドイツで、ですよね。(確か)
使用言語は中世高地ドイツ語じゃなかったですか?
ニーベルンゲンの歌と同じ言語で書かれてるんだと思ってたんですが…。

シドレクス・サガのつづりについては、私もちょっと?な所があったんですが、どっちが正しいとか言えるほど偉くないので。もしかすると底本が違うのかもしれないし、両方書いときますわ^^;

ちなみに、参考資料に使った本、訳者はかなり発音にこだわっていたみたいで、あとがきの部分で、「発音の表記については、原典を優先し統一した表記は用いていない」とまで述べられているので、セイフリートは本当にセイフリートなんだと思いますよ…。


> ちなみに、現在「デオールの歌」の訳を手直し中で、名前対照表をいちおうつくってます。

了解です。楽しみにしてますね〜

あと、”ガビルーン”について、グートルーンのページにコッソリ付け足してみました(笑

+++

それと、あまりここまでの話題と関係ないのですが…
ウォルムスの紋章に「鍵」が入っているのは、ライン河に沈められた財宝の鍵を意味するんだという説を見つけました。そういう考え方は面白いなあ、と思ったので書いてみました。

投稿時間:2003/01/02(Thu) 09:54
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
フェロー諸島のバラード
あと、シグルズ/ジークフリートのフェロー語名

>シュルダル「フェロー語のバラード」Surðae
ですが、これは、

Sjúrðar [Sju'r∂ar]

ですと、検索ヒットが出ます。
http://www.stepcla.subnet.dk/foroyar/sjurdkv.htm
にテキストがあります。

 『Sjúrðarkvæði』[Sju'r∂arkvae∂i(シュルダルのバラード)]というのは総称で、つまり『Regin smiður(鍛冶師レギン)』、
『Brynhildar táttur(ブリュンヒルドの小話)』、『Høgna táttur(ホグニの小話)』の3作をひっくるめて言うようですね。

投稿時間:2003/01/02(Thu) 10:07
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
URL :
タイトル:
在ったんだ!
>  『Sjúrðarkvæði』[Sju'r∂arkvae∂i(シュルダルのバラード)]というのは総称で、つまり『Regin smiður(鍛冶師レギン)』、
> 『Brynhildar táttur(ブリュンヒルドの小話)』、『Høgna táttur(ホグニの小話)』の3作をひっくるめて言うようですね。

あー…途中までしか英語になってないから、あとの部分が読めないワ…^^; なんじゃこりゃ。ヘグニっていうか、「ホグナ」にしか読めない…あ、グズルーンがいる…

何か聖ニコラウスさんの話とか入ってません?
こりゃ解読にまた時間がかかりそうだわ。

ともあれ、どうもありがとうございました。またネタが増えた。

投稿時間:2003/01/03(Fri) 16:13
投稿者名:
Eメール:
URL :
タイトル:
Re: 在ったんだ!
> あー…途中までしか英語になってないから、あとの部分が読めないワ…^^; なんじゃこりゃ。ヘグニっていうか、「ホグナ」にしか読めない…あ、グズルーンがいる…

本文は,Nordisch, 訳は少なくとも英語ではなくオランダ語のように見えますが。 きよさん、私の勘違いですか? Nordischはフェーロー諸島のものですか。初めて見ました。Altislaendischとあまり変わらないのでは?

教えて下さい。

投稿時間:2003/01/03(Fri) 17:25
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
URL :
タイトル:
使用言語教えてください。
> 本文は,Nordisch, 訳は少なくとも英語ではなくオランダ語のように見えますが。

英語の訳がついてるぶんもあります…が、サガとは関係ない話っすね^^; これ、かなり後の時代に書いた話がまじってるみたいなんですけど、どれがフェロー語なんですか?


+++
あとで気ィついたので、追加しときます。いきなりフェローがどうの出てきて、「えっ、研究者の”フェロー”ですか?」とか思ってる人がいるかもしれないから(笑

 フェロー(本によってはフェロエ)のバラードとは。

 位置としては、ノルウェーの先っぽからブリテン島にむかって行く途中の海上にあるフェロー諸島の名前。アイスランドは、このフェロー島へ行く途中、航路を間違えてしまった船が偶然たどりついたことから発見された島。
 アイスランドにさきがけて、9世紀ごろから移住が始まった。
 移住元はノルウェーのため、もともとの言語はノルウェー語だが、アイスランドと同じく離島のため、方言化された。

 で、人が移住すると同時に、本土の神話・伝承の一部がも持ち込まれ、その一部が残される…その中にニーベルンゲン伝説に関係するものがあるが、日本語の資料では名前と概要しか見たことがなかった…

 と、いふモノです。
 私は名前の綴りなんか(なんか?!)より、ストーリーが本土のものとどう違うのか知りたい。なので読みたい。

投稿時間:2003/01/04(Sat) 12:54
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
フェロー語
> > あー…途中までしか英語になってないから、あとの部分が読めないワ…^^; なんじゃこりゃ。ヘグニっていうか、「ホグナ」にしか読めない…あ、グズルーンがいる…
>
> 本文は,Nordisch, 訳は少なくとも英語ではなくオランダ語のように見えますが。 きよさん、私の勘違いですか? Nordischはフェーロー諸島のものですか。初めて見ました。Altislaendischとあまり変わらないのでは?
>
> 教えて下さい。

 岡沢さんのフォローにもありますように、このフェロー語は古アイスランド語に近いのだとは思います。ただ、デンマーク語と同様、「スラッシュの入った o」(ø)を使っているのが特色かと思います。 

 前回、紹介したページの一番下のほうのリンクをクリックして、
1コ上の Faroese kvaedi page (http://www.stepcla.subnet.dk/foroyar/fkvaedi.htm)に上がりますと、そこは英語になっています。また、聖ニコラウスのバラードは英訳付きですから、そのことを岡沢さんは言ったのでしょう。
 別の作「聖ゲルトルード」にも蘭訳付きのようですが、「鍛冶師レギン」の訳も、たぶんオランダ訳でしょうね。見るからに。

>なんじゃこりゃ。ヘグニっていうか、「ホグナ」にしか読めない…
 "Høgna Táttur"
は、所有格であり、
  Hogni -> Hogna
に変化しているのだと思いますよ。同じパターンのものに、フレイヤが四人の侏儒(こびと)と同衾してブリシンガーメンを手に入れたというアイスランドの小サガ「ソルリの小話」の題名も同じく、
  Sorli -> Sorla Thattur
に変換します。

 また、ホグニのバラードのテキスト内では、Hognir, Hegnir となっているようです。

投稿時間:2003/01/07(Tue) 20:38
投稿者名:
Eメール:y-waki@pf6.so-net.ne.jp
URL :
タイトル:
Re: フェロー語
ドイツ語とオランダ語のメール仲間に問い合わせたところ、「鍛冶屋レギン」は間違い無くオランダ語です、との答をオランダ在住の人より貰いました。

>別の作「聖ゲルトルード」にも蘭訳付きのようですが、「鍛冶師レギン」の訳も、たぶんオランダ訳でしょうね。見るからに。

投稿時間:2003/01/02(Thu) 20:58
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Re: 読まないんですか?
> > すみません。やはり、この発音、気になります。
> > Seyfried を、「セイフリ−ト」と読んでいるのは、どんな文献でしょうか?

Seyfriedが正しい綴りなのでしょうか? もしそうならば発音は:

1.現代ドイツ語では ゛ザイフリート”
2. 中世高地ドイツ語では”セイフリエト”

となると思います。゛セイフリート”には、ドイツ語ではならないでしょう。


>  外国語からカタカナ表記になおすのだから、発音重視か綴り重視かで違ってくるとも思うのですが、もし発音の問題がどうしても重要であれば、ドイツ語の専門家に聞くのが一番だと思いますよ。

私の勝手な意見でしょうが、中世、或は古代のゲルマン神話をいくら現代日本語訳だけで、あるいは現代英語訳だけで議論していても、どうかと思います。翻訳本には,ご存知のようにいろいろ問題があるようですので。では、その翻訳本が信用できるか出来ないかを見分けるのがとても難しくて困るのですが。実は、私も゛現代ドイツ語”は多少専門的にやりましたが、それより古いゲルマン諸語はチョビ、チョビとかじっただけですので あまり大きいことは言えません。

投稿時間:2003/01/03(Fri) 00:51
投稿者名:岡沢 秋
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駄レスですが。
 今気がついたんですがもしかして問題になってんのはカタカナ表記ですか。<遅いよ
 昔、エジプト神話でヌゥトなのかニュートなのかヌトなのかという話が出た時も、「分かればいいんだ」という話になったような。

> Seyfriedが正しい綴りなのでしょうか?

 元本ではそうですので。さすがにそこから間違えてたら、私には判別つきません。

 カタカナはあくまで「目安」ですよ、学術サイトじゃないんだし。
カタカナ見て「明らかに違うだろうソレは!!」…と、言えることはよっぽどだと思うし、そんなひどい訳本は選択してない(つもり)ですんで…

 確認したところ、”ザイフリート”になってる本もありました。

投稿時間:2003/01/03(Fri) 04:06
投稿者名:摩伊都
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Re^2: 読まないんですか?
> > > Seyfried を、「セイフリ−ト」と読んでいるのは、どんな文献でしょうか?
> Seyfriedが正しい綴りなのでしょうか? もしそうならば発音は:
> 1.現代ドイツ語では ゛ザイフリート”
> 2. 中世高地ドイツ語では”セイフリエト”

素晴らしい。現代ドイツ語を専門になさった方と知り合えて光栄です。
現代独逸語も少ししかしていませんが・・・興味があるものなので、仕方ありません。しつこく食い下がる私。。。

ええと、本当にいろいろなスペルがあります。少しずつ違う。とりあえず・・・「 Das Lied vom Hu¨rnen Seyfrid 」というのが詩のタイトルなので・・・Seyfrid の読み方、ということで。 (eがないです)
私は、「ザイフリ−ト」と読んでいる文献しか知らなかったもので、こだわってしまいました。間違って英語読みして「セイフリ−ト」と読んでいるものと思ってしまいました。

あ。少し外れますが・・・
Gabilu^n  の、^ですが・・・ある専門家に尋ねましたところ、以下のような回答を頂きましたので、紹介させてください。

^は、「長母音」記号(長音符)です。a 等と区別するために用いられます。
短母音 a, e, i, o, u のそれぞれに長母音があります。さらに中高ドイツ語
では,a¨, o¨, u¨ も短母音で,これらの長母音はそれぞれ
ae, oe, iu と記されます(前二者は,本来はリガチャさせます)。

だそうです。「リガチャ」というのがよく分かりませんが・・・ご存知でしょうか?

投稿時間:2003/01/03(Fri) 14:09
投稿者名:きよ
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タイトル:
アルツェイエとリガチュア
> > > > Seyfried を、「セイフリ−ト」と読んでいるのは、どんな文献でしょうか?
> > Seyfriedが正しい綴りなのでしょうか? もしそうならば発音は:
> > 1.現代ドイツ語では ゛ザイフリート”
> > 2. 中世高地ドイツ語では”セイフリエト”

 ニーベルンゲンの歌』岩波訳に拠れば、吟遊騎士フォルケールの出身地は、 Alzeye アルツェイエです。
 自分のNibelマップでは、これを現代の「アルツェイ」だと間違ってましたが、正しくは「アルツァイ」です。

 中世の"ei" "ey" が「エイ」か「アイ」かは、岩波本では一貫していませんが、「エイ」が優勢でしょうか?
 1) Alzeye アルツェイエ
2) I^senstein イーゼンステイン (プリュンヒルトの居城、すなわちイースラントの国都。)
3) Treisem トレイゼム川
4) Zeizenmu^re ツェイツェンムーレ城
VS
 1) Beier, Beyer, Peyer, Bayerlande, Bayerlant, Beyerland, Beyerlant バイエルン。
2) Heimburc ハイムブルク

>> ^は、「長母音」記号(長音符)です。a 等と区別するために用いられます。
>> 短母音 a, e, i, o, u のそれぞれに長母音があります。さらに中高ドイツ語
>> では,a¨, o¨, u¨ も短母音で,これらの長母音はそれぞれ
>> ae, oe, iu と記されます(前二者は,本来はリガチャさせます)。
> だそうです。「リガチャ」というのがよく分かりませんが・・・ご存知でしょうか?

 中世といっても、「不死身のザイフリート」というのは、印刷本や民衆本(Volksbuch)の頃ですよね。
 MHDBDB は、基本的に印刷本じゃなくて手写本のコレクションですが、ざっと見る限り、ウムラウト付き a:,o:, u: は比較的少ないですね。 それらの長音形だという「ae, oe, iu のリガチャ」は.. どうやら、なさそうです。"y^"=「Y に曲折(circumflex)アクセント」というのはあるようですが。

 リガチュア=ligature というのは、aとe とかがくっついた母音(や子音)のことです。HTML 表記だと、

æ = a とe のリガチュア
œ = o とe のリガチュア
ß = s と z のリガチュア (エスツェット。βに似たやつ)

です。

投稿時間:2003/01/03(Fri) 15:41
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タイトル:
Re^3: 読まないんですか?

> > Seyfriedが正しい綴りなのでしょうか? もしそうならば発音は:
> > 1.現代ドイツ語では ゛ザイフリート”
> > 2. 中世高地ドイツ語では”セイフリエト”
>
> ええと、本当にいろいろなスペルがあります。少しずつ違う。とりあえず・・・「 Das Lied vom Hu¨rnen Seyfrid 」というのが詩のタイトルなので・・・Seyfrid の読み方、ということで。 (eがないです)
> 私は、「ザイフリ−ト」と読んでいる文献しか知らなかったもので、こだわってしまいました。間違って英語読みして「セイフリ−ト」と読んでいるものと思ってしまいました。

"Seyfried"の原文(?)を呼び出してちょろちょろっと読ませてもらいましたが、使われっているドイツ語は,中高より、Lutherの使っている初期新高地ドイツ語のような気がします。また、出版が16世紀ですよね。Lutherの聖書の綴りも年代によって変化しております。現代の綴りになったのは、19世紀後半〜20世紀初頭にかけてです。”Sein"が”Seyn"とかになるのは正書法が成立するまでは当たり前の事で、別にびっくりし、首をひねるような事柄ではないのです。
>
> あ。少し外れますが・・・
> Gabilu^n  の、^ですが・・・ある専門家に尋ねましたところ、以下のような回答を頂きましたので、紹介させてください。
>
> ^は、「長母音」記号(長音符)です。a 等と区別するために用いられます。
> 短母音 a, e, i, o, u のそれぞれに長母音があります。さらに中高ドイツ語
> では,a¨, o¨, u¨ も短母音で,これらの長母音はそれぞれ
> ae, oe, iu と記されます(前二者は,本来はリガチャさせます)。
>
> だそうです。「リガチャ」というのがよく分かりませんが・・・ご存知でしょうか?

本来、ae と oe は文字としては、合体して1文字に書かれます。Aae は
発音記号の あ と え の混ざったと言われて中学校で教えられた英語の
”man" の a の発音記号のような形です。”oe"も oとeとをくっ付けてひとつの文字になります。 「リガチャ」と言う言葉は知りませんが、私が述べたようなことを言うのでは?

投稿時間:2002/12/26(Thu) 07:18
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
クドルーンの擬似ドラゴン
http://www5b.biglobe.ne.jp/~moonover/2goukan/helden/gudrun-story1.htm
> >ところで、森の中でハーゲンは、不思議な、ドラゴンのような生き物に出くわしたことになっています。
>  …グリフィンの島に住んでいるドラゴンとは。親戚なんでしょうか。

> 出会い頭、ハーゲンはいきなり、戦いを挑みかかります。狩りの途中だったので、ついでなんでしょうか。ドラゴン=羽根はえてるヘビみたいな獲物。(おいおい。それでいいのか王子様。)

この擬似ドラゴンの名称・綴りということですが、
http://mhdbdb.sbg.ac.at/ で調べたところ、中期高地ドイツ詩でのその生物の名はどうやらガビルーネ GABILU^NE であり、それに該当するテキストは、

Kudrun, Stanza 101 Zeile 1 - 4
-------------------------------------------------------------
Einem gabilûne was ez anelîch.
er begunde ez schinden; dô wart er krefte rîch.
in luste sînes bluotes. dô er des vol getranc,
dô gewan er vil der krefte. er hête manigen gedanc.

です。中世ドイツ語辞書はないので、一字一句わからんから、あてずっぽうですが、
「それは、一匹のガビルーネのようであった、
 彼はその皮を剥ぎはじめた、すると力を到達
 嬉々としてその血を飲んだ。一杯に飲むと
 大いなる力を得た。彼は大いに感謝した?」

それ以前は、単にハーゲンに襲い掛かった「tiere (獣)」としかないようです。

 ガビルーン/ガビルーネとは、あまり使用頻度が多くないようです。ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハの『パルチファル』にgampilu^n のつづりで、2箇所にでており、うち第575節 24 - 30行で、ベルトゥーン(ブリテン?)人イリノート(=アーサーの息子)が2匹の「ガビルーン」に遭遇するようです。

http://germa83.uni-trier.de//cgi-bin/getMWVSectitle.tcl?BMZ+BG00006 の辞書に次の定義で出ていました:
>stn. ein seeungeheuer; seepferd? Grimm in Haupt's zeitschr. 2,1 vergleicht gr. kampos, hippokampos u. ital. span. gambaro seekrebs, altfranz. jamble, gr. kamaros, kammaros, lat. cammarus, gammarus, mlat. gambarus. — einem gabilûne was ez anelîch Gudr. 101,1. vgl. gampilûn.

名詞:海獣、海馬? グリムは「Haupt誌」2.1でギリシアのカンポス(怪物)、ヒポカンポス(馬の前脚とイルカの尾をもった生物)etc. と同義としている。用例:クドルーンの第101節。

www.hausarbeiten.de/faecher/hausarbeit/lim/214.html
に、ガビルーンの血を飲んで超人的な力を..とあるようです。

投稿時間:2002/12/26(Thu) 12:42
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
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タイトル:
カラー版ミンネ婦人に笑。
やっぱり原文はきよさんが強いですね(笑)
ミンネ婦人のかざりを頭にのっけた騎士が素敵…。

> この擬似ドラゴンの名称・綴りということですが、
>http://mhdbdb.sbg.ac.at/ で調べたところ、中期高地ドイツ詩でのその生物の名はどうやらガビルーネ GABILU^NE

 ガビルーネ…あーなるほど、だから…。
 「パルチヴァール」に出てくるほうは、和訳テキストでは「ガンピルーン」です。イリノートの紋章で、ベルターネの人々はこれを盾につけていたとか。

 和訳テキストの解説では、「翼の生えた竜のような大トカゲか、カメレオンのようなものと考えられる」…だ、そうです。
 そりゃ「竜のようなもの」と、言うしかないっスね^^;

 しかしなあ。カメレオンの血とか飲みたくないなあ。

投稿時間:2002/12/26(Thu) 16:44
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
パリチファルは大カメレオンですか
>  ガビルーネ…あーなるほど、だから…。
>  「パルチヴァール」に出てくるほうは、和訳テキストでは「ガンピルーン」です。イリノートの紋章で、ベルターネの人々はこれを盾につけていたとか。

>  和訳テキストの解説では、「翼の生えた竜のような大トカゲか、カメレオンのようなものと考えられる」…だ、そうです。
>  そりゃ「竜のようなもの」と、言うしかないっスね^^;
 「パルチファル」の餌を撒いたら、かならずや調べていただけると思いました。(笑)
 大カメレオンだという根拠はよくわかりませんが。(色が変わるのか、それぞれの目が独自に動くのか、舌がシャーっとでるのか、尾っぽが木に巻きつくのか?)

投稿時間:2002/12/26(Thu) 16:53
投稿者名:岡沢 秋
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タイトル:
絵があるらしい…
>  「パルチファル」の餌を撒いたら、かならずや調べていただけると思いました。(笑)

いや手元に本があって調べやすいもんで。本棚まで1.2メートル、ページめくるのに5分。しかも日本語だから読むのも簡単。

>カメレオン説
どこで見たんだったか忘れましたが、これは、ベルターネの騎士のつけてる紋章の絵が根拠らしいです。ドラゴンじゃないようだが、何を描いてるのかよくワカラン、と。
(中世の絵は、時々何を描きたいんだか分からない時がある…)

きよさんの調べてくださった、

>名詞:海獣、海馬? グリムは「Haupt誌」2.1でギリシアのカンポス(怪物)、ヒポカンポス(馬の前脚とイルカの尾をもった生物)etc. と同義としている。

から察するに、後ろ足がなくて、尻尾がくるりと巻いている形状なのではないかと思うんですが…

ガンピルーンて、語源は一体なんなんでしょうね。そういう名前をつけるからには、そこらへんにいない珍しい生き物だったのかな?

投稿時間:2002/12/26(Thu) 17:04
投稿者名:摩伊都
Eメール:
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タイトル:
Re: 絵があるらしい…
えええええっ!!!!
すごい。絵があると?

見てみたいものだ。

投稿時間:2002/12/26(Thu) 15:34
投稿者名:摩伊都
Eメール:
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タイトル:
Re: クドルーンの擬似ドラゴン
> この擬似ドラゴンの名称・綴りということですが、
>http://mhdbdb.sbg.ac.at/ で調べたところ、中期高地ドイツ詩でのその生物の名はどうやらガビルーネ GABILU^NE であり、それに該当するテキストは・・・

むむむむむ。 ガビルーネ GABILU¨NE  ですか・・・。

まあ、しかし・・・見ず知らずの者のために、こうして調べてくださる方がいらっしゃるなんて・・・。
ありがたいことでございます。ありがとうございました。(ぺこり)

文字化けしていて・・・ちゃんと読めないのが残念。
いえ、ご紹介いただいたサイト http://mhdbdb.sbg.ac.at/ で調べたいのですが・・・なんかよく分からない。

あのう・・・調べるためにいちいちパスワ−ドとかがいるのでしょうか?
・・・う〜ん・・・。

調べ方、慣れていないものですから・・・できれば説明をして頂けると、さらに嬉しいのですが・・・。 (^^;     

投稿時間:2002/12/26(Thu) 17:05
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
URL :
タイトル:
使い方。
「Information in English」てのが真ん中あたりにあるので、そこクリックすると英語で説明が出てきますよー。

はじめて来た人は名前とパスワード登録してね♪だそうです。
で、名前とパスワード入れて登録したら、メインメニューが出ますよ。

投稿時間:2002/12/26(Thu) 18:04
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
MHDBDB
そんな、漠然とお尋ねになっても。。。
 MHDBDBは、はっきりいって難易度(面倒度)高いです。そのかわりいろんな高度な検索ができます。そんでもって、一から説明するのは大変ですが、ご自身で挑戦なさって、どんなシロモノなのか掴んでください。2、3のコツなら出せます。

 まずは、Create a New Account でアカウント(ユーザーとパスワード)を登録してください。<= はっきりいって、ここくらいは通過して欲しかったです。
 アカウントを作成するにあたって、特に何の制限もありませんし、個人情報など提供しなくても大丈夫です。ただ、複数アカウントはご法度。

コツ1 テキスト選び
 Analyze Text にいって、どの作品かを選択します。Ctrlキーを押しながらだと複数選択できます。

コツ2 アクセント
 Analyze Text と同時に Dictionary のウィンドウを開いておくとよいでしょう。
 たとえば Dictionary で、ライオン "lo.we"と入力してみましょう。MHDBDBでは"o."と入れればウムラウト付きのoと認識されます。
 なお、誤解されているようですが、中世ドイツ語はウムラウトはそう多くなく、ほとんどはシルクムフレックスo^"の使用の方が圧倒的に多いです。
 MHDBDBでは、"o-"を使えば、"Nibelungen No^t"などを認識できます。

コツ3 カテゴリーをつかめ
 ライオン "lo.we"を入れたら、まず異なる綴りが出、下にカテゴリーがでます。
  Sa:ugetiere 14010000
 とか。
 CATEGORY の説明の部もありますが、Dictionary を使用してカテゴリーを探したほうが手っ取り早いと思います。現代語のまま入れても50%くらいの確立で認識してくれますよ。
 そのうち、中世つづりのクセとかを覚えてきます。f->v (指環 vingerli-n) d->t (竜 trache) b->p (plume 花) u->uo (血 bluot)等。

コツ4 カテゴリーで検索。

 獣    Tiere 14000000
 野生の獣 Sa:ugetiere 14010000
 幻獣 Phantastische T~ 14100000
 
などがカテゴリーです。ある作品のなかの動物すべてを出したかったら"14*"と、最後にアスタリスク印をつけましょう。幻獣だったら"141*"という具合に。
 これで KUDRUN を検索するとグリフォン "gri-fe" や ガビルーン
"gabilu-n"が出るわけです。

コツ5 固有名詞の検索。

 <NAM>と入れるとすべての固有名詞(人名+地名+民族名等ふくむ)が出ます。しかし全部やると許容量をオーバーしてしまいます。そこで次のような形式で、小出しにします:

 $A* & <NAM> |$A-* & <NAM>|$A.* & <NAM> |$B* & <NAM>

 上は、A, A^, A:, Bで始まる全固有名詞の検索です。

 摩伊都さんが、どういう性質の検索をされるのか、推し量るべくもないですが、以上のコツで処女飛行できると思います。
 あと、応用編は、英語とドイツ語のHELPとご格闘なさってください。

 * あと、このDBは人為的漏れもありますので注意してください。たとえば、以前 Vergen が地名として登録されてませんでした。

投稿時間:2002/12/27(Fri) 02:42
投稿者名:摩伊都
Eメール:
URL :
タイトル:
Re: MHDBDB
ありがとうございました。
チャレンジしてみます〜 ^^;

投稿時間:2002/12/28(Sat) 00:22
投稿者名:摩伊都
Eメール:
URL :
タイトル:
『王女クードルーン』の中に出てくる龍の名前  
『王女クードルーン』の中に出てくる龍の名前  

中期高地ドイツ詩でのその生物の名はどうやらガビルーネ GABILU^NE ということが分かりましたが・・・
( 参考「パルチヴァール」に出てくるほうは、和訳テキストでは「ガンピルーン」)

しかし、ここで疑問がわきました。

   Einem gabil&ucirc;ne was ez anel&icirc;ch.    

つまり・・・gabil&ucirc;ne が3格であること。
そういえば・・・なんか・・・3格の話、どこかで聞いたぞ。。。


「男性3格(与格)の格変化語尾」
  
背景
かつて,男性・中性名詞の2格において「口調上」の「e」が挿入される場合は,3格においてもこの「e」が保たれたままであった。    

[例: 現在]
1格(主格)das Haus  2格(属格)des Hauses  3格(与格)dem Haus  4格(対格)das Haus

[例: 昔]
1格(主格)das Haus  2格(属格)des Hauses  3格(与格)dem Hause  4格(対格)das Haus   

ということは・・・ガビルーネ GABILU^NE の、末尾の e は「男性3格(与格)の格変化語尾」。
もともとの形は・・・Gabilun   ではないか?

あ。ウムラウト、飛んでたか?  では・・・Gabilu¨n  如何でしょう?

投稿時間:2002/12/28(Sat) 01:10
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
URL :
タイトル:
gampilu"n
> もともとの形は・・・Gabilun   ではないか?

原文ひっぱってきました。パルチヴァールのほうは、gampilu"nでした。

↓原文(575節の27行目。)
http://www.fh-augsburg.de/~harsch/germanica/Chronologie/13Jh/Wolfram/wol_pa11.html

ね、ガンピルーンでしょ。

投稿時間:2002/12/28(Sat) 08:57
投稿者名:摩伊都
Eメール:
URL :
タイトル:
Re: gampilu
> 原文ひっぱってきました。パルチヴァールのほうは、gampilu"nでした。
> ね、ガンピルーンでしょ。

本当だ。gampilu"n でも。。。発音は「ガンピリュ−ン」・・・?

この原文ですが・・・u¨ もあるけど、 u^ もある。どちらも「ウムラウト」と考えていいのでしょうか?よく分からない・・・???

以下、コピ−してみましたが・・・また文字化けするんだろうなあ・・・。

ob er den &acirc;tem inder z&uuml;ge
od ober si des lebens tr&uuml;ge:

daz lac dannoch in str&icirc;te.
&ucirc;f s&icirc;me kurs&icirc;te
von zobele w&acirc;rn zwei gampil&ucirc;n,
als Ilyn&ocirc;t der Bert&ucirc;n
mit gr&ocirc;zem pr&icirc;se w&acirc;pen truoc:

der br&acirc;hte werdekeit genuoc

投稿時間:2002/12/29(Sun) 09:10
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
ガビルーン
 ご指摘の通り、クドルーンでは、「ガ〜に似た」"a:hnlich einem gabilu^ne"という表現であり、辞書で見るところ"a:hnlich"は、それにかかる名詞を3格(与格)に変化させますから、標準の主格に直すと gabilu^n になりますね。ですからガビルーネではなくガビルーンが正しいことになります。失礼しました。

 u^ = u:(ウムラウト) とは考えない方がいいと思います。
 例えば、岡沢さんが引用している「パルチファル」を見ますと、連続する2行は韻をふんでいるわけですから、もし、前行を「..ガンピリルューン」と発音するとなると、次行も「ベルトューン」と発音しなくてはならず、不自然かと思われます。
 とはいえ、gabilun も gabilu:n も検索ヒットした例はありましたから、確かなことは言えないですが。

 前回、中世ドイツ辞書が無いと言ったのは嘘で、前半を書いた時点では辞書サイト:
http://gaer27.uni-trier.de/MWVnew/MhdWBBody.html
は、ほんの抜粋掲載していないのかと思ったのですが、下のほうのFindbuchのリンクを使うことで gabilu^n も引けました。
 前回引用したのはBMZ(Benecke/Mu:ller/Zarncke)という辞書ですが、Lexer辞書では
>gabilu^n stn. ( I. 453a) ein wunderbares, drachenartiges >thier GUDR. capelu^n ROTH. 4938. vgl. gampilu^n u. GERM. >1,479 f., wo span. gavilan raubvogel, sperber verglichen wird.
 つまり「空想上の竜に似た動物」で、『グドルーン』に転居があり、また『Rother 王』に「カペルーン」として登場するらしいです。

投稿時間:2003/01/06(Mon) 14:08
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
クドルーン(グートルーン)の元ネタ
こちらの「その他のゲルマン関連伝承」
http://www5b.biglobe.ne.jp/~moonover/2goukan/helden/index.htm
に紹介されてますが、

1. 『クドルーン(グードルーン)』の第1部は、まずクドルーンの祖父のハーゲン(アイルランド生のハーゲン、一名"バリヤンのハーゲン")の幼年期から語り始めますね。

 幼いハーゲン(7歳?)は、グリフォンにさらわれ、ある孤島に連れて、そこで境遇同くさらわれた3人の王女たちに会い、これらを助け、そのうちのひとりヒルデと結婚します。

 この箇所に、ただなんとなく似ているのが、『詩エッダ』の「ヒョルヴァルズの子ヘルギの歌」 の序章です。
-------------------------------------------------------------
 ヒョルヴァルズ王はすでに美姫四人を妻としているのに、絶世の佳人との誉れ高いシグリンという姫が、スヴァーヴニル王(スヴァヴァランド国王)のもとにいると聞き及んで手に入れたくなります。そこでまず、自分につかえる伯爵の息子アトリを使節にたて、求婚を申し入れさせますが、拒絶されます。

 アトリは、失敗報告を王にしたあと途方にくれていますが、林をほっつきあるいていると、止まり木の鳥が「おまえはスヴァーヴニル王の娘、その国いちばんの美女シグリンを見たか?」などとさえずるので、聞き耳をたてます。
 結局、鳥はこの姫を獲得する知恵(または助力)をさずけ、成功報酬として祭壇とか金角の牛とかを要求します。
 (鳥語が判るという事は、アトリは竜の心臓を食らったんでしょうかね。)
 こんどは、好色王ヒョルヴァルズみずからも出向き、アトリもお供しますが、スヴァヴァランドの方向をみますと、そちらに戦火があがり、馬群(騎兵団?)が砂塵が巻き起こしています。
 王とアトリは、一日を馬を駆り、ある小川近くで野宿しますが、そこに不審な家を見つけます。なにやら巨大な鳥が屋根上にたたずんでおり、アトリは、これを投槍の一投で倒します。そのじつ、それはスヴァヴァ国のフランマール伯の仮の姿で、伯は大鷲に変身して、家の中の自分の娘アロフと王女シグリンを守っていたのです。ヒョルヴァルズ王は、王女を手にし、アトリも、伯の令嬢アロフをもらいます。
-------------------------------------------------------------

『クドルーン(グートルーン)』だと、ハーゲンは、大鷲に守られていた王女をぶんどったのではなく、グリフォン王女らを解放してその一人ヒルデと結婚します。
 『詩エッダ』では、シグリン王女の出身地はスヴァヴァランドといいますが、これは特定困難で、ベローズ英訳の註では「ノルウェーから陸路でも海路でもたどりつける場所」としか書かれていません。『シドレクスサガ』では、スヴァヴァランドは、ハイミール(ハイメ)の父ストゥダスが馬のブリーダー牧場を経営している場所で、ストゥダスの雇用主であるブリュンヒルド女王のイースランドにほど近いはずであることは、以前に書きました。

 これは、まるっきり邪推に過ぎませんが、『クドルーン(グートルーン)』の著者は、スヴァヴァランドがどこだかわからないので、適当に作り変えた。もしかしたらスヴァヴランド=スウァーミーランド、すなわちインドと解したのかも。(根拠なし)

『クドルーン(グートルーン)』第2部で、ヘッテル王が、ホラントを使者に遣わしてヒルデ(2世)を嫁にしようと画策する話は、このように解釈できます。

 『グートルーン』 『散文エッダ』49章 『デーオール』
------------- ------------------- -----------------
 ヘッテル王     ヘジン王       ヘーデニング族
 ホラント(騎士・楽士) ヒャーランディ(父王) ヘーレンダ(楽士)
 ハーゲン王     ヘグニ王
 ヒルデ王女 ヒルド王女

こいつは、
http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/myth/beowulf/deor-aj.htm
に『デーオール』のページを新調して、名前変換表も載せましたが、その際、heorot.dk から掘り出した情報です。

投稿時間:2003/01/07(Tue) 17:59
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
URL :
タイトル:
姫様はインド人
 モトネタって言っていいのかどうかはともかく、手元の訳本を今読み直したら、…だいぶ前に自分で言ってたスヴァヴァランド=ドイツのシュワーベン、という説が、ここにありました。

 スヴァヴァランドが南ドイツのシュワーベンのことだとしたら、詩人が知らないはずは無いですよね。
(ヒョルヴァルズの子ヘルギの話はノルウェー起源だとされている。ノルウェーからすれば南ドイツはちょっと遠い。)
 ただ、本には根拠までは書かれていないので、もしかすると違うのかもしれませんが。


 グードルーンでずーっと気になっているのが、ガンピルーンやグリフォン(ドイツ語ではグライフというらしい)といった不思議生物の出所です。北欧起源ではないでしょう。だったらギリシア神話からの輸入なのかな…と。

 もしそうだとしたら、ギリシア神話が持っていた「異国」イメージも入ってくるはずですよね。インドって、ギリシア人が知る最遠の国だったんじゃないでしょうか。そこに住んでる人間がどんな人間か具体的なことは知らなくて、ただ漠然とエキゾチックなイメージだけ持っていた。
 別にインドという言葉に意味があるんじゃなくて、「遠い」「誰も知らない国」と、いうことに重点があるのではないかと思っていたんです。

 または、インドに対して「遠くにある楽園のような国」という、エルドラド的なイメージを持っていたので、「インドの姫様=一番高貴=主人公の嫁。」と、いう展開になったんじゃないのか? とか。
 これも全然根拠は無いですが…


 …あと、インドと並べて、ポルトガルやイーゼルラントの姫様が出てくるっていうのが、不思議です。何でもっと近場の姫様じゃなかったんだろう?

投稿時間:2003/01/08(Wed) 16:39
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
シュワーベン
>スヴァヴァランドが南ドイツのシュワーベンのことだとしたら、詩人>が知らないはずは無いですよね。
 スヴァヴァランドという国は、古ノルド語には残っていて、中世ドイツ語では死語となっているのでは?
 どうも中世ドイツ詩ではシュワーベンのことはスヴァヴァランド(もしくはそれに近い表現)では呼んでいないようですからね。

(*) 中高ドイツ詩では、シュワーベンのことをSw&acirc;ben(Swaben, Sweben)と呼び、それ以外の変形綴りはない。
 バイエルンの場合は、Payerland 等の変形があるのと対照的です。

(*) Sw- がつく地名は、このほか数が限られること。(Swanfelt, Swarzwalt, Sweden 等)。

投稿時間:2003/01/08(Wed) 20:18
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
URL :
タイトル:
分かった。
>  スヴァヴァランドという国は、古ノルド語には残っていて、中世ドイツ語では死語となっているのでは?

 そーいえば「ニーベルンゲンの歌」にはスヴァヴァランドって出てきませんでした。イースラント。
 出てくるのはシドレクス・サガのほうでした。(自分では未確認)
 でもちょっとまてよ、シドレクス・サガって…何語だっけ?

 と、いうわけで質問です。

・古代北欧語、古ノルド語と一括して呼ばれることが多いのですが、本によっては「古英語」「アングロ−サクソン語」など、色んな書かれ方になっています。古代北欧語って、実は色んな言語の総称ですか?

・「エッダ」が書かれた言語が古代北欧語だそうですが、具体的に、何世紀ごろまでのをそう呼ぶのでしょうか。

 そんな基本的なことも分からんでやってたのか、というツッコミはしない方向で(笑)意外と基本的なことは本に書いてない。

 ところで…

>  どうも中世ドイツ詩ではシュワーベンのことはスヴァヴァランド(もしくはそれに近い表現)では呼んでいないようですからね。

 シドレクス・サガが、きよさんの言われたとおり古北欧語で書かれていたとしたら、↑シドレクス・サガのスヴァズァランドは、散文エッダと同じくシュワーベンのことでいいんじゃぁ…。

+++

 あと、ヘジン。
 よーくみると「ヒョルヴァルズの子ヘジン」になってました。きよさんの持ってきたつづりだとヒョルヴァルズとは読みそうにないんですが、何でなんでしょうね?
 手元の和訳で、その部分はこう。

 ”ヒョルヴァルズの子ヘジンは、ノルウェーの父のところにいた。ヘジンはユルの祭りの前の晩、森からただ一人で帰路についたとき、女巨人に出会った。”

 ヘルギの守護女神がヘジンに会いに行く場面です。

投稿時間:2003/01/09(Thu) 11:45
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
ノルド語
>  でもちょっとまてよ、シドレクス・サガって…何語だっけ?

 私の『シドレクスサガ』要約の和訳
http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/myth/thidrek/ppk-indexj.htm
の右ナビバーの"The Thidrekssaga"のリンクにあるはずのページがきちんとアップされてなく、リンク切れになってました。
 そこから引用するとこういうことです:

>『シドレクスサガ』は、おそらくノルウェーのベルゲンで、ハコン四>世 (1217-1263)の在位中に書かれた作品です。
> 太古のゲルマンの風習にならう、などとほざいては血にあけくれる>ばかりの諸侯たちのふるまいに業をにやしたハコン王は、ヨーロッパ>大陸の叙事詩作品群のいくつかの名作を翻訳することを奨励しまし
>た。それらを読ませることで、偉大なる祖先たちは、それ相応の礼節>をつくしたり、王に敬意をあらわすことを、やぶさかとしなかった人>物たちであったことを教訓させようとしたのです。
> シャルルマーニュやディートリッヒ・フォン・ベルンが、高貴で真>の王者たるものの、もっともな模範例であったので、『カルル大王の>サガ』(シャルルマーニュ伝説のサガ)がフランス語から、 『シドレ
>クスサガ』がドイツ語からノルド語に翻訳されました。

 私は、Old Norse/Norsk を古ノルド=古ノルウェー語と理解しています。"Norse"は狭義ではノルウェー、広義ではスカンジナビア全般をさすので紛らわしくはあります。
 古アイスランド語と古ノルド語は、ごく近いものだと思います。違っても方言くらいにしか違わないでしょう。私にはどう見分けのつけようか判りません。
 スノーリもアイスランド人だし、サガという散文文学が発展したのもアイスランドで、サガといえば大方、古アイスランド語で書かれているようです。
 ただし、『シドレクスサガ』と『カルル大王のサガ』については、上のようないきさつがあったので、古ノルド語のようです。

 ちょい調べしたところでは、古スカンジナビア言語は大別すると

古西スカンジナビア言語 古西スカンジナビア言語
---------------------- ----------------------
古ノルド&古アイスランド 古スウェ&古デンマーク

となります。「古英語(Old English)」と「アングロ−サクソン語(Anglo-Saxon)」はまったく同義語だと私は理解しています。古デンマーク語などとは似ているのでしょうが、古スカンジナビア言語には分類されないようです。
 フェロー語は、スカンジナビア言語です。
 古スカンジナビア言語は、シェトランド諸島、ヘブリディーズ諸島、ノルマンディー、グリーンランドにも伝播したが途絶えてしまったようです。

 古スカンジナビア言語の時代の終焉は、1350年頃が境い目のようです。1350-1525年にかけて、だんだん古い格活用がすたれてきて、またこの頃覇権をにぎったデンマークの標準にだんだん統一されるようになりましたのが、中世スカンジナビア語の形成らしいです。 
 ノルウェーも 1380-1814年の間、デンマークに合併吸収されていたので、使われた言語もダノ=ノルウェー語とか呼ばれています。宗教革命後、聖書がネイティヴなノルウェー語に訳されることもなく、文人はデンマーク語で書いてたそうです。
 国語を古ノルド語の方向に差し戻そうという動きは、18世紀に起こり、1814年の独立後に推進されたとか。

>  シドレクス・サガが、きよさんの言われたとおり古北欧語で書かれていたとしたら、↑シドレクス・サガのスヴァヴァランドは、散文エッダと同じくシュワーベンのことでいいんじゃぁ…。
 その逆で、散文エッダのスヴァヴァランドはうまく特定できていない。シドレクスサガのスヴァヴァランドは、シュワーベンとみなされている、じゃないんですか?

 無限∞空間2号館のhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~moonover/2goukan/deat/nakama-ep1.htm
>序盤で自分からやってきたハイメ君。シュヴァーベンっつとドイツの>南の端っこあたりですね、そのものズバリ「シュヴァーベンの森」な>てのが地図にあります。あのへんから、ベルンまではるばる南下して>きた人なんでしょうか。
 という箇所は、『シドレクスサガ』が出所だと思っているのですが、いかがですか?
 http://www.timelessmyths.com/norse/german.html を見ると、『シドレクスサガ』では、ハイミールの父ストゥダスの馬牧場は、ブリュンヒルドの首都セーガルド Saegard の近く、スヴァヴァ Svava の山の北 Svava にあります。
 中高ドイツ詩をざっと調べましたが、シュヴァーベン出身者にハイメは見当たらないし、ハイメは『ベイテルロルフ』でランパルテン(=ロンバルディア)の出とある以外は郷土が特定されていないみたいです。細かく調べたのではないので断定はできませんが。

> +++
>
>  あと、ヘジン。
>  よーくみると「ヒョルヴァルズの子ヘジン」になってました。きよさんの持ってきたつづりだとヒョルヴァルズとは読みそうにないんですが、何でなんでしょうね?
>  手元の和訳で、その部分はこう。
 そいつぁ、散文エッダでなくて、詩エッダの「ヒョルヴァルズの子ヘルギの歌」のタイトルキャラの異母兄弟だと思います。
 私は、
http://www.sacred-texts.com/neu/index.htm
から英訳テキストを入手しているのですが、散文エッダも詩エッダも人名索引付きなので確認は楽です。

投稿時間:2003/01/09(Thu) 21:19
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
URL :
タイトル:
ハーコン王とかその他
◆ヘジン
 ちょっと寝ぼけて、詩のエッダ散文エッダまぜまぜにめくってました。が…詩のエッダ「フンディング殺しのヘルギの歌」にはヘジン出てきますが、散文エッダには出てきてませんよ。

>詩的エッダの原文では
> He'∂inn he't Hjarrandason
>なので、「ヘジン・ヒャランダソンとう名であった」と訳せば父王の
>名は出てこないし、「ヒャランディの子ヘジン」と訳せば出てくるこ
>とになります。

って、…
 もしかして、ヘジンの父親の話が出てくるのはエッダではなく『ヘジンとヘグニのサガ』のほうですか。だったらまだ読んでないです。


◆シドレクスサガ

 ハーコン王が訳させたものなんですか? 私はてっきり、ニーベルンゲンの歌と同じようにどっかの詩人が「編纂した」ものだと思ってたんですが(資料にもそう書かれている)

>『シドレクスサガ』は、おそらくノルウェーのベルゲンで、ハコン四>世 (1217-1263)の在位中に書かれた作品です。

 と、いうのはおぼろげーに知っていたんですが…。

 ニベ歌が13世紀はじめに書かれたもの、シドレクス・サガは後半なんだから後のものに決まっている、なのに何故かシドレクス・サガのうが古いと言い張る人がいて、何のこっちゃと思っていましたが、単に翻訳して言語を変えただけで、話自体は元からあった、という考え方ならば、シドレクス・サガのほうが古いと主張できますね。

でも、
> シャルルマーニュやディートリッヒ・フォン・ベルンが、高貴で真
>の王者たるものの、もっともな模範例であったので、『カルル大王の
>サガ』(シャルルマーニュ伝説のサガ)がフランス語から、 『シドレ
>クスサガ』がドイツ語からノルド語に翻訳されました。

と、いうことだと、「シドレクス・サガは北欧語じゃなくてドイツ語だ」も、間違いではないことになる。(ドイツ語で書かれたものもある)

 うーん、ちょいとここら、資料が無いので繋がりがよくわかりません。
 週末のオフ会にはjinnさんが来られるそうだし、コソっと伺ってこようかしら…。


◆古ノルド語

>  私は、Old Norse/Norsk を古ノルド=古ノルウェー語と理解しています。"Norse"は狭義ではノルウェー、広義ではスカンジナビア全般をさすので紛らわしくはあります。

 あ、やっぱりそうなんですか。
 「北」と書いて「ノルド」とルビ振ってる本がけっこうあるもんで…。東西南北をエーアスト/ウェスト/スース/ノルスと言う、あの北ですかね。
 じゃ広く見れば、ノルウェー・スウェーデンあたりまでが古ノルド語で、フィンランドから違う語族、ってことですね。

>  古スカンジナビア言語の時代の終焉は、1350年頃が境い目のようです。1350-1525年にかけて、だんだん古い格活用がすたれてきて、またこの頃覇権をにぎったデンマークの標準にだんだん統一されるようになりましたのが、中世スカンジナビア語の形成らしいです。 

 了解です。歴史年表めくって確認。あー、なんかちょっとスッキリしました。じゃあ例のMHGと平行して使われていた時期はけっこう長かったんですね。


◆シュヴァーベン

> >  シドレクス・サガが、きよさんの言われたとおり古北欧語で書かれていたとしたら、↑シドレクス・サガのスヴァヴァランドは、散文エッダと同じくシュワーベンのことでいいんじゃぁ…。

>  その逆で、散文エッダのスヴァヴァランドはうまく特定できていない。シドレクスサガのスヴァヴァランドは、シュワーベンとみなされている、じゃないんですか?

 いや、確かきよさんが、526の記事のあたりで

>ただ『シドレクス・サガ』の観点からすると、もしブルンヒルドの国
>の近くにハイメの父の牧場があったとするなら、ドイツ南部のシュワ
>ーベンはちと苦しいです。

…と、仰ってたんで、シドレクス・サガの地名は違う場所を想定してるもんかなぁ、と。(今回もそのようなご意見のようですが)
 その時は、「ヒョルヴァルズの子ヘルギの歌」のスヴァズゥランドまで頭に入れてなかったですから。

 ちなみに2号館の記述は、過去のきよさんの発言を信じなかった結果です^^; …スイマセン。

投稿時間:2003/01/10(Fri) 15:43
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
ハーコン王とかその他
◆ヘジン
>  詩のエッダ「フンディング殺しのヘルギの歌」にはヘジン出てきますが、散文エッダには出てきてませんよ。

 名剣 Da'insleif (ダインスレイヴ、ダインスレイフがおもなローマ表記のようですが、《ダーインの遺産》という名になってるかもしれません)をヘグニ/ホグニがふるう場面なんですけどね。

 私が和訳もっていればよいのですが。。、あるいはネット上にどなたかがもっと詳しく書いてくださっていればよいのですが、(−無い)。よって、もちっと詳しく情報出します:

 英訳だと、『詩の語法』全74章のうち第49か50章目です。また、ページ数で割り出すとちょうど『詩の語法』の3/5目くらいです。(作品の約3/4目くらい)

 書き出しは(私訳)、「戦いは、ヒャードニング族の嵐または吹雪といわれる、武器はヒャードニング族の火または杖という。それにまつわる逸話は次なるものである:ヘグニという王にはヒルドという娘があり、彼女をヒャランディの子ヘジン王が戦利品として奪った。これはヘグニが諸王の集いに出かけていた(留守)中であった..」

 ヘグニは、後を追って、オークニー諸島方面まで追いかけてきます。..
 
 ヘジンは、ヘグニを「お義父さん」と称して、和解をもとめ、侘び金として黄金をさしだすと言います。

 ヘグニは「その申し出はおそすぎた... わしはたったいまドワーフのこしらえた名剣ダーインスレイヴを抜いたところじゃ。ひとたびこれを剥き身にさらせば、人を殺(あや)めずにはおかず、その斬撃はけしてあやまたず、かすり傷でも負えばけっして治ることはない」と言います。しかたなくヘジンは応戦し、兵はブッタ斬りに殺されますけれどヒルドが毎晩治癒全快させてしまいます。。。。

 『ヘジンとヘグニのサガ』というのは、上のストーリーを内包しています。ただし、序盤は<フレイヤがドワーフ四人と寝てブリシンガーメンを手に入れ、オージンがロキにこれを盗ませ、返還の条件に人間界に大戦争をまきおこせという>というストーリーです。


◆シドレクスサガ

>  ハーコン王が訳させたものなんですか? 私はてっきり、ニーベ
>ルンゲンの歌と同じようにどっかの詩人が「編纂した」ものだと思っ>てたんですが(資料にもそう書かれている)
 
 編纂して、訳ですね。「ドイツ語からノルド語に翻訳され」と言うのは、少しアバウトな表現でありますね。(気づいてはいたんですが、これはコッチさんの表現なのでいたしかたなく)
 『シドレクスサガ』の元のドイツ版、つまりオムニバスな散文作品ちゅうものはなかったです。
 複数の中世ドイツ詩・歌を 編纂・訳出・再話 というプロセスをつうじて一つの完結作品にしあげています。
 言語だけでなく、詩体から散文体にしますから内容も変わります。
また、集めた作品がそのままだと、例えば前の章ですでに死んだのに後の章で生きている、とか、こっちでは父/出身地はAなのにあっちではB等の齟齬が生じるので、改変もしているようです。
 ノルド語で書かれていますが、固有名などは、ドイツ名の名残をのこした名前になっている場合もあるといえるでしょう。だから鍛冶詩もヴェールンドでなくてヴェレントになったり。

◆古ノルド語

>  「北」と書いて「ノルド」とルビ振ってる本がけっこうあるもんで…。東西南北をエーアスト/ウェスト/スース/ノルスと言う、あの北ですかね。
>  じゃ広く見れば、ノルウェー・スウェーデンあたりまでが古ノルド語で、フィンランドから違う語族、ってことですね。
 フィンランドは、『カレヴァラ』のオンラインテキストを見ましたけれど、まったくわかりませんでした。(頭の中が「ポポヨラ?」っって感じ)これは Finno-Ugrid (フィン‐ウゴル語派)という言語系統に属すると目にしたことがあります。

>  了解です。歴史年表めくって確認。あー、なんかちょっとスッキリしました。じゃあ例のMHGと平行して使われていた時期はけっこう長かったんですね。

◆シュヴァーベン
>  いや、確かきよさんが、526の記事のあたりで
> >ただ『シドレクス・サガ』の観点からすると、もしブルンヒルドの
> >の近くにハイメの父の牧場があったとするなら、ドイツ南部のシュ> >ワーベンはちと苦しいです。
> …と、仰ってたんで、シドレクス・サガの地名は違う場所を想定してるもんかなぁ、と。(今回もそのようなご意見のようですが)
 そうなんですよね。ブリュンヒルドのイースランドってのも特定できてるわけじゃないですけれど、シュワーベンと隣接だとすごく南寄りということになって、抵抗あるかな、っと。

投稿時間:2003/01/10(Fri) 21:46
投稿者名:岡沢 秋
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タイトル:
詩語法
>  英訳だと、『詩の語法』全74章のうち第49か50章目です。また、ページ数で割り出すとちょうど『詩の語法』の3/5目くらいです。(作品の約3/4目くらい)

 あー、「ギュルヴィたぶらかし」しか持ってないです。
 と、いうより、暗黙の了解的に「散文エッダ」=ギュルヴィたぶらかし、詩語法は別、という感覚になってしまっているので。
 詩語法は面白い部分のはずなのに、何故か和訳されている本がものすごーく手に入りにくいのです。
 私も部分的にしか持ってません。

>  『ヘジンとヘグニのサガ』というのは、上のストーリーを内包しています。ただし、序盤は<フレイヤがドワーフ四人と寝てブリシンガーメンを手に入れ、オージンがロキにこれを盗ませ、返還の条件に人間界に大戦争をまきおこせという>というストーリーです。

 それだと分かります。そうかー。フレイヤが戦わせる二人がここに…。
 和訳あったかもしれない…調べときます。


*あと、「ポポヨラ」ではなく「ポホヨラ」ですよん。ちょっくら前頁コピって出してみました…自前で対訳完成!
 でもやっぱニベ歌は英語しか無い〜…。

投稿時間:2003/01/11(Sat) 21:04
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
Re: 詩語法
>  あー、「ギュルヴィたぶらかし」しか持ってないです。
>  と、いうより、暗黙の了解的に「散文エッダ」=ギュルヴィたぶらかし、詩語法は別、という感覚になってしまっているので。
>  詩語法は面白い部分のはずなのに、何故か和訳されている本がものすごーく手に入りにくいのです。
>  私も部分的にしか持ってません。
えーっと驚く。すいません、事情しらずで。


> >  『ヘジンとヘグニのサガ』というのは、上のストーリーを内包しています。ただし、序盤は<フレイヤがドワーフ四人と寝てブリシンガーメンを手に入れ、オージンがロキにこれを盗ませ、返還の条件に人間界に大戦争をまきおこせという>というストーリーです。
>
>  それだと分かります。そうかー。フレイヤが戦わせる二人がここに…。
>  和訳あったかもしれない…調べときます。

 『ソルリの話およびヘジンとホグニのサガ』――(「大阪外国語大学学報」41号)というのがあるらしですけれど、入手できるものかどうか。


> *あと、「ポポヨラ」ではなく「ポホヨラ」ですよん。ちょっくら前頁コピって出してみました…自前で対訳完成!
>  でもやっぱニベ歌は英語しか無い〜…。
 いわれてみると Pohyola のつづりだったような。(<- Pohjola ですた)。ただ、原文テキストをながめたときの擬態語は「ポポヨラ」ってイメージでして。むやみやたらとウムラウト(Va¨ina¨mo¨inen)ついてるし。
 「自前で対訳完成」とは?いかなる意味ですか?ニベ歌は、Bibliotheca Augustana に中高ドイツ語のテキストがありましたよね。

投稿時間:2003/01/12(Sun) 02:21
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
URL :
タイトル:
にゅ
> えーっと驚く。すいません、事情しらずで。

きよさん海外で専門的にやってらっしゃるようなので、どっから説明すりゃいいのかわかりませんが。

日本国内は今、北欧神話危機です。
TOPの雑談掲示板でも何度か出ていますが、かなり神話をゆがめた漫画が浸透してしまい、その反面、北欧神話の良い文献が手に入らない、という状況が続いています。

と、いうのも、ここ20年くらい、良い本を書いてくれる学者さんが居ないから…。
詩語法は本当に、本は出てないみたいです。
論文として出ているものだけ、だそうで。
一般人に入手不可というのでは意味が無い。やはり、一般に手に入る本として出してくれないと、本当に、漫画の歪められた北欧神話が浸透するばかりになってしまいますから。

そんなこんなで、日本語にこだわった結果、断片的な資料と、かなり古い資料のみから作ってるのが私のサイトだとご理解ください…。

>  「自前で対訳完成」とは?いかなる意味ですか?
あ、すいません。誤字で前頁→全頁、ですね。
手元に和訳があるので、コピーしたのを並べて対訳を作って楽しんでいる、ということです。
ジジィのカッコ良いセリフの中身が分る。
確かにウムラウトつきまくりですよ…

>ニベ歌は、Bibliotheca Augustana に中高ドイツ語のテキストがありましたよね。

! あったっけ?
ヤバイ。そっちも対訳にして遊ばなければ…

投稿時間:2003/01/12(Sun) 09:31
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
アムブラス写本
アムブラス写本の手写本のファクシミリ版というのが出ていたそうです。
www.finns-books.com/ambrasg.htm 
にありますが、(売り切れ)
http://www.adeva.com/buecher_produkte.asp?Produkt=Faksimiles&Thema=Literatur
によれば1,100ユーロ(こちらも品切れ)

 サンプル画をあまり出してくれていないのが残念です。収納作品は、上のリンクにあるとおりですが、「クードルーン」の唯一の写本がこの中にあるそうです。「ビテルロルフ」も "einzige" つまりユニークコピーということですね。

投稿時間:2003/01/11(Sat) 12:34
投稿者名:
Eメール:y-wqki@pf6.so-net.ne.jp
URL :
タイトル:
Re: ノルド語


>
>  私は、Old Norse/Norsk を古ノルド=古ノルウェー語と理解しています。"Norse"は狭義ではノルウェー、広義ではスカンジナビア全般をさすので紛らわしくはあります。
>  古アイスランド語と古ノルド語は、ごく近いものだと思います。違っても方言くらいにしか違わないでしょう。私にはどう見分けのつけようか判りません。
>  スノーリもアイスランド人だし、サガという散文文学が発展したのもアイスランドで、サガといえば大方、古アイスランド語で書かれているようです。
>  ただし、『シドレクスサガ』と『カルル大王のサガ』については、上のようないきさつがあったので、古ノルド語のようです。
>
>  ちょい調べしたところでは、古スカンジナビア言語は大別すると
>
> 古西スカンジナビア言語 古西スカンジナビア言語
> ---------------------- ----------------------
> 古ノルド&古アイスランド 古スウェ&古デンマーク
>
> となります。「古英語(Old English)」と「アングロ−サクソン語(Anglo-Saxon)」はまったく同義語だと私は理解しています。古デンマーク語などとは似ているのでしょうが、古スカンジナビア言語には分類されないようです。

Old English=Anglo−Saxonはおっしゃられているように 同意語と私も思っております。ただし、゛古デンマーク語”との類似の件ですが、それよりもドイツ語にずっと似ているのでは:

ブオーウルフの一部を現代英語及び現代ドイツ語と比較すると良くお分かりになると思います。ただし、私にはAltenglischの文字で出せないものがありますので、ご勘弁のほどを。

We synt Higelaces beodgneatas Beowulf is min nama Wille ic
We are Higelace's messmates Beowulf is my name I will
Wir sind Higelaces Tischgenossen Beowulf is mein Name will ich

asecgan suna Healfdens maerum theodne min aerende
announce (to the) sun (of) Healfdene (to the) famous king my errand
ansagen (dem) Sohne Healfdenes (dem) ber&uuml;hmten K&ouml;nig meine
Botschaft

aldre thinum gif he us geunnan wile thaet we hine
thy edler (?price) if he will grant us that we him (who is)
deinem Elter (F&uuml;rsen) ob er uns g&uuml;nnen wolle dass wir ihn (den)

swa godene gretan moton
so good might greet
so guten gr&uuml;&szlig;en m&ouml;gen

注:
”ae" の結合した文字の代用 ゛ae"そのまま打ちました。
現代英語の”th”の濁音ですか(?)上記の引用文で英語の”that"ドイツ語の”dass" に相当する言葉(単語)の最初の文字

アングロ+サクソンは名前の通り、今のシュレースヴィッヒ辺りに居ったアンゲル人とNIEDERSACHSENあたりに居ったサクソン人が (全サクソン人の一部です)同時期にブリテン島へ移住したのですね, 確か。従って、古英語は所謂゛低地ドイツ語”に属するものです。Nordischからは,やや遠い関係になると思います。

投稿時間:2003/01/11(Sat) 15:33
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
URL :
タイトル:
低地ドイツ。
民族移動図(超ヘタ)↓
http://www5b.biglobe.ne.jp/~moonover/2goukan/north-e/map-n.gif

> Old English=Anglo−Saxonはおっしゃられているように 同意語と私も思っております。ただし、゛古デンマーク語”との類似の件ですが、それよりもドイツ語にずっと似ているのでは:

そいや低地ドイツからの移住になるんですね、彼らは。
言われてみると、確かにドイツ語のほうが近いかも…。これは新発見。
いいこと教えていただきました。

投稿時間:2003/01/11(Sat) 17:00
投稿者名:
Eメール:y-waki@pf6.so-net.ne.jp
URL :
タイトル:
Re: 低地ドイツ。
> そいや低地ドイツからの移住になるんですね、彼らは。
> 言われてみると、確かにドイツ語のほうが近いかも…。これは新発見。
> いいこと教えていただきました。

我々ドイツ語仲間では、英語はドイツ語の方言,なんて陰口をきいておりますが。世界史を高校で取られたでしょうか? ある言語学者が基本的な単語を比較して、英語は4〜5世紀頃所謂ドイツ語から分かれたと計算したそうです。

現代英語と現代標準トドイツ語を比較しても,その類似ははっきりと見えます:

 hand   Hand
 finger  Finger
 foot   Fuss
 go    gehen
 yester(day)Gestern
 sister  Schwester
 brother  Bruder
 father  Vater
 mother  Mutter
 uncle   Onkel

 

 

投稿時間:2003/01/12(Sun) 01:19
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
URL :
タイトル:
今日、仕入れた情報によると
 某専門家さんにお伺いしてきました。
 忘れないうちに投稿。

■古ノルド語とは、昔はサガなどを書いている言語、いわゆるオールド・アイスランディッシュのことを差していたが、現在ではルーンなどの言語も含め古代北欧語の総称として使っている。(ただし、そのアバウトな呼び名を好むかどうかは個々の研究者によって違うらしい。)

■現代のドイツ語は、高地ドイツ語を基本としている。低地ドイツ語は現在ではおじいさん・おばあさんの世代の人が喋る方言としてしか生き残っていない。

■ベーオウルフの言語は、ドイツ語に近いというわけではなく、「古英語」である。見た目は英語とは違うが、発音すると英語とそっくり(と、目の前で発音してくださったのでビビった)…に、なっている。

 ↑一個一個の単語を英単語と対応すると、確かに英語なんですよ。

 ちなみに、岩波から出ている、忍足欣四郎訳「ベーオウルフ」は、細かいニュアンス含め一言一句までものすごく正確なのだけれど、日本語が難しいので分かりにくいだけ、なのだそうです。
 …忠実な訳だと、余計わかりにくい、という。

> 我々ドイツ語仲間では、英語はドイツ語の方言,なんて陰口をきいておりますが。

 …話を聞いたのが北欧文学などの専門の方なので、さすがにソレは言われませんでしたが、ベーオウルフについて質問したときのニュアンスからして、ドイツ語と英語は別ものとして扱われているようでした。

投稿時間:2003/01/12(Sun) 13:12
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Re: 今日、仕入れた情報によると
>  某専門家さんにお伺いしてきました。
>  忘れないうちに投稿。
>
> ■ベーオウルフの言語は、ドイツ語に近いというわけではなく、「古英語」である。見た目は英語とは違うが、発音すると英語とそっくり(と、目の前で発音してくださったのでビビった)…に、なっている。

言語史的にに見れば、いわゆるLow Germanの仲間(一派)であることは明確です。似ているというのではなく、共通点があると、私は考えております。ドイツの歴史をご参照下さい。広い意味でのWestgermanisch!!

>  ↑一個一個の単語を英単語と対応すると、確かに英語なんですよ。
>
>  ちなみに、岩波から出ている、忍足欣四郎訳「ベーオウルフ」は、細かいニュアンス含め一言一句までものすごく正確なのだけれど、日本語が難しいので分かりにくいだけ、なのだそうです。
>  …忠実な訳だと、余計わかりにくい、という。
>
> > 我々ドイツ語仲間では、英語はドイツ語の方言,なんて陰口をきいておりますが。

これは、あくまでも 冗談ですよ。あまりまじめに取らないで下さい。ただ、一般的に、英語を習っている人々が、英語とドイツ語の関係をしらなすぎるので、言いたくなるのです。専門家の前ではそんなことは言いませんが。

>  …話を聞いたのが北欧文学などの専門の方なので、さすがにソレは言われませんでしたが、ベーオウルフについて質問したときのニュアンスからして、ドイツ語と英語は別ものとして扱われているようでした。

勿論、別のものとして扱うのが、学問的には正しいのです。  
低地ドイツ語の件ですが、日本ではドイツ言語学を専門にしている人でも、認識が低いのではと思います。Plattdeutschは、確かに北方ドイツを中心として使われている言語です。Niedersachsen, Schleswig-Holstein,Hamburg,Mecklenburg,Vorpommerung,WestfalenなどがPlattdeutschの地域として知られております。意外と知られていないのが、オランダのGroningenを中心とする地方で、言語的境界なしに、所謂ドイツへ続いております。現在、Grundschule(日本の小学校相当)では、Plattdeutschを教科にとりいれるのが増えているようです。兎に角、日本では渡辺格司氏の入門書しかありませんので、その存在がほとんど知られていないのが事実でしょう、ドイツ語の専門家でも。 EUから、その地域の独自の(Hochdeutschとは別の)言語として認定されました。Kiel,Hamburg,Goettingen大学などでは、Deutsche Sprache/Literaturなどとは, 別個の研究/専攻学科を設けております。Schleswig-Holsteinでは,同州の憲法をHochdeutschとPlattdeutschのニ言語で作成し発効させて居ります。おじいさん/おばあさんだけの言葉とは言いきれ無いのでは。。。 低地ドイツ語の専門家は日本に居られないのでは?
 

投稿時間:2003/01/12(Sun) 20:07
投稿者名:岡沢 秋
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あのですね。
 ちなみに脇さんはベーオウルフの内容はご存知でしょうか。
 内容についての考察は対象内ですが、ここは言語学のサイトではないし、誰もそういう質問されてないので、そうムキになってツッコミ入れられても、さいですか、としか言いようがないです。

 私も興味ないし、全く判らない話なので流すしかないです。
 どうしても語りたいのであれば、ご自分の専門ジャンルでサイトを作られてはいかがかと思いますが。

 楽しい会話になってないでしょ? ここらへんのスレッド。
 もうちと、人の入りやすい会話にしませんか。

投稿時間:2003/01/08(Wed) 16:41
投稿者名:きよ
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タイトル:
グリュフォン
> グードルーンでずーっと気になっているのが、ガンピルーンやグリ>フォン(ドイツ語ではグライフというらしい)といった不思議生物の>出所です。北欧起源ではないでしょう。だったらギリシア神話からの>輸入なのかな…と。
 そうでしょうね。エッダなどでは、鷲に姿を変えた巨人とかが、人攫いの常習犯ですが、これがグリュフォンにコンバートされたのかと思います。

 独和辞書で見ると、

>Greif 1)グリフォン 2)=Greifvogel(猛禽:ワシ、タカなど)

と出ていました。

 ちなみに、中高ドイツ語だと gri^fe [gr&icirc;fe]が標準スペルで、「クードルーン」でもその綴りで出ています。
 ギリシア神話の輸入なのかな、という点については、中世ドイツ詩にはギリシア材料の作品もあることを挙げておきます。たとえば、「アレクサンダー」や、「トロイヤ戦争(Der Trojanische Krieg )」です。いずれの作品にもグリフォンが登場しています。

投稿時間:2003/01/08(Wed) 11:12
投稿者名:岡沢 秋
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あら?
↓よーく見ると、コレ…

>  『グートルーン』 『散文エッダ』49章 『デーオール』
> ------------- ------------------- -----------------
>  ヘッテル王     ヘジン王       ヘーデニング族
>  ホラント(騎士・楽士) ヒャーランディ(父王) ヘーレンダ(楽士)
>  ハーゲン王     ヘグニ王
>  ヒルデ王女 ヒルド王女


 散文エッダに「第○章」なんて区分、ありましたっけー…?
 あと、散文エッダに、ヘジンという人物名は出てきても、ヒャーランディは出てこないような…?

投稿時間:2003/01/08(Wed) 17:12
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
ヒャーランディ出します
>  散文エッダに「第○章」なんて区分、ありましたっけー…?
>  あと、散文エッダに、ヘジンという人物名は出てきても、ヒャーランディは出てこないような…?

 詩的エッダの原文では
> He'∂inn he't Hjarrandason
 なので、「ヘジン・ヒャランダソンとう名であった」と訳せば父王の名は出てこないし、「ヒャランディの子ヘジン」と訳せば出てくることになります。

 場所的には、

 ヘグニ(舅)が凶刃ダーインスレイヴをふるう。これは大量殺戮平気なのでヘジン(婿/駆落ち相手)軍は総嘗めで打ち負かされんですが、日が暮れて戦闘がストップすると、ヒルドが魔法を使って死傷した兵士を元通り治癒してしまいます。よって、魔道具+癒し系魔法登場の有名シーンです。
 
 このストーリーは、スペインのワルテルの物語とも似ています。

 駆落ち男  ヘジン  ワルタリウス(ワルテル)
 姫     ヒルド  ヒルデグンド
 追手    ヘグニ  ハーガノ(ハーゲン)

 ワルテルの物語では、最後にグンテルが片足、ワルテルが右手、ハーゲンが片目と歯を六本失いますが、最後に仲直りしてヒルデグンドが全員をします。←ここも回復呪文系のヒルドと似ている。

 あと『詩的エッダ』の区切りですが、たしかに写本のなかでは区切りはないようですが、便宜上、編者が区切っています。49章になっているのはベローズ訳で、他では50章のもようです。

 この『詩的エッダ』49章(50章)と部分的に同じなのが、『ヘジンとヘグニのサガ』(またの名を『ソルリの話』)といいます。

 大阪外国語大学 の学究誌に、菅原 邦城 訳「ソルリの話とヘジンとホグニのサガ」が載ったようです。第1-2章くらいまでは、自分で和訳しておいてあるのですが、部分的にアップしときますかねぇ。
 オンライン英訳ないかと思ったら、ありました(新発見)

 http://www.northvegr.org/lore/love/00401.html

です。ちなみにここの"Notes"(http://www.northvegr.org/lore/love/007.html)にも、
『詩の語法(Skaldsparmal)』50章の英訳が載っとりました。
>.. A king, who is named Hogni, had a daughter hight
> Hild, whom a king hight Hedinn, son of Hiarandi,

上の"hight"は、「と呼ばれた」の意の英語で、ドイツ語の"ich heisse"やノルド語の"he'iti"等に通じます。

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