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投稿時間:2003/02/03(Mon) 13:36
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
ノルナゲストのバラード/サットル
 ノルナゲストという人物のサットル(小話)と、フェロー語のバラードがあります。英訳だと:
http://www.courses.fas.harvard.edu/~ext12129/Thattr/
にあります。私は楽譜は読めませんが、バラードの曲の譜面もそこにあります。
 山室静にこれにもとづいたフィクションがあり、自選著作集 http://www.mcci.or.jp/www/kyodo/z-yama.html に収められているようです。

(ノルナゲストの小話のあらすじを説明)
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 オラヴ・トリュグヴァッソン王(前のレスにも出た竜頭船《長蛇》の持主で、ノルウェーの国をキリスト教に改宗させた人。あずみ椋 『獅子の如く』というのがその伝記漫画らしい。)のもとに、ある風来坊のような人が訪れます。名はゲスト(=来客。文字通りゲスト)としか名乗りません。
 夜になり、王が寝つかれないでいると、ただよう妖精らしきものがやってきて、この来客のベッドのところで止まり、「こんな異教徒を家に招いてしまって、王は困ったことになるぞ」を意味することを謎めいた言葉でつぶやきます。
 王があくる日、そのことについて、「お前はデーンの方から参ったというが、キリストを信心しないものをのさばらせておくとはデーン王も困ったものじゃな」
 「いやいや、陛下、そもそも私がデーンの国にいたのは何百年も前、なにしろまだ国王がオットー帝によりキリスト教に折伏される前のことですじゃ。。。」
 てなことになり、このゲストというじい様はいったい何年生きているんだ?ということになります。
 
 ときに赤のウールヴ(狼)という、オラヴ王の配下のひとりが、夏季の侵寇をおえて、略奪や贈答の品々をもってオラヴの王宮にもどってきました。その宝の中には七つの継目で溶接され、それぞれの節が異なる色彩をはなつ宝の指輪がまじっていました。これは"溶接"を意味する Hnitu∂r[アイスランド]/Hnituth[英訳]という名で呼ばれ、ともどもが、これ以上の黄金はかつて見たことない、と首をうなずかせました。
 しかしただひとり、ゲストだけはあまり感心したようすを見せません。そこで、他の男たちがいぶかって、どうだ、もしお前がこれ以上の黄金を知っていると証明できるかどうか、金4マルク(1マルクは200gほどでしょうか)を賭けようじゃないかと持ちかけます。
 審判は、王がすることになりましたが、ゲストが取り出したのは、シグルズの馬具から毀れた黄金のホ具(かこ)―バックルを取り出して見せたのです。
 その後、ゲストは自分のライフストーリーを語って見せますが、その長生きの秘密も明かします。彼がうまれたとき、三人の巫女(ノルン)がやってきました。最初の二人は幸先よい予言をしたのですが、末妹が「この赤ちゃんは、ここにあるろうそくが燃え尽きる以上に永らえることはできまい」という邪なる予言をします。
 ところがまわりのものは、すかさずロウソクを消してしまってしまったので、ゲストはこの長年死ぬこともなく生きてきたというのです。

(デーン人オジエとの比較)
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 このストーリーによくにたからくりのある話が、シャルルマーニュ伝説に分類されるデーン人オジエのロマンスです。オジエはやはり、生まれたときに仙女たちがさまざまな恵みをさずけますが、一番若いモルギュ(モルガン)だけが、「この子は将来私の愛人にしてあげるわ、それが贈物よ」というなんとまあふしだらなギフトをしかも赤ん坊に送ります。
 オジエが成人して、騎士としてのキャリアを全うした頃、モルギュが老いたオジエを回収しにきて、若返らせ、自分の住む桃源郷アヴァロンで時をおくらせますが、あるとき忘却の冠がずりおちてしまい、オジエはホームシックにかかり、自国にもどります。自国に帰ると浦島太郎ですから、自分の兄弟の孫だとかいう若者に、「驚いた、なんとあなたはあの大昔のオジエ殿ではないか」ということをいわれます。このときのオジエも、ノルナゲストと同じく「それが燃え尽きてしまうと自分の命も尽きる」というロウソクをもっていて、オジエはそれに火をともして息絶えてしまいます。

ノルナゲストのバラード
----------------------
フェロー語のバラードでは、物語のはこびがいささか違います。オラヴ・トリュグヴァソンが、町の広場に牛を連れて行って、そこでサクサク剣を振るって牛を屠殺します。どうだ見事な剣さばきだろう、とご自慢なところを、なんのなんの、とノルナゲストが言い、自分はファヴニル殺しのシグルズの剣を知っているとうそぶきます。
 ある日、シグルズは馬のグラニに飼い葉をいささか食わせすぎて、ぬかるみにはまってしまい、バックルがちぎれた。それを拾って渡そうとしたが、シグルズはくれてやる、と仰せになったのでいただくことにした。わしは、グラニの横っ腹や尻繋のほうをきれいに洗ってやった。そのときついでに、その尻尾の毛を一本くすねたが、どうじゃ、この長さ、..みたいな話をゲストはします。

 件のバックルを入手したとき、グラニを洗ったり、毛を抜いたりする部分は小話にも共通しています。小話では毛の長さは7エル、バラードでは1ファゾムと1フィート=7フィートとしています。
エルという長さは、もとは肘(エルボー)から中指の先までの長さくらいを意味したのですが、時代や場所により変動が大きい単位です。

 えーと、また数字ネタになりそうなので、線をかえて。TJATSI(フェロー島の郵便局)の方フェローのバラードを録音したCDがあると教えてもらいました。20世紀初頭の頃の古いもあれば、新しいレコーディングも混じっているそうです。残念ながらシュルダル(シグルズ)はないようですが、「Flu'gvandi bi∂il」(天翔る求婚者)というCDで
http://www.framtak.com/fo_music/flugvandi.html のサイトに mp3 ファイルがおいてあり、サンプルを聞けます。
 私が聞いても一言もわかりませんが、サンプルのバラードは、どうやらタイトルトラックのようで、継母の助言で銀の翼をつくって、惚れた娘のところへ飛んでゆくというあらすじのバラードだそうです。

 レコード会社は TUTL (http://www.tutl.com/)だそうですが、おなじラベルでチュール(TY'R)というロックバンドの"HOW FAR TO ASGAARD"というCDの、最後の曲が終わってしばし待っていると「ノルナゲスト・リーマ」を歌いだすんだそうです。

投稿時間:2003/02/03(Mon) 15:44
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
URL :
タイトル:
っていう話を
 ここじゃなく、サイトのほうに載せてくれれば役にたつんじゃないかなぁ…と、思ったり。
 ストーリーの要約って、掲示板に書いていただいても、「ああ、そんな話あったっけ」ってことになっちゃって、なかなかレスを考えるのが難しいんですよね^^;

 えー、きよさんの挙げてくださった話は、なんだかアイルランドの伝承と似てますよね。何年生きとんねん、な人の話、忘却の冠の話、マビノギオンなどにも登場しますね。

 ノルナゲストのロウソクの話、このサイトのどっかに書いたよーな気がする…いつの話だ。

投稿時間:2003/02/03(Mon) 22:29
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
URL :
タイトル:
そんで・・・フェローの・・・
http://literature.school.dk/frame_FaeroesBallads.htm
にあるんじゃないですか・・・フェロー語のバラードの英訳…。

過去ログ探したら。
何か見た記憶があると思ったんだコレ。

私が知りたかった「いつの詩?」は、ここのページにある、この一文でケリがつく話だった、という。↓

「The oldest poems are probably reproductions from the 14th century ,which in turn came from even older poems brought to the Faeroes in the early 9th century.」

 OK。

投稿時間:2003/02/04(Tue) 15:00
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
Re: フェローの
 前回、手短に省略したきらいがあったんで、その分オーバーコンペンセイトしてしまったようです。


>http://literature.school.dk/frame_FaeroesBallads.htm
> にあるんじゃないですか・・・フェロー語のバラードの英訳…。
 上のおそらくどこかの高校らしきサイトには、そう多くの英訳があるわけではなく、入手源が「フェロー郵便局」となっていて、郵便局にあったものの横流しなんですよ。
 
 じつのところ E.M.Smith-Dampier "Sigurd the Dragon-Slayer"というフェローのバラードの英訳集を丸写してきたので、シュルダル(シグルズ)のバラードの英訳は手元には入ったんですが、ただし、ネット上で入手できる原語テキストとは、あちこち一致しないんですよね。
 バラードは、古典的なもので300ほど数えるそうですが、同じバラード異本というか、いろんなバージョンが存在していることが頭痛の種のひとつだと、フェロー郵便局の人に聞きました。

 そうですね。ひとつ精出して自分のサイトにアップできるようにします。

 バラードには『アースラのバラード』なんてのもありますよ。アースラとはアースラウグ(シグルズの忘れ形見の娘)のフェロー読みで、Warhornさんによる『ラグナル・ローズブロークのサガ』の再話(*失礼:抄訳ではないとのことでしたね)の冒頭の、竪琴を割ったら中からかぐや姫のごとく美しい娘が出てきた(クラーカなんて名づけられるが実はほかならぬシグルズの娘だった)、なんてくだりもこのバラードで歌われています。

投稿時間:2003/02/04(Tue) 19:13
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
URL :
タイトル:
かなりの数があるらしい
 ことは、何とか自力でつきとめまして^^; #166とか、番号ついてるので、「ああ、たくさんあるんだな…」と。

 なんで郵便局なんだろう? と思ってたんですが、郵便局で配ってるんですかコレ。
 とりあえず…「あらすじ」が、知られているニーベルンゲン伝説とほぼ同じだな、ってことは分かりました。

 ただコレ、書かれた時代が新しいんで、ニーベルンゲン伝説、特にブリュンヒルドに関わる部分の成立が、人々が移住を開始した9世紀まで遡れるもんかどうかは断言できないんですね…。

>  バラードには『アースラのバラード』なんてのもありますよ。アースラとはアースラウグ(シグルズの忘れ形見の娘)のフェロー読みで、Warhornさんによる『ラグナル・ローズブロークのサガ』の再話(*失礼:抄訳ではないとのことでしたね)の冒頭の、竪琴を割ったら中からかぐや姫のごとく美しい娘が出てきた(クラーカなんて名づけられるが実はほかならぬシグルズの娘だった)、なんてくだりもこのバラードで歌われています。


 以前、ロキが子供を助ける話のスレッドで、「この話はどうやらフェローのバラードが元になっているようだ」とのご指摘をいただきましたよね。
 探せば、北欧神話ファンが喜びそうなネタもあるんじゃないかなー、なんて思ってます。通販で英訳のバラード集とかあったらなぁ…。
 ↑
人に訳させる気。

投稿時間:2003/02/05(Wed) 21:47
投稿者名:Warhorn
Eメール:
URL :
タイトル:
Re: はぁ・・・・
> >  バラードには『アースラのバラード』なんてのもありますよ。アースラとはアースラウグ(シグルズの忘れ形見の娘)のフェロー読みで、Warhornさんによる『ラグナル・ローズブロークのサガ』の再話(*失礼:抄訳


何度かに一度は私の名前を挙げなきゃ気がすまないってのは、ひょっとして私に恋している?愛してくれるのはありがたいが、残念ながらそれにはお応えできないんだよなぁ・・・まぁ、私のことはすっばりとあきらめてくれ!

で、終ってしまうのもなんなんで(多分、某Kさん大爆笑)、ちょっときよっちの書き方だと「ラグナル・ロズブロークのサガ」がヴォルスングのおまけっぽく聞こえちゃって悲しいので、ちょいと私的ポイントを挙げてみます。(あくまでも私的見解なんで、このコメントを検証されてもなぁ・・・)

ラグナル〜のサガとヴォルスングのサガの関連は菅原教授訳のヴォルスンガ・サガの解説にかかれていたりします。2つは対ということで。

まぁ、私自身は伝説にうとい方なんで、伝説からはラグナルに入っていないので、シグルズが〜、ブリュンヒルドが〜、ときてもぴんとこなかったりします。普通はここにぴんとこなきゃいけないらしい。で、どこが見所かというと、ラグナルの息子達の遠征です。彼らはスヴェア(現在のスウェーデンからスコーネ地方(当時はデンマーク領)を除く)に侵略に行くが、スヴェア王がシビリヤとい魔獣の牛を飼っており、その牛の咆哮を聞けば正気を失って相打ちをするというところ。ずっと前のコメントに書いてあるように「北欧の神々と英雄達」下巻・岡崎晋訳の方にはこのシビリヤとは「咆哮」という意味とあったりして、伏線があったりと面白いです。で、伏線というか、スヴェアの中心地の古代ウプサラはオーディンやフレイが統治した場所で、大供犠が行われた場所でもあり、そこではもっぱら牛が屠られた。まぁ、牛も伏線・・・こうも読める・・・?

次は息子達のローマ遠征。ローマを侵略しようと地中海回りで向う。北イタリアのある町を落としてそこに滞在し、ローマを落とすための準備をする。この時、一人のじいさんがローマの方からやってくる。彼らはじいさんに、ローマがここからどれぐらいの距離かと訪ねる。するとじいさんは足に履いている今にもこわれそうな鉄の下駄(靴)を見せる。そして、いや実はこの他にもう1つ鉄の下駄を履きつぶしている、と付け加える。すると息子達はあまりにも困難な道とあきらめる。そして私はなんとも思わなかったんですが、前述の「北欧の神々〜」ではこれはキリストその人であると。これは面白い。え?面白くない?

長男イーヴァルのロンドンを手に入れるネタ。まぁ、イーヴァルがロンドンを手に入れるんですな。(おいおい)

そして有名な「蛇眼の」シグルズ(末っ子)が出てきて活躍するのもこのサガだったりします。(この後ヘイムスクリングラのハールヴダン黒王を読めば最強)

まぁ、こんな感じで色んなおいしいポイントがあるんで、面白そうだなって思った方、「北欧の神々と英雄達」下巻・岡崎晋訳を読んでくださいませ。珍しいスキョルドゥンガ(以前、私がコメント書いたよね〜、覚えている〜?)・サガもあったりします。図書館ででもどうじょ。

ちなみに全然関係のない話なんですが、私のサイトは全てかなり詳しいアクセス解析を入れていたりします(ホスティング業者でもアクセス解析をデフォでやっているんで2重に)。(で、毎日見ていたりして)。なんか、面白いよね、イロイロと。あ〜、ここ見ているな〜、で、こうか、とか、イロイロと。

投稿時間:2003/02/06(Thu) 00:04
投稿者名:kanna
Eメール:
URL :
タイトル:
脱線しますが、お邪魔します。
笑わせていただきました。(笑)

って、これで終わらせるのもなんだかなんですが、かといってネタを持っている訳でも知識を持っている訳でもないので、普段こちらをROMさせていただいている中での感想だけ書いてみたりして。

 自分のように、単純に話を読んでほやや〜んと北欧世界を夢想だけではなく、文献調べたり自分なりのこだわりがあったりと、発言されている方たちの情熱に圧倒されております。こちらの掲示板を読んで初めて知る情報とか沢山あって、重宝させて頂いています。
 でも読んでいて一番面白いのは、その知識や情報を持って、その人自身がそれに対してどう思っているかが伺える時ではないでしょうか。皆様の視点や切り口などから新たな発見があったりするのが、私自身の楽しみとなっています。

 読むだけで、発信することが(多分今後も)無いので今まで管理人様にご挨拶もしておりませんでしたが、Warhornさんに話を振ってもらった機会に書いてみました。アク解見れば多分毎日遊びに来ている私が発見できると思いますが(笑)、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

投稿時間:2003/02/06(Thu) 19:12
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
URL :
タイトル:
Kannaさんだ!
 わーどうもこんにちはー。
 こないだはどうも(?)。

 アクセス解析は、荒らし君が出現した時しか見てません、面倒なので(笑)で、荒らし君しかマークしてないので、他に誰が来てるのかは分からず。
 毎日来てらしんたですかッ…。どーん。

>  でも読んでいて一番面白いのは、その知識や情報を持って、その人自身がそれに対してどう思っているかが伺える時ではないでしょうか。皆様の視点や切り口などから新たな発見があったりするのが、私自身の楽しみとなっています。

 そっスね! 自分自身、偏ってるのは分かってるので、別のルートからアクセスした方のご意見聞けるとめっちゃ嬉しいのです。「ネタゲッチュ!」みたいな。

 なので一方的に「教えてくれ」君の質問には冷たく、何かネタ土産に持ってきてついでに質問する人には異様にフレンドリィだったりとか。

 例のサガ小説の続き…、楽しみにしてますよ…?(キラーン)
 

投稿時間:2003/02/06(Thu) 23:13
投稿者名:kanna
Eメール:
URL :
タイトル:
どうもです。
>  毎日来てらしんたですかッ…。どーん。

へへ。実は来てたんです。webringを有効に利用させて頂いております。私的には凄い便利。

>  例のサガ小説の続き…、楽しみにしてますよ…?(キラーン)

が、頑張ります。今年中には・・・。(←駄目駄目)  

投稿時間:2003/02/06(Thu) 14:16
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
ラグナルとか..
基本的に何もしらないので、あまり貢献できませんが、

 鉄下駄男の:
> 次は息子達のローマ遠征。ローマを侵略しようと地中海回りで向う。北イタリアのある町を落としてそこに滞在し、ローマを落とすための準備をする。この時、一人のじいさんがローマの方からやってくる。彼らはじいさんに、ローマがここからどれぐらいの距離かと訪ねる。するとじいさんは足に履いている今にもこわれそうな鉄の下駄(靴)を見せる。そして、いや実はこの他にもう1つ鉄の下駄を履きつぶしている、と付け加える。すると息子達はあまりにも困難な道とあきらめる。そして私はなんとも思わなかったんですが、前述の「北欧の神々〜」ではこれはキリストその人であると。これは面白い。え?面白くない?

 というこのエピソードは、齢300年の風来坊老人ノルナゲストも見聞しています。『ノルナゲストのサットル』の中盤あたりで、
 オラヴ王トリュグヴァソンが、ゲストに、「してそなたはロズブロークの息子といたことはあるか?」と尋ねると、ゲストは「ほんの短期間だけですが、彼らが南方に遠征したときアルプスあたりでめぐりあいました。Vifilsborg[英訳]が陥落するとパニックが起こり..(以下割愛)」
 そこで「鉄脇の?」ビェルン(ビョルン)王のところに、くだんの鉄下駄の男がやってきて、ローマへの道のりはどのくらいだ?と聴き、こんくらい、と激しく磨耗した靴裏を見せて、王はゲンナリしてローマの侵攻をよりやめる―というくだりはそのままです。
 また、こちらの小話(サットル)では鉄下駄男が、「きっと聖都ローマが破壊されないように神が遣わされた精霊の死者だろう」と解釈しているのは、国をキリスト教に改宗させたオラヴ王です。

> 長男イーヴァルのロンドンを手に入れるネタ。まぁ、イーヴァルがロンドンを手に入れるんですな。(おいおい)
 どこかに書いてありましたが、このネタは、ウェルギリウスの『アーネウスの歌』(367行)で、女王ディドがカルタゴを創立するときのカラクリと同じなのだそうです。(キーワード:Byrsa=oxhide)

 ラグナルの息子と同時代で関わった人物に Welund というヴァイキングがいるそうですが、この人物は英国に攻め入って失敗したという史実上の人らしいですが、鍛冶師ウェイランドがイギリスに行ったという伝説に何やら関係ありそうな。

 あと、脱線になりますが、ウェイランドの父のワテ(ヴァデ、ヴァディ)の船の伝説というのが英国にはあったらしいです。チョーサーが『商人の話』で触れていまして、西脇順三郎訳『カンタベリ物語』上 「貿易商人の話」p.357では《ワダの舟》と表記されています。
 そして、Thomas Speghtの注釈本チョーサー(1598年)の註に、この船の名は「Guingelot」号というのだと明記されているのだそうです。なんだかガウェイン卿の馬(Gringolet, Guingalet)にものすごく名が似てますが。
 おそらく《ワダの舟》にあたる話が、ウォルター・マップ 『廷臣閑話(De Nugis Curialium)』(1193年)では、ヴァンダル王ガド Gado の話として載っているようでして、ガドの操る船は、ローマの侵攻をうけたオッファ王を助けに英国に向かいますが、じつは、目的地まで自動に進路を進める魔法の船なのだそうです。

投稿時間:2003/02/06(Thu) 21:16
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
URL :
タイトル:
ハイメとヘイミルと
> 基本的に何もしらないので、あまり貢献できませんが、
 以下同じ。

 だいぶ前のスレで出ていた、シドレクス・サガのハイメと、ヴォルスンガ・サガおよびラグナル・ロズブロークのサガに登場するヘイミルは同一とみなす考え方のウラ取れました〜。
 具体的に言うと、菅原教授の本にそう見ていいと書いてたから(笑
 
 ハーマは同じかどうか、はっきりしてないみたいですけど。
 

投稿時間:2003/02/08(Sat) 15:28
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
Re: ハイメとヘイミルと
>  だいぶ前のスレで出ていた、シドレクス・サガのハイメと、ヴォルスンガ・サガおよびラグナル・ロズブロークのサガに登場するヘイミルは同一とみなす考え方のウラ取れました〜。
>  具体的に言うと、菅原教授の本にそう見ていいと書いてたから(笑
 ハイメは、ブリュンヒルド女王につかえる馬のブリーダーの子で、
「ロズブロークのサガ」、もしくは「ヴォルスングのサガ」に登場するヘイミルは、ブリュンヒルドの姉妹の旦那さんで、設定はだいぶ違いますけれどね。

>  ハーマは同じかどうか、はっきりしてないみたいですけど。
 
 ベオウルフが、ウェアルフセーオ女王からさずかる首飾りはハーマが得たブロシングの首飾りとも比ぶるほどに美しいとのことでしたね。
 見聞ひろしさすらいの『ウィードシーズ(Widsith)』は、ハーマとウッドガ(=鍛冶師ウェイランドの息子)を一対で出してますから、これはドイツ英雄譚でいうハイメとヴィティッヒではないとのことですね。
 また、ラテン詩『ワルタリウス』には出番がないと思いますが、アングロサクソン詩の断片『ワルデール(Waldere)』だと、アクィタニアのワルテルとヒルディグンドの駆け落ちのメインストーリーに、ウェイランドの息子 Widia がゲスト出演、その剣ミーミングまで出るし、ニーズハズ王の名とかも出されてます。

投稿時間:2003/02/08(Sat) 17:17
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
URL :
タイトル:
Re^2: ハイメとヘイミルと
すんません、ちょっと間違えました。

 具体的には、ヘイミルは「家に属する者、または家の主人」という意味と考えられ、奥さんベッグヒルドが「大広間の長椅子(ベンチ)の女」という意味なので名前的にはベストカップルだとか。(※ンなこと本に書いてないっちゅーねん)

 ハーマ、というのも意味的には同じ名前だ、とのことです。(つまり同じ名前だと)

 で、「ベルンのシズレクのサガ」(=シドレクス・サガのこと?)には、"醜男だが剛毅な勇士として登場"する、とのこと。
 ブ男だったのですね、ハイメ君は(笑
 個人的にニキビ・ソバカスを希望。

>クリエムヒルトが身の潔白を

 スィオーズレク(ディートリッヒ)との浮気を疑われて、「私は浮気しとらんちゅーねん!」と、熱湯煮え立つ鍋の中に手ェつっこんで、白い石を拾い上げてみせる話ですよね。
 ここでグズルーンの浮気を告げ口した侍女の名前がヘルキャ(ヘルヒェ)に、なっているところがミソかと。
 「ニーベルンゲンの歌」では、エッツェルの先妻の名前。

>指輪物語

 ファンが怖いのでノーコメント、ってのはダメっすか(笑)

投稿時間:2003/02/09(Sun) 13:38
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
ハイメ醜男のくだり
>  で、「ベルンのシズレクのサガ」(=シドレクス・サガのこと?)には、"醜男だが剛毅な勇士として登場"する、とのこと。
>  ブ男だったのですね、ハイメ君は(笑
>  個人的にニキビ・ソバカスを希望。
 ハイメ(ヘイミル)の名については、もともとはストゥダスJr.という名を親からもらったのに、ヘイミルという竜をやっつけてから、みずからもヘイミルを名乗ったことになってますね。

 醜男だという、ヘイミルについては、『シドレクスサガ』で前回引用した部分(ヘイミルが十二歳というところ)の後の部分を出してみましょう。
 アイスランド=英辞書だよりに訳しますので、誤りもあるでしょうが:

30<sup>a</sup> (18).
(中略)
>A &thorn;a lund er hann skapadur a&thorn; hans andlit er breidtt og ei l&aacute;ngt skamt nefuit og ei digurt ennibre&iacute;dur og opineygur ok svarteygur.
[* 精神はかたくなで、顔(かんばせ)は幅広く、鼻が低くて短かった。額は大きく、デコ面が大きく広がり黒かった]
> Skegg hefuer hann yfid &thorn;yktt og mikit h&oslash;fud og digrann haals og skammann. Hann er herdibre&iacute;dur vudr &oslash;xl er hann suo &thorn;yckur ath naaliga mvundi vera &aacute;lnar.
[* アゴヒゲは濃く、頭が大きく、頸は太くて短い。肩幅がまるで雄牛のようでXX1アールナルXX1アリン(=1エル)ちかくあったろう。]
>Hans armar voru skammer og afburdar digrer. &thorn;ykka h&oslash;nd hefuer hann. Er skammvaxinn og midmi&oacute;r. Wm herdar er hann ferstrendur [foturinn digur og aller hans legger eru skammer.
[* 腕は短く、尋常ならざる分厚さだった。手も分厚かった。体躯は短く、腰はキュッっと締まっていた。四面の肩をもっており、足は分厚く、二の脚も短かった。]

 「四面の肩」の部分は異本では「四臂」になっていると思います。
スウェーデン本「Sagan om Didrik av Bern(Hand A)」を引いてみましょう―
(http://www.nordlund.lu.se/Fornsvenska/Fsv%20Folder/03_Handskrifter/Sko115.html)

# 17 han oc brunt sk&auml;g . oc stort hoffwd oc h&auml;rda breder [?breda h&auml;rder]/ han haffde langa arma oc iiij alboga oc tiwkka h&auml;nder oc fagra finger/
おやおや、こちらでは:
>茶色いアゴヒゲ。そして、頭大きく、肩は広く、/その腕長く、肘 iiij つ(4つ)で、真手は分厚く、指美しく/

 alboga [スウェーデン] = Ellbogen [独] = elbow [英] = 肘

投稿時間:2003/02/13(Thu) 21:31
投稿者名:Warhorn
Eメール:
URL :
タイトル:
えるぼー
まぁ、管理人さんもいないことだし、別にきよっちとバトルしようとかは思っていないんで、そこんとこ宜しくよ〜<きよさん

ちなみに、レスがある時は、英文コピペや文字化け引用コピペ、リンクは私はめんどくさいので(英語も全然できんことだし)読みませんので、日本語(しかも判りやすいので)お願いします。

4本手の謎ですが、ひじの単語が「肘状のものを指す」という言語学的に概念的なものもあるということとのことらしいです。

で、これは思うんですが、手は2本だと思うんですよ。なぜかっつーと、きよさん、今まで散々、シドレクスサガをスーパー調べてきたわけじゃないですか、だったら、4本手というあまりにも奇奇怪怪なことは、まずどこかでも耳に入っているハズじゃないっすか?どう?

で、英訳の分をぼちぼち読んでいるんですが、ヘイミル君もそうなんだが、サムソン君も、エルミンクもそうだったかな?まぁ、どっちかの息子、それ以外の王さんとかの描写がわりかし似ています。みんな色男じゃないんすよね。ごっついのがさもかっこいいように書かれている風な感じも受ける。で、4本手という表現ではなく「背が広い」とあるんすよ、何度か。肘状のものが4辺にあるといことだとこれは筋がちゃんと通るし、まぁ、出版されている書物の英訳が間違っているともあまり考えられないだろうし。

で、他の人の描写もついでにしらべてくださいやし。多分、4つの肘の表現があるとおもうんすよ。だとしたら、4本手の登場人物ばっかり出てくるのもミョーなんで。

古期アイスランド語版のサガの単語を見ていると、ノルウェイ版のよりかなり言語が発達してuが入っていたりして現代のそれに近いような印象もあったりします。あの初歩的なオックスフォードの古期アイスランド語→英語辞典ではタイヘンだと思いますが、がんばってくださいやし。

アイスランドのサガは色男ばっかりが登場するんだが、このドイツ系はなぜかごつごつした男ばっかり出てくる・・・。これはドイツが色男より屈強な男を好んだのか、エキゾチック風を出すためにわざわざ選んだのか、私には判りませんが・・・。まぁ、そんな感じを受けますな。

投稿時間:2003/02/08(Sat) 15:49
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
アーケン石(宝石)
『指輪物語』の「ホビット物語」で、J.R.R.トールキンは、アーケン石(アーケンストーン arkenstone)なるドワーフ族の財宝を登場させています。

 これは本来、アングロサクソン語の「エオルクランスターン eorclanst&aacute;n」というもので、『ベオウルフ』にあり、前稿でもふれた《ウェアルフセーオに賜った首飾》は、海路をへてわたってきたこの宝石が嵌められていた(第18詩章1210行)とのことです。
 アーケン石は、北欧では「イアルクナステイン jarknasteinn」といいまして、『ヴェルンドの歌』で鍛冶師ヴェルンドが王子の目玉から作ったのも「イアルクナステイン」と称されていて、そのほか『詩エッダ』では『グズルーンの歌I&III』にも「イアルクナステイン」が出るようです。ひとつはたしか、グズルーンが姦通の讒言を受けて、一種の"炎の試罪法(ordeal by fire)"―火(や熱湯)によって、身の潔白を証明する試練をくぐりぬける話だったと思います。
 
 

投稿時間:2003/02/14(Fri) 23:33
投稿者名:jinn
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タイトル:
Re: アーケン石(宝石)
きよ様のここの部分が多少混乱しているので、整理をさせてください。
いえ、はっきり重箱の隅をつついていますが、決して他意はなく、あくまでも正確さを求めてのことですので、ご容赦下さい。

> 『指輪物語』の「ホビット物語」で、J.R.R.トールキンは、アーケン石(アーケンストーン arkenstone)なるドワーフ族の財宝を登場させています。

「ホビット物語」という短編はありません。『指輪物語』の「ほびっと物語」という章もありません。邦訳は『ホビットの冒険』、または『ホビット』(副題略)でしょう。
>
>  これは本来、アングロサクソン語の「エオルクランスターン eorclansta´n」というもので、『ベオウルフ』にあり、前稿でもふれた《ウェアルフセーオに賜った首飾》は、海路をへてわたってきたこの宝石が嵌められていた(第18詩章1210行)とのことです。

御指摘の通り『ベーオウルフ』にありますが、1208行ではないでしょうか?
また、「ウェアルフセーオから賜った」ということですね。
また、「「首飾り」が海路を経て渡ってきたこの宝石が嵌められていた」
ではなく、ヒュゲラクが、この宝石(「アーケン石」とでもしておきましょう)(複数形)の飾りを海を越えて渡り、戦いに赴いた(ll. 1207-1209)という意味の部分です。

また、実際には、eorcnanstanasは、「高価な石」という意味で、固有名詞ではありません。トールキンがarkenstoneの元の語形としたのは、古英語のeorcnanstanであり、eorclanstanというのがauthenticな語形ではなかったとトールキンは見なしていたようにも拝察されます。

投稿時間:2003/02/15(Sat) 14:25
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
Re^2: アーケン石(宝石)
> 「ホビット物語」という短編はありません。『指輪物語』の「ほびっと物語」という章もありません。邦訳は『ホビットの冒険』、または『ホビット』(副題略)でしょう。
 ああ、その副題は『生きてかえりし物語』でしたね(冗談!)。

> >  これは本来、アングロサクソン語の「エオルクランスターン eorclansta´n」というもので、『ベオウルフ』にあり、前稿でもふれた《ウェアルフセーオに賜った首飾》は、海路をへてわたってきたこの宝石が嵌められていた(第18詩章1210行)とのことです。

> 御指摘の通り『ベーオウルフ』にありますが、1208行ではないでしょうか?
 行ナンバーは、多分、そうなんだと思います。すみません。『ベーオウルフ』の邦訳は持っていないので、ベン・スレードさんのサイトの http://www.heorot.dk の行番を使っています。これは、岡沢さんの『ベオ』ページの行番とは1,2行ずれ込んでいることは知っていたのですが、断り書きがありませんでしたね。

 ここの首飾りのくだりは、読んで混乱したのですが、前述スレードさんに、以前にわかりやすく説明をしてもらったことがあるんで、ざっとまとめます:

 デーン族(シルディング)が、水妖グレンデルに悩んでるが、ゲータ族のベオウルフが助っ人にやってきて退治する。

 褒美として、ベオウルフは、デーン王(ロースガール)から宝刀や黄金の兜などを頂戴します。その後で、デーン王妃(ウェアルフセーオ)も、(首の)環を持ってきます。

 デーン王は、本来、王位継承者に伝うべきの宝刀などを、ベオウルフに渡してしまった。まるで、自分の実子を廃嫡してもベオを跡取りにすえたいほどのイキオイ。これはまずい。そこで、「わが息子たちをどうぞよしなに」との思いを込めての、贈賄物の一品なのだとも考察されます。 

 さて、ここで語り手が、それはどんなに素敵な(首の)環だったかについて、長い口上にはいります。まず「それは、ハーマがエルマンリーチからかっぱらってきたブローシングの首飾り以来、類をみないほど美々しいものだった」、ま、大まかに言えばブロシンガ・メンに次ぐ宝といっていいでしょう。

 語り手は、さらに、(首の)環は、*このやがて後に*ヒュゲラクが戦争に着けていった。エオルクランスターン(エオルクナンスターン)(=アーケン石)をちりばめたこの首飾りは、ヒュゲラクを乗せた船で海を渡ったが、ヒュゲラクがやっつけられて分捕られてしまった。
 と謳います。

 ストーリーのこの時点では、ゲータ族の王ヒュゲラクはまだ、おっ死んじゃいません。だから、これは、首飾りは、ベオウルフからそのボスの王の手に渡るんだ、そしてボスはそれをはめて死ぬんだ、という予告編なわけです。

 首飾りはだから、いったんベーオウルフの手に収まります。だいぶ何行か後になって、ベーウルフが自国のゲータの地に凱旋するとき、手土産は、どっさりがっぽりです。ベーオウルフは、グレンデル母子のねぐらからは、さしたる分捕り品を持ってきてませんから、土産はみんなデーン国王よりと言っていいでしょう。
 そして、2175-6 行で、ベーオウルフは(おそらく同一の)首飾りをゲータの王妃に渡しています。
 よって、どこにも明言はされていませんけれど、ゲータの王妃から、おそらくゲータ王のヒュゲラクの手に渡ったとは、ゆうに推測できます。
 
 また、スレードさんが指摘してましたが、すべては詩人の予告通りには運びませんでした。(ガセの予告かい?)。 2504-5 行あたりで、ヒュゲラクは戦死しますが、相手のフランク族は財宝の首輪を手にすることはできなかったということです。

-----------
 あと、付け加えますが、エアルクナスターンというのは、一般的に「宝石」をさすってわけではなくって、確実な特定はできてませんけれども、何かしら具体的な鉱物の一種だと、グリムなどの学者は考えています。(今回は引用しませんが。)

投稿時間:2003/02/15(Sat) 22:26
投稿者名:岡沢 秋
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タイトル:
冗談ですよね?
 あの、きよさん。
 このベーオウルフ解説(あらすじ語り)は、冗談ですよね?

 まさか原文持ってて、行数も指摘できる人が、あらすじそのものを知らないとは思われてませんよね。
 何で、いちいち粗筋の説明されるんでしょうか…。

 そんなん分かった上で話すすめてるんで、ずらずら長いのは意味ないです、ってのがno.1069の「基本的な話が通じて無いっぽい」で書いた話なんスよ…。
 あらすじはやめましょう。あらすじは。
 そもそもの粗筋知らない人(読んだこと無い人)は、読んでから来てね〜、でいいんじゃないかな^^;

投稿時間:2003/02/16(Sun) 01:10
投稿者名:jinn
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タイトル:
Re: 冗談ですよね?
岡沢 秋さま(ひらがなにしてみました)、フォローをありがとうございました。
>  あの、きよさん。
>  このベーオウルフ解説(あらすじ語り)は、冗談ですよね?

ええ。私も冗談だろうと思っています。
というのは、きよ様が「邦訳を持っていらっしゃらない」と仰るのも、
「原典を持っていらっしゃらない」という意味を、わざと変えて「邦訳」と仰っているように思えるからです。行番号を「邦訳で」確認なさるような方はいないでしょうから(^^)>

それに、あらすじを書かれるのは、もしかしたら原典をお読みになっていらっしゃらないのかな、と人にわざと勘違いをさせるための冗談だとも思っています。

きよ様ほど古スウェーデン語にも古アイスランド語にも精通していらっしゃり、なおかつグリムのGermanische Mythologieをドイツ語で読める方で、さらにeorclanstanについてご存じの方が、あえてあらすじを書いて教えて下さるのですから、これは恐らく一般的に言われているのとは異なる独自の解釈による粗筋だと思われました。そして、確かに私が原典を読んだときに理解したものとは、若干の解釈の違いが見られました。まず「首飾りがエオルクランスターンで飾られている」という解釈ですが、原文を読む限り、ヒュゲラクが様々な宝石を持って海を渡った」とは書いてありましたが、これを宝石で飾られている、と理解するというのは、良い解釈だと思いました。教えて下さり、感謝申し上げます。ただ、当時の王は、武具に様々な宝玉などで飾りを付けていたと思っておりまして、様々な宝石や飾りのついた武具(全て複数形)を持っていったというのが、原文を読んだときの私の理解でしたので、ここでは、あくまでも首飾り(輪)を飾る宝石を複数形にし、fraetwe(1207)も、「飾るもの」すなわち1208行のeorclanstanasの完全同義のヴァリエーションなのだ、という解釈は新説でした。

一方で、2503-04行に記されている、フリジアの王が首飾りを持っていくことはできなかった、という記述は、1212-13行で、位の低い兵が、戦死したイェーアトの身体から高価な武具や宝石を奪ったという記述と一致すると思っていたものですから、「ガセの予告」というきよ様の御指摘はボクには意外に思われました。

一方で、ベンジャミン・スレイド氏の興味深いサイトを紹介して下さり、感謝申し上げる一方で、eorclanstanの語義を、スレイド氏自身が' It seems to indicate a fabulous and exotic gem in any event.'と解釈していらっしゃるのに、きよ様はグリムの説を強く指示していらっしゃるのが、不思議に思われました。と言いますのも、スレイド氏もeorcnan-の類義語の語義を挙げていらっしゃいますし、あえて特定の鉱物という解釈をする必然性が見えなかったばかりか、スレイド氏はmysterious stonesという一風変わった訳をなさっていらっしゃいます。
きよ様はスレイド氏から詳しいご説明を戴いたということですが、私には、これはまるで、arcane-stonesと引っかけている洒落た現代英語訳と思われました。もっともarcaneとOEのeorcnanとは言語学的に何の関わりもないのですが、スレイド氏はそれを踏まえて敢えて上記の訳をなさり、そこで、註をつけて解説をしているようにボクには見受けられました。要するに、洒落た訳をここではつけているけれど、古英語自体の意味はこういうのなんだよ、と仰りたかったのではないでしょうか。これはちょっと穿った見方かも知れませんが。

投稿時間:2003/02/16(Sun) 21:52
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
べつに他意は...
>  あの、きよさん。
>  このベーオウルフ解説(あらすじ語り)は、冗談ですよね?
>  あらすじはやめましょう。あらすじは。
>  そもそもの粗筋知らない人(読んだこと無い人)は、読んでから来てね〜、でいいんじゃないかな^^;

 何でも、そんなに過敏に捉えないでくださいよ。他意ははないですから。jinn さんにも、失礼な形で伝わったらお詫びいたします。

 ストーリーラインの部分は、jinn さんには、釈迦に説法だとじゅうじゅう―ですが、自分では、ほんのちこっと余分に説明を添えたつもりで、それは『ベーオウルフ』は読んだつもりでも、だいぶ忘れてしまっている自分のような存在の為に書いてます。
 また、箇所が飛び飛びですし、ややこしい。それに、jinn さんのご返答にも現れているように、その解釈はかならずしも統一されていません。

 前回、「邦訳を持ってない」とただ言ったのだって、何もアテツケや含蓄があったわけじゃないですから、このリアクションには、当惑してます。
 言わんとしていたのは、「ここは日本語の掲示板ですから、岩波本ないしの行番を書くのが当然でしょうが、そうした邦訳を持っていないので、便宜上 heorot.dk の電子版の行番を引用します。1,2行行数はズレ込みがありますが、悪しからず」と、そんなとこです。

 岡沢さんは、おそらく、あまりご存知もご興味もなかろうかと思いますが『ベーオウルフ』は、じつに幾つもの現代英訳があります。スレードさん以外にも、散文訳も二以上あり、詩訳も複数あり、以前、2つのバージョンを見比べるとたしか行番も違いました。ちゃんと調べれば、邦訳と一致するのがどれだかわかるでしょうが、それについてはうとい+面倒くさいんで、わかってません。

 最近では、シェイマス・ヒーニー(アイルランドの詩人・1995年ノーベル賞)の現代訳がありますし、去年だったか、J. R. R. トールキンの訳も発見されたそうなので、それもそのうち日の目を見るかもりれません。

 スレードさんは、『ベオウルフ』写本の転写や、「コットン写本」や「エクセター本」の写本の高解像度デジタル化(各ページ100MBだとか)にも事情通のようなので、何か行番については事情があったのかと思いましたが、追求してません。

 あと、恐縮ですが、私は言語学専攻などではなく、ドイツ語はほんのかじった程度ですから、グリムを原語でなんてとても読めません。グリムは、英訳のものがネットにあるので、それを拾い拾い読んでます。古アイスランド語やフェロー語だって、例の Zoega のオンライン辞書とかを検索しながら、四苦八苦しながら、調べています。
 この辺の事情は、岡沢さんもご存知かと思われます。
 jinn さんにおいても、何かとつっかかっるようでご無礼がありますでしょうが、それはド素人の恐れ無しの行為として、何卒ご鷹揚に宜しくお願いします。

投稿時間:2003/02/17(Mon) 06:25
投稿者名:岡沢 秋
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何故数行ズレているのか
>  スレードさんは、『ベオウルフ』写本の転写や、「コットン写本」や「エクセター本」の写本の高解像度デジタル化(各ページ100MBだとか)にも事情通のようなので、何か行番については事情があったのかと思いましたが、追求してません。

 追求してください。つか、ベーオウルフの原典は一種類しかないのだから、英訳が何種類あろうと、行数勘定はおなじになるはず。少なくとも、和訳は2種類持っててどちらも全く同じ行勘定ですから。

 スレード氏の電子テキスト、第6節、389行目と390行目の間です。
 正しくは

389行目 Deniga l&eacute;odum.' (欠落)
390行目 (欠落)    Word inne &aacute;b&eacute;ad:
391行目 '&Eacute;ow h&eacute;t secgan sigedrihten m&iacute;n

 と、なっているところ、欠落部分を飛ばして、二行を一行にしているからです。
 後半で数行の差が出ているということは、他にも欠落部分を飛ばしているのでしょう。


 で、あらすじ語りをやめてくださいと言ったのは、あらすじだけ読んで知ったつもりになってる人が(「魔探偵ロキ」のような^^;)パロディマンガなど描いてちゅーとはんぱに広めるのがイヤだから。
 この掲示板が、その源泉になるのがイヤだからです。

 ご自分のために書かれるのなら、ご自分のサイトでやってね。と、いう、超単純な理屈なので、お願いします。

 あらすじには理解が必要となり、どうしても、略した人の性格が出るものですから、私などが「えー、そこはそうじゃないだろうよ」。と引っかかる原因にもなりますから。
 もしくは、すべて削除して自分が書き直したい衝動にかられることもあります。


>  言わんとしていたのは、「ここは日本語の掲示板ですから、岩波本ないしの行番を書くのが当然でしょうが、そうした邦訳を持っていないので、便宜上 heorot.dk の電子版の行番を引用します。1,2行行数はズレ込みがありますが、悪しからず」と、そんなとこです。

 私が言わんとしているのは、
 「ここは私んちの掲示板なので、きよさんの日記帳ではないです。読みに来るのは基本的に日本語オンリーの人なので、原語からの訳のような話題ふられたって、誰が理解できるんですか。^^; 自己満足のためだったら他所でやってくださいよ。
 しかもきよさん、実際はそんなに読めるわけじゃないんだから、間違ってても、ご自分で責任とれないでしょ? そんな情報流されても困るんですけど」

 っつーことです。

投稿時間:2003/03/10(Mon) 15:19
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
ベオウルフの行ズレ
* どうも、しばらくです。壁紙も模様替えされちゃって。読んでない投稿の catch-up するだけでも相当なもんですね。

* 「追求してください」と言われて宿題として出てた『ベーオウルフ』のテキストの行ズレの件ですが、スレードさんのかなり長文の紹介文を読みましたが、いろいろコットン写本の遍歴には詳しかったけれども、肝心の疑問が解けなかったので、メールもらいついでに本人に聞きましたらば、説明してくれました。

  そういや、スレード氏のサイト内には Klaeber 編本(標準) vs. Kiernan 編本(スレード氏が使用)の行の差異の表(http://www.heorot.dk/beo-intro-rede.html) もありました。これを見つけていりゃー、行換算はできてたでしょうね。

 でも、せいぜい1,2行の差分だとは思っていたので、そのまま修正ナシの行数で出しても、引用箇所を見つける手引きにはなるだろうと。何も書かないよっかマシだろうと。とそう思い、てっきり大目に見てはもらえると信じたのですがね。行数でツッコまれるとは思いませんでしたよ。ここの掲示板だと常套句っぽい「典拠はめんどいか
ら出さない」って言ってたほうが、かえってまかりとおったんかいな、(笑)てなのが率直な感想です。それと、ホンマにそこまで気になるんかいな?という疑問と。

さて、宿題ですが:
> スレード氏の電子テキスト、第6節、389行目と390行目の間です。
> 正しくは
> 389行目 Deniga l&eacute;odum.' (欠落)
> 390行目 (欠落)    Word inne &aacute;b&eacute;ad:
> 391行目 '&Eacute;ow h&eacute;t secgan sigedrihten m&iacute;n
>
> と、なっているところ、欠落部分を飛ばして、二行を一行にしているからです。

 とのことですが、私の理解が正しければ、この(欠落)とお書きになった部分は、火災後の破損、その他の理由で識字できない箇所ではないそうです。写本そのものを見ると Deniga.. のすぐあとに Word.. が来ている。(基本的に、羊皮紙のスペースをケチって、詩行ごとに改行などせず、繋ぎっぱなしで、詰めて書いている。)
 だけど、それだと歩格(メーター)や頭韻のパターンに合わないじゃないか!おそらく、Deniga.. の後と、Word.. の前に、二つの「半行」があったはずだ、写本生の奴らがミスって飛ばしたに違いない−ちゅうことになり、標準本の Klaeber においては、'&thorn;a to dura eode / widcu&thorn; h&aelig;le&eth' の二つの「半行」を補遺してる(Grein という編者においては、やはり"to dura healle Wulfgar eode"という行を追加している)という話です。

 他にも Klaeber 等が補遺した箇所はあるそうで、うーん、..これだとマイナス行になる箇所は説明がつきますが、そういえばプラス行になる箇所もあるのは何故なのかまでは聞いてませんね。でも、私としては逐一この差分をつきとめるほどの関心(というか根気)がありませんけど。

 さて、従来説だと、古来の口承文学がまずあって(8世紀頃成立?)、あるていど後世になってから、おおよそ一字一句、伝承の「歌謡」どおり忠実に写本生が書き留めた、という解釈だと思います。その見地からすれば、韻律が合わない部分があるとすれば、それは、もとの「歌謡」にはあったんだ、と見るわけですね。

 一方、スレード氏が使用している Kiernan の編本は、基本的に、書記が書いていなければ、それは無いとみなす、というスタンスを取っているらしいです。写本そのものを見ると Deniga.. のすぐあとに Word.. が来ているならば、その間に2つの半行が絶対あったとするには根拠不十分だとする−ようです。しかも、Kiernan は、(上に挙げた従来説に対抗する新説として?)、『ベオウルフ』の詩が、この字句と品質でもって成立したのも、また書記によって書き留められたのも、紀元1000年頃だとしているようです。

 (脱線1)あと、スレード氏のオンライン番では第 24 詩節(フィット)が欠番にされていますが、これも承知の上のようです。
 つまり、写本をつぶさに見ると、<オリジナルの書記/写本生が、採番するときにあやまって1コ番号を飛ばして25と振ってしまった。それを後世の人がみとがめて、24に書き換えたことが、ぜんぜん違うの筆跡から明らかである。現本では24章の番号は飛ばされていたのだ>としているようです。
 (英文ですが、図入りでこれを解説しているページが http://www.jagular.com/beowulf/outlines.shtml にあります)。

 (脱線2)『ベーオウルフ』には、羊皮紙#第179葉という、非常に読みづらい一葉があるらしいですが、これについても、火事のとき消火の水をかぶったために滲んだという説明がなされていたが、一葉だけダメージを受けるというのは不自然で、その後<この一枚はパリンプセスト (使用済みの羊皮紙の字句を削るか洗い落として再利用すること)だったのだが、写本生が、まだ生乾きのときに書いてしまったために滲んでしまった>という考察がでてきたようです。(スレード氏の"Introduction"より)

投稿時間:2003/03/10(Mon) 19:15
投稿者名:岡沢 秋
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タイトル:
埋もれてるし。
> * どうも、しばらくです。壁紙も模様替えされちゃって。読んでない投稿の catch-up するだけでも相当なもんですね。

流れるの早いっス。数日、ルスにしてたら私自信読むのタイヘンですわ(笑
どうですよ壁紙。白くしてみました。…本当はクリーム色なんですけどね。発色悪ー。

> * 「追求してください」と言われて宿題として出てた『ベーオウルフ』のテキストの行ズレの件

 本当はどーでもいいんですけどね、そんなん(笑
 細かいし。ただ、「岡沢さんのベオ」と言われてしまうと、なんか私が特殊な本使ってるみたいじゃないですかー。
 いっちゃんスタンダードな行換算のを使ってますよ、多分。

 欠行になってるところの理由はあまり詳しく知らないですが、火事で剥げたんじゃなく、書き飛ばしたり、消えちゃったりした部分もあるってこと「だけ」は、どっかで読みました…。

> てっきり大目に見てはもらえると信じたのですがね。

 前、ニベ歌でもけっこう行間違えてました(笑) 大雑把に示すんなら「〜行のあたり」と、最初ッからアバウトに書いとくつぅのはいかがでしょ。
 次から大目に見ますんで、私の綴りミスも大目に見てください…なんちゃって。(ダメだろうそれは)

> 『ベオウルフ』の詩が、この字句と品質でもって成立したのも、また書記によって書き留められたのも、紀元1000年頃だとしているようです。

 ベオの入ってるコットン・ヴィテリウスAXVって写本は、前半が12世紀半ば、後半が10世紀ごろ、らしいですね。
 もともと別の写本だったものを、ロバートって人が繋げて作った、複合写本なんだとか。で、ベオは後半の部分に入ってるらしい。

 でもまぁ、私、羊皮紙の本なんて実際触ったこともなけりゃ、読んだこともなし、まして一ページずつ詳しく分析なんて出来ませんしね。
 ソルケリンさんの写したものを参考にして補ったら、今のテキストになったんだと。で、そこの部分は自分ではツッコミ入れられないので、信用しようと。

 つか、市販の本はたぶん、全世界どこでも行数は同じだと思います。
 でないと学者同士、話も出来ない。
 e-テキストが特殊なんだと思います・・・。

投稿時間:2003/02/26(Wed) 01:33
投稿者名:jinn
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タイトル:
老婆心とグリムの『チュートン神話』について
> > あの、きよさん。
>  何でも、そんなに過敏に捉えないでくださいよ。他意ははないですから。jinn さんにも、失礼な形で伝わったらお詫びいたします。

いえ、ボクは新しい解釈が伺えて面白かったです。こちらの反応もきよ様に誤解されてしまったかと思って恐縮しております。

>  ストーリーラインの部分は、jinn さんには、釈迦に説法だとじゅうじゅう―ですが、

いえ、お釈迦ではなく、一介のjinnですので、いつランプの中に閉じこめられるかとビクビクしている程度の存在ですから(笑)。
こちらとしましては、きよ様の解釈自体がボクのものとは異なっていると言うことがよくわかりましたので、大変有意義に思われました。

>  また、箇所が飛び飛びですし、ややこしい。それに、jinn さんのご返答にも現れているように、その解釈はかならずしも統一されていません。
ボクには新説だったのですが、きよ様の解釈は、きよ様の典拠となさっているネット上のテキストサイトの解釈とも異なっておりまして故、なぜそのように思われるのかわからず、お伺いしたつもりでしたが・・・?

>  言わんとしていたのは、「ここは日本語の掲示板ですから、岩波本ないしの行番を書くのが当然でしょうが、そうした邦訳を持っていないので、便宜上 heorot.dk の電子版の行番を引用します。1,2行行数はズレ込みがありますが、悪しからず」と、そんなとこです。

ここについては既に岡沢 秋さんがNo.1088でお答えなさっていらっしゃいますが、ボクもちょっときよ様の意図が理解できませんでした。
>
>  岡沢さんは、おそらく、あまりご存知もご興味もなかろうかと思いますが『ベーオウルフ』は、じつに幾つもの現代英訳があります。スレードさん以外にも、散文訳も二以上あり、詩訳も複数あり、以前、2つのバージョンを見比べるとたしか行番も違いました。ちゃんと調べれば、邦訳と一致するのがどれだかわかるでしょうが、それについてはうとい+面倒くさいんで、わかってません。

↑ここは、余り意味のないexcuseかもしれませんね。現代英語訳がいくつもあるのは事実ですが、敢えて「二つ以上あり」などと書く意味もないのでは? また岡沢秋さんに「興味もないかもしれませんが」と断りながら、相手に興味がないのであれば、さらに書く意味も薄くなる文章を続けるのでは、きよ様のせっかくの相手に対する思いやりも伝わらなくなるように拝察致します。失礼を顧みずに敢えて言わせて戴くと、このような意味不明の言葉はネット上では時々誤解を生むかも知れませんね。老婆心ながら・・・。
>
>  最近では、シェイマス・ヒーニー(アイルランドの詩人・1995年ノーベル賞)の現代訳がありますし、去年だったか、J. R. R. トールキンの訳も発見されたそうなので、それもそのうち日の目を見るかもりれません。

そうですね。トールキンのは本当に楽しみな話題です。

>  あと、恐縮ですが、私は言語学専攻などではなく、ドイツ語はほんのかじった程度ですから、グリムを原語でなんてとても読めません。グリムは、英訳のものがネットにあるので、それを拾い拾い読んでます。古アイスランド語やフェロー語だって、例の Zoega のオンライン辞書とかを検索しながら、四苦八苦しながら、調べています。

そうだったのですか。それは存じ上げず、失礼を致しました。グリムの_Teutonic Mythology_がネット上にあるのは全く寡聞にして知りもしませんでした。それはStallybrass訳(1883-88)に基づいているのでしょうか?
あれは大変難しく、ラテン語の部分などもボクなどはゆっくりとしか読めず、いろいろな方の教えを受けながらしか進めません。あれを拾い読みができるというのでしたら、もう十分素人ではありませんでしょう。
岡沢 秋さんとも異なり、ボク自身はあの著作は素晴らしいと思っております。以前にもカキコしましたが、それでも、時々グリム特有の過度の先入観に基づく解釈も散見されるので、注意しながら引用する必要があると思います。とはいえ、by half のような例もあることですから、英語も熟語は難しいですね。特に、19世紀の英語は21世紀の英語とも細かいところで異なりますから。
また、フェロー語とアイスランド語はやはり異なる言語ですので、できれば、フェロー語辞書をお使いになることをお薦めします。

>  jinn さんにおいても、何かとつっかかっるようでご無礼がありますでしょうが、それはド素人の恐れ無しの行為として、何卒ご鷹揚に宜しくお願いします。
ボクとしてはきよ様のネット情報収集能力の高さは尊敬しております。ど素人とは決して思えません。掲示板の書き込みなどを読ませて戴いて、言語学についても広い知識をお持ちの方と拝察しておりました。
ただ、情報を受け取ることと、それをどのように理解するかは、多少異なる技術と言いましょうか、考え方も必要かも知れないとは思っております。
ボクは、中世北欧への理解を深めたい、そしてその喜びを分かち合いたいという望みを持っているだけのただのjinnですから。決して「鷹揚」などという態度を持てるような偉い人ではありません。

投稿時間:2003/02/26(Wed) 23:54
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
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タイトル:
なんかスンマセン
 魔jinn様にはいつもお世話になっとります。
 フォロー入れていただいて、スンマセン。何を怒っとるんだコイツは、という感じだったかもしれないんですが・・・・

 多分、よその掲示板なら、きよさんのような書き込みもオッケェだと思うんです。ある程度。

 でも、私は、自分のサイトを「全くその物語知らない人から、読み込んでいる人まで幅広く楽しんでもらえるサイト」にしたいと思ってて、特に、「今からハマる人」を大事にしたいんです。

 だから、きよさんくらいの人なら既にご存知のことでも、いちお、簡単なとこから分かりやすく書いていただけると嬉しいなぁ…と。

 英訳の話出されても、私もわからんですし、ここの掲示板を見てる人(大半が初学者です。)も分からないので。

 誰に向かって書いてるつもりなのか…ちょっと立ち止まって見直してほしかった。とか偉そうなこと言って、自分も時々わけわかんないこと書いてますけど(^-^


 グリムのチュートン神話、理解して、どこがおかしいの何のいえるほど、私は詳しくないです。
 ただ、読んだとき、すっげー面白くねぇ! と、思ったので…。
 面白い/面白くない、というのも相当アバウトな表現なんですが、グリムの視点は自分とは合わないなと思いました。

 もう一つ別に、きよさんが以前紹介してくださった、マッケンジーの「ゲルマン神話」、これも、文章自体は読みやすいんだけど、話が自分の考えてるものと合わない。

 神話の解釈に間違いも正解もないんだろうけど、自分とは合わない…。面白くない…。受け入れられない…。

 っていう気がしたんです。

投稿時間:2003/02/27(Thu) 00:22
投稿者名:jinn
URL :
タイトル:
Re: いや、それはないっすヨ(笑
>  フォロー入れていただいて、スンマセン。何を怒っとるんだコイツは、という感じだったかもしれないんですが・・・・

いや、それはないです(タイトルの主旨です)。ここは岡沢 秋さんの
掲示板ですから、ご趣旨にそぐわないことはばんばんはっきり言う方がいいと思いますし。却って、申し訳なく思っております。全然フォローになってないじゃねぇかって(T_T)

> 特に、「今からハマる人」を大事にしたいんです。

これってすっごい大切なことだと思います。最近は特に。ええ。 
なんだかわけのわからないことを話している、というのは、ボクもあまりスキではありません。
個人的な話ならばメールがあるし、共感を求めて、あるいはより多くの人と意見交換をするのが、岡沢秋さんのスタンスだと思うのです。
ボクも、あまり文法などをくどくど言うのは実はスキではありませんし(爆)

>  英訳の話出されても、私もわからんですし、ここの掲示板を見てる人(大半が初学者です。)も分からないので。

そうですね。『ベーオウルフ』の現代英語訳について、あれこれ書いても何にもならんですね。Warhornさんが『シズレクスサガ』の英訳をお読みだったので、ボクもそれについて言及しましたが、やはり話はサガの内容についてしたかったのは本当です(^^;;;
別スレッドで岡沢秋さんが仰っていらした「楽しい」という感情は、やはり物語を読んで、面白くて、初めて味わえると思います。

>  グリムのチュートン神話、理解して、どこがおかしいの何のいえるほど、私は詳しくないです。
>  ただ、読んだとき、すっげー面白くねぇ! と、思ったので…。

う〜む、そうでしたか。確かになんだか学術的な感じがするかもしれません。それについて、もうちょっと実はここが面白いんだぁとかいうところも、別スレッドでお話ししたいですね〜(^^;; 結構岡沢秋さんとも通じるところがあるようにも思えたところもあるので・・・。
とはいえ、岡沢 秋さんがグリムのあれをどのように知ったのか、その経緯がわからないと、これもすれ違いになる気がしますので、今はやめておきましょう。
>
>  もう一つ別に、きよさんが以前紹介してくださった、マッケンジーの「ゲルマン神話」、これも、文章自体は読みやすいんだけど、話が自分の考えてるものと合わない。

実は、マッケンジーさんの御本については、ボクのサイトでも以前だいぶ否定的な評を書いてしまいました。今は少し和らいだ表現に直しましたが(?)
個人的には19世紀の人たちの考え方とか理解の仕方とかを知ることができる、という興味はあります。神話物語自体は共感できる部分は少なかったかも知れませんが。

なにはともあれ、肩から力を抜いて、楽しいお話(議論?)をしたいですものね。ボクも、遅れているスノッリのエッダの方に戻ろうと思います。

投稿時間:2003/02/27(Thu) 21:58
投稿者名:Warhorn
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わははは
> そうですね。『ベーオウルフ』の現代英語訳について、あれこれ書いても何にもならんですね。Warhornさんが『シズレクスサガ』の英訳をお読みだったので、ボクもそれについて言及しましたが、やはり話はサガの内容についてしたかったのは本当です(^^;;;

どうもスンマせんです。いや実は私は絶対ウソといわれそうなんですが、語学部出身なんすよ・・・で、ついつい・・・ってのはウソで、言葉とか単語とかの語義なんかにちょっと考えをめぐらすってのが面白い派だったりするんです。例えば借用語とか調べると人の流れやその時の歴史の事件なんかが保存されていたりして、ちょっと歴史のタイムカプセルで浪漫を感じたりします。ということでノルマン・コンケストなんか大好きですね。

う〜ん、私もちょっと暴走派?でも雰囲気一応見ているつもり・・・。

こちらのサイトはストーリーをたのしもうってスタンスってのは重々承知しておりますので〜。

正直な話、邦訳がもっと増えて欲しいですよね・・・<がんばれ日本の北文学者せんせい

投稿時間:2003/03/10(Mon) 16:17
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
アーケン石は本来、白か
* まとめてスレッドとかを見ていますが、いずこかでJINN さんが私に問いかけたままそのままになっているとありましたが、それは、この−「エオルカンスターン」については、ベン・スレード氏のオンライン訳『ベーオウルフ』で「ミステリアスな石」と訳しているのに、何故、私は「特定の種類の石だ」などと言うのかという問い−のことではかと思います。まるでスレード氏が書いたものならば、私が金科玉条のごとくとるかのように言われると苦笑しちゃいますけど。

 JINN さんは、「エオルカンスターン」は「高価な石」の意味である、とおっしゃいました。これは、まっこうから否定するわけではありません。
 事実、よくみるとグリムも『チュートン神話』「第37章第2節:石」http://www.northvegr.org/lore/grimmst/03705.html で古英語の「eorcan-sta^n」は、「Codex Exoniensis (エクセター本)」の 73, 27. 238, 12. 478, 7で」では一般的な「貴石」という意味で使われると書いています。(ただし、これじゃ何とという詩かわからんので未チェック)。

 ですが、私が糾したかったのは、「アーケンストーン」は、「貴石」 (precious stone) という意味なんだよ、と言ってしまうと、それじゃ、ダイヤも、カーバンクルもヒヤシンスもなんでもかんでも「アーケンストーン」なんだ、となってしまいますが、果たしてそれでいいのかという疑問です。
 本来は、「特別レアでスペシャルな宝石」にだけこの呼び名を与えたのではないかということです。

 スレード氏がここの箇所についてどういうお考えなのか、意見を仰いでませんので、断定はできませんが、スレードさんが、「ミステリアスな石」と訳していることや、「伝説にでてきそうな、エギゾチックな宝石を指すようだ」だとか注釈しているということは、やっぱ「すごく特別な石」という含みがあるかに見受けられます。
(私は、"arcane な(神秘的な、謎めいた)"にひっかけたダジャレだなどとは、思いもよりませんでしたよ。)

 根拠ですが、「アーケンストーン」(北欧やドイツの同源語をふくめて)の出どころをみていくと、やはりある特別な鉱物に対してもちいたのではないか、そして、それはとある「白い鉱石」ではないのかというパターンというか手がかりのようなものが見受けられるからです。

 まず前出グリムの『チュートン神話』「第37章第2節:石」 http://www.northvegr.org/lore/grimmst/03705.html では、ドイツでは
>「エルハン・シュタイン」は、..別名「ヴァイゼ(孤児)」と呼ばれ、楕円形の乳白色のオパールを指し、それはドイツの王冠をも飾るほどに貴重だった。としています。

 北欧の例に移りますと、まず、岡沢さんも挙げてましたグズルーンとショーズレク(シズレク)の不倫が問われる『グズルーンの歌III』では、第9節で「イアルクナステイン」と呼ばれる石は、第3節では「白い聖なる石」と形容されています。
 そして『ヴェルンドの歌』では、王子らの眼球からこさえたことになっていますから、つまりはやはり「白い」のではないか。

 さらには、アイスランド語源辞典らしき『or∂sifjabo'k)』とかいう書物から、二つの語源説を引用しているそうですが、一説によると、「*arg」 =「白い、明るい」という語幹から由来し、ラテン語のアルゲントゥム(「銀」)などもこれに由来する、とあるそうです。私はこの書物にアクセスあるわけではないですが、"Chemistry" http://www.geocities.com/nyyrdasmidja/Scheikunde.html のページ(元素にどういうアイスランド語名をつけようかという記事−英文)でこの辞書が引用されています。

 どうでしょうか、『指輪物語』の前作『ホビットの〜』でトールキンが「アーケン石」を特に「白い石」に設定したのも、故あってと思えてきませんでしょうか。

 それから、JINN さんが質問されてましたが、グリム『チュートン神話』の英訳は、Jacob Grimm 著 <i>Deutsche Mythologie</i> 第4版から英訳、訳者: James Steven Stallybrass, 1882-1888 年。(全四巻)かと思います。www.northvegr.org のオンライン版には訳者の名くらい掲載すべきでしょうね。メール打っときますか。

 またグリムとか出すんか、とかイライラかとも思いますが、岡沢さんがグリムのこの作品を「すげーつまらねー」と感じたことについては遺憾ですが、自分は「すごくオモロイ」と思っています。まあそりゃ、万人向けではないですね。
 ヴィクトル・リュードベリの『ゲルマン神話研究』も、名前出しただけでヴァイオレントな拒否反応だす人が英語圏の掲示板などにはいます。「リュードベリの邦訳はないようですが、それに近い粗筋のものとしてマッケンジー著『ゲルマン神話』がありますよ」という形でご紹介したと思います。
 「こんなん私の知っている北欧神話じゃない」的なリアクション
もわかりますが、リュードベリの方を読むと、典拠を出しているので、その北欧神話「外伝」(ある人に言わせれば「外道本」?)の出どこの多くが、サクソ・グラマティクスの『デーン人の事蹟』だったりすることがわかります。
 グリムもリュードベリも、かなり穿った解釈をする点では共通していますが、「そこには何かある」と思わせられることが多いですね。

投稿時間:2003/02/09(Sun) 13:46
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
シュルダルよいずこへ?
>  なんで郵便局なんだろう? と思ってたんですが、郵便局で配ってるんですかコレ。
 フェローの郵便局で、バラードをモチーフにした記念切手を販売しています。『スクリュムスリ(怪物)』や『ブリュンヒルドのバラード』などです。『巫女の予言』のも出るとか。

>  とりあえず…「あらすじ」が、知られているニーベルンゲン伝説とほぼ同じだな、ってことは分かりました。
 大筋は同じですが、『シドレクスサガ』と同じく、かならずしも人気者ではなく、喧嘩っ早いところがある、とか、『ヴォルスンガサガ』にはないシーン(母親が遺品を見せる)、また、異なる設定(馬のグラニを選ぶからくりが少し違う) 。

あと、「エピソード別 名前変換表」(www5b.biglobe.ne.jp/~moonover/2goukan/name.htm )にあった、
シュルダルの綴りのひとつ Sju'r∂ar [Sj&uacute;r&eth;ar] はどこかに消えてしまったんですか?

 フェローのバラードのつづりは、そのうちもう少し突き止められると思います。
 ホグニは、[H&oslash;gni]と「斜めに串刺しになった"o"」が入っています。

 『シドレクスサガ』の固有名も、Bertelson 本から写してきてるので、別項立てて報告いたします。

 

投稿時間:2003/02/09(Sun) 16:06
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
シドレク名前・アイテム名
---------------------------------------------------------------
資料:
以前に触れましたように―

『シドレクスサガ』
(&THORN;i&eth;riks saga af Bern)』
Henrik Bertelsen 編
コペンハーゲン: S.L. M&oslash;llers bogtrykkeri社 1905-11.

---------------------------------------------------------------から*手打ち*で入力したものを使ってます。

そのリストのとりあえずバージョンですが、名前リストを
http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/myth/thidrek/thidreks-namelist.htm
にアップしときました。

さて「エピソード別 名前変換表」(www5b.biglobe.ne.jp/~moonover/2goukan/name.htm )
ですが、以前『シドレクスサガ』のつづりとして私が出した情報の追加・訂正です:
---------------------------------------------------------------
グリムヒルド (Grimhildr, Grimilldr; Grimilldr,Grimhilldr)
シグルズ (Sigur&eth;r)
ブリュンヒルド (Brynilldr, Brynhilldur)
ホグニ (Hogni, Haugni, H&oelig;ni; Haugni; Hogne)
アティラ (Atila, Attila)
シドレク (&THORN;i&eth;rikr, &THORN;i&eth;rekr, &THORN;i&eth;r&aelig;kr)
ヴェレント (Velent. ヴェーリングどもは彼をして Volundr と呼ぶという箇所もあります。)
ニズング (Ni&eth;ung)
エルミンリク/エルメンリク (Erminrikr, &AElig;rminrikr; Ermenrikr, &AElig;rmenrikr)
---------------------------------------------------------------

* あと、ニズングの行に「ベーオウルフ」のウェルンドがまぎれてますが、ニズングは「ベーオウルフ」登場しないと思います。
 しかし、中世イギリス8世紀「ワルデール」の断片(?)(正式和名不詳。テキストは http://www.fh-augsburg.de/~harsch/anglica/Chronology/08thC/Waldere/wal_frag.html などにある)では、ウェランド(Weland) と ニーズハド (Nidhhad)、またウィディア(Widia; ウェランドの子)などが登場します。剣ミームングも。

主要アイテム目録 www5b.biglobe.ne.jp/~moonover/2goukan/deat/item.htm

ミームング (Mimungr)
(中高ド M&icirc;minge, Mimminc, Mimminge)
勝利の石 (sigr steinn)
翼の衣 (「ヴェルンドの歌」 "エルフの皮/衣" &aacute;lfarhamr, -hamir[複数形])
(「シドレクスサガ」 "羽の衣" fia&eth;rham(r), "飛翔の道具/からくり" flygil)
ナーゲルリング (Naglringr, Naglhringur)
     (中高ド Nagelring, Naglering; Nagelrinc, Nagelrinc 「ビテロルフ」、「ラウリン(小・バラ園)、「(大・)バラ園」)
ヒルデグリム (Hildigrimr)
(中高ド Hildegr&icirc;m, Hildegrin 『ビテロルフ』『エッケの歌』)
リスペ (Rispa)
ブルトガング/ (Blodgang, Blodgaang)
スケミング (Skemmingr)
白い盾 (skioldr hvitr) 古アイスランドだとこうなる?→ "skj&ouml;ldr(-inn) hv&iacute;ti"
テキスト [139.<sup>2</sup> (80)]
>Sa skioldr var hvitr oc skrifat a me&eth; rav&eth;om steini hamarr oc tong firir &thorn;vi at smi&eth;r var fa&eth;ir hans.
>J theim skildi ovanver&eth;om varo .iij. karbvnkvlus steinar.
異本テキスト[139<sup>a</sup>]
>skiolld .. hann var hvitur og aa skrifadur med raudum lit hamar og taung fyrer thui ath smidur var faer hans. J [&thorn;eim ski&oslash;lld ofanverdum sotdu
iij Carbunculi | that merker hans moderni.
[* その他低は白く、紅い石で金槌と金ばさみが描かれたていたが、それは彼の父が鍛冶師であったからだ。盾には3個のカーバンクルが象嵌(?)されていた。]
赤い盾 (skiolld raudur) 古アイスランドだとこうなる?→ "skj&ouml;ldr(-inn) rau&eth;i"
テキスト[[20. Captitule 32. <sup>a</sup>]
>Thridie skiolld sa er mikill og hardur og raudur sem bl&oacute;d og aa dreigit leo med gulli.
[* 盾は大きく硬く血のごとく赤く、金で獅子が描かれていた]
ファルケ (Falka)
エッケザックス (Ekkisax, &AElig;kkisax)(中高ド Ecken sahs, Eckesahs 「エッケの歌」、「ラウリン(小・バラ園)」)
小人の指輪 (-独のみ-) (中高ド guld&icirc;n vingerl&icirc;n "金の指輪" 「ラウリン(小・バラ園)」)
姿かくしの頭巾 (-独のみ-)(中高ド tarnkeppel&iacute;n "身隠れの小頭巾" 独 Tarnkappe 「ラウリン(小・バラ園)」)
小人のバンド (-独のみ-)(中高ド guertel&icirc;n von zouber "魔法の帯/ベルト/バンド" 独 Zauberg&uuml;rtel 「ラウリン(小・バラ園)」)

投稿時間:2003/02/10(Mon) 10:45
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
URL :
タイトル:
出来ればご自分のサイトで
 やってください(笑 このテのネタは。

 間違いの指摘も、ありがたいですが、その指摘自体が間違いだった場合は速やかに訂正してくださいね。過去、ほったらかしにされた指摘もあったので。
(シドレクスサガは低地ドイツですか? とか。→その後なんの音沙汰もなく。いきなり古ノルド語になりましたよね…。
 きよさんは分かってても、私が混乱します^^;)


 細かいアイテムの列挙やっても、どうせ、つまんない自作小説のネタに使われるのがオチなんで、自分とこではやらないです。
 興味ないっというのもあるし。

 …あと、別スレで上がってた「ハイメ醜男説」なんですが、手が何本も! とかいうのは、それは”醜い”という話じゃないと思います…。

 化け物じゃないスか^^;

 醜いというのが「カッコ悪い」という意味での醜いだったら化け物も入るかもしれないけど…。

 ぶっちゃけ、人に指図されてサイト作るのも、自分に扱いきれない資料を無理に扱おうとするのも嫌なんです。

投稿時間:2003/02/11(Tue) 15:54
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
『シドレクスサガ』の成立の由来
 でしゃばりぽかったらすみません。自分としては、[掲示板」という半公共的な場所に、調査した生データを中間報告的にぶっちゃけただけのつもりで、これを岡沢さんのサイトに反映してくれ、とかそういうプレッシャーをかけてるつもりはないんです。ほんとです。

 だから掲示板に貼っつけた綴りとかのデータが、掲示板で朽ちるならそれはそれでよいと。しかし、有用と思う方もおるだろうと。

>  間違いの指摘も、ありがたいですが、その指摘自体が間違いだった場合は速やかに訂正してくださいね。過去、ほったらかしにされた指摘もあったので。
 うーむ。そういうこともあったかもしれません。間違いとかは、気づき次第で、ある程度タイムリーにご報告しているつもりではありますが。

> (シドレクスサガは低地ドイツですか? とか。→その後なんの音沙汰もなく。いきなり古ノルド語になりましたよね…。
>  きよさんは分かってても、私が混乱します^^;)

 これは、いささか心外です。『シドレクスサガ』の成立の由来については、回を重ねて異なるアングルで説明しましたつもりです。

 低ドイツについては、何も残っていないのだから、口承文学ではあったとか、低ドイツ歌があったとかいうのは、憶測の域を出ていないから、あまり話を展開できなかいとも思いますが。

 『シドレクスサガ』が成立したなりゆきについての説明(Peter Paul Koch 著)を和訳している私のサイト上ページは(直飛びですと)
http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/myth/thidrek/thsj.htm
です。
 これを、ご丁寧にお読みになっていただけるなら、かなり状況は把握できると思いますが、かならハマっているんでなければ、結構つまらないページなんで、「ちゃんと読め!」とはとても言いかねますから、かいつまんで説明(あと、その後、徐々にわかってきたことも織り込みます):

 『シドレクスサガ』は、ノルウェーの王様であるハコン四世が命じて作られました。13世紀のことです。
 当時、この国で使っていたのはノルド語で、アイスランド語に近かった(のちのノルウェー語はだいぶデンマークが入ってしまっている)。

 さて、サガの物語のネタが取材されたのは、ドイツ北部のブレーメン市とゾースト市の周辺とされています。
 ここいら北部で当時しゃべられたのは、低地ドイツ語。おそらく。根拠=フルダより北だから。(∵フルダで書写された『古ヒルデブランドの歌』は「低ドイツ語の読者向け作品」)。

 ここで、最近を目にして感じたまでをひとつ言いますが、『シドレクスサガ』のテキストというのは、アイスランドのサガのテキストより、かなり[ドイツ語っぽい」です。

 さて、この『サガ』がどのようにして書かれたという問題に戻りましょう。詳しい成立の過程など、どの記録にも残されていないはずです。
 しかし、大まかにいえば次のいずれかと考えることができるでしょう。

 A) ドイツ詩歌を諳んじることができる吟遊詩人を、ノルウェーに
招聘してインタヴュー。あるいは記録係をドイツに派遣。
 集まったばらばらの歌を元に、ひとつの散文物語に書き直せ(自国語で!)と命じた。
B) もともとドイツ現本なる代物が存在していて、ハコンはそれを単 にノルド語に翻訳させただけ。

 前者だとハコンの功績が大きい事になりますが、いや、ドイツ現本は存在したんだとするHempelちゅう学者さんとかが、おられるわけです。しかしそんなもんは、断片としても現存してもんじゃござんせん。
 *もし*、この学者さんが正しければ、そのドイツ現本なるものはゾーストで成立した(おそらく低ドイツ語本)が存在したことに!

 しかし、現存するのは古ノルド語、古スウェーデン語、古アイスランド語の写本のみです。

 古ノルド語本の破損・脱落・異同箇所とかがあるので、完全な『シドレクスサガ』も複数の写本からフランケン(合成)本を作ることになるわけです。よって編者によって、ずいぶんと違った本ができます。

 『シドレクスサガ』における綴りは、こういう問題も関わってきて、ややこしくなるわけです。

>  …あと、別スレで上がってた「ハイメ醜男説」なんですが、手が何本も! とかいうのは、それは”醜い”という話じゃないと思います…。
>  化け物じゃないスか^^;
>
>  醜いというのが「カッコ悪い」という意味での醜いだったら化け物も入るかもしれないけど…。

 グリムが、複数の手の属性は(ゲルマン・チュートン)の神族には
見られないが、英雄ハイメには見られる、ということを書いてたんです。
 あと、ベルセルケル(バーサーカー)の父だという Starkadder [英]が、八本の手を持っていたとか→典拠がわからないです(涙)。

>  ぶっちゃけ、人に指図されてサイト作るのも、自分に扱いきれない資料を無理に扱おうとするのも嫌なんです。
 けっして指図はいたしません。100分の1お使いになろうと、シカトされようともお恨みいたしません。(笑)。
 そんなにご迷惑とは思ってもみなかったもんですが、わずらわしいようでしたら、「シドレク名前・アイテム名」のやつは削除していただいても構いません。

 ニーズハズの行に Weland が混じっていたのは、単純ミスのようなので、ともすればツッコミ専用のBBSに書くべきものでした。
 以前、そちらを利用させていただこうと思ったら、3連投稿禁止と1000字以内制限が違反でダブルイエローカード。いっきに神格上げようと思ったのに。(笑)

投稿時間:2003/02/11(Tue) 22:39
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
URL :
タイトル:
基本的な話が通じてないっぽいんです…。
>  だから掲示板に貼っつけた綴りとかのデータが、掲示板で朽ちるならそれはそれでよいと。しかし、有用と思う方もおるだろうと。

 アイテムの羅列とか、ストーリーの要約とかは、この掲示板には投稿して欲しくないです。
 そんな、断片的な情報しか欲しがらない人は相手したくないです。
 つまんない。

 きよさん一人だと、まだよいですが、これを複数の人にやられると、
某大手神話サイトの掲示板みたく、どーでもいい奴ばっか出入りする、よろしくない掲示板になると思われるので、ヤなのです。

 しかも、投稿内容はすべて、自分のサイトの領域中から発信されているものなんだから、自分、いちどは内容に目を通さないといかんでしょう。
 時間かかるんですよ…長いと。
 そんで、なんかヘンなこと言ってないかどーか、自分なりに考えたりしてるんですよ。

 なので、そもそも、読めない言語を出されると、自分では判別できないんですねー^^:

 ばしばしリンク貼られて、その中に資料として相応しくないページ混じってたとしても、チェックしきれないっていうのもある。

 で、私自身のスタンスとしては、個人のウェブサイトの情報は、元になった資料本がはっきりしてない限り、信用出来ないと思ってますので^^;

(なので、主にウェブサイトから資料を引っ張り出して、本はあまり参考にしていないと思われるサイトさんは…前提として、最初から疑ってかかっているところがあります。)


> (シドレクスサガは低地ドイツですか? とか。→その後なんの音沙汰もなく。いきなり古ノルド語になりましたよね…。

>  低ドイツについては、何も残っていないのだから、口承文学ではあったとか、低ドイツ歌があったとかいうのは、憶測の域を出ていないから、あまり話を展開できなかいとも思いますが。

 っていう話が出てこなくて、過去のレスは、そのまんま流されたんですよ…。分からないなら「わかりません」って言ってくださいよ…。

>  これを、ご丁寧にお読みになっていただけるなら、かなり状況は把握できると思いますが、

読ませていただいたことがあるんですが、どうも基本的なところで自分と話食い違ってるっぽくて、理解出来ないんですよ…

>  さて、サガの物語のネタが取材されたのは、ドイツ北部のブレーメン市とゾースト市の周辺とされています。

これは確定ではないし、ブレーメンはベルンに名前が似ているからどうだとかいう話でしたよね?

ディートリッヒの伝説は最初、ドイツ南部で作られたものではなかったですか?


>  ここで、最近を目にして感じたまでをひとつ言いますが、『シドレクスサガ』のテキストというのは、アイスランドのサガのテキストより、かなり[ドイツ語っぽい」です。

>  さて、この『サガ』がどのようにして書かれたという問題に戻りましょう。詳しい成立の過程など、どの記録にも残されていないはずです。

 「ニーベルンゲンの歌を読む、という文庫本(講談社)には、こんな記述がありました。

 『…原型はドイツ語で記されていない。しかし歌謡として北欧に伝わり、ノルウェーのベルゲンにいるザクセン商人たちの間で謳われているうちに、それを聞き知ったアイスランド人が1250年頃に、古ノルト語の散文で書き留めた。それが現在、ティードレクス・サガと呼ばれている作品である』

 この本はニーベルンゲン伝説の成立についてを説明してる本なので、シドレクス・サガそのものというよりは、中に含まれるニーベルンゲン伝説に焦点を置いてるわけですが。

 ドイツ語のディートリッヒ伝説があるとしても、それは北欧に伝わったシドレクス・サガとは直接関係ないところで書かれた、現地のディートリッヒ伝説だと思います。
 だから内容に繋がり無くても問題なし。

 エッダ詩として含まれてる「ヒルデブラントの挽歌」で、ヒルデブラントが何でかフィヨルドで戦ってたりするのは、北欧に伝わったヒルデブラント伝説が、活躍の場所を地元にシフトしただけのものかな、と思ってみたり。(だからヒルデブラントは"フン族"呼ばわりされる。フィヨルドにフン族がおるわけないっちゅーねん)


> …あと、別スレで上がってた「ハイメ醜男説」

>  グリムが、複数の手の属性は(ゲルマン・チュートン)の神族には
> 見られないが、英雄ハイメには見られる、ということを書いてたんです。

相手がグリムですからねぇ…。
過去にグリム関係で、とんでもなくハズレな本をひいたことがあったんですよ。

elbowって、英和辞典ひくと「肘状のもの」という意味もあるんですよね…。

投稿時間:2003/02/12(Wed) 14:17
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
URL :
タイトル:
で、考えてみたんです…
 いつものパターンから行くと、きよさんが一日沈黙するときって、ネット上で反証とかバシバシ探してる時かなー、とか思いつつ。

 足りない頭で考えみました。「ハイメ醜男説」

 やっぱり、手が4本てのはおかしいです。
 ハイメ君、剣と盾はワンセットしか持ってないじゃないですか。4本あるなら、武器も当然、人の二倍持つでしょう?

で、中国の伝奇モノなんかだと、腕が4本ある人は、「人の二倍戦う」「倍も働く」っていう表現がくっついてくるんだけど、ハイメは「力が強い」というだけで、人と同じくらいしか働いてないですよね。

 私が知らないところで、上記のような表現があったとしたら、それは分からないですけど…人の二倍腕があって、人と同じだけしか戦功たてられないとしたら、実際は「弱い」ってことになっちゃう(笑)

 あ、もちろん、「腕か二本あるかのように、切りまくった」というサガによくある表現は抜きにして。

 なので…腕は二本だけど、力こぶが肘みたいに見えて、「肘4つ」という表現になったんじゃないかな、と。
 原語読めないので、あくまで、状況から考えた結果なんですが。

 浅知恵でスンマセン。

投稿時間:2003/02/13(Thu) 15:43
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
シドレクスサガと六臂
> >  さて、サガの物語のネタが取材されたのは、ドイツ北部のブレーメン市とゾースト市の周辺とされています。
> これは確定ではないし、ブレーメンはベルンに名前が似ているからどうだとかいう話でしたよね?
取材の地域がゾーストとブレーメンだとするその根拠は、掘り下げて調べてませんから、そういうことは言っていないと思います。

 ただ、そもそも私が訳したコッチさんのサイトの根底には、リッター=シャウムブルクの「ニーベルンゲン北方説」というのがあります。(要するに畿内説・大和説論争のドイツ版ですな)。
 でもって、リッター氏の主張は、ベルンがイタリアのベローナじゃなくて、ドイツのボンだとしてたのです。たぶん、そちらのご記憶なんでしょう。

 ただ、ひとつ思い当たるのは、『シドレクスサガ』ではアッティラの王とは「スーサト」、ドイツ読みだとズーザットと呼ばれ、これはゾーストに比定されるんですよね。

> ディートリッヒの伝説は最初、ドイツ南部で作られたものではなかったですか?
 「最初」というと、どこを指すか判りませんが、口承文学とてはもしかすれば南方のほうが早いかもしれませんが、確たることは言えないのではないでしょうか。
「ラウリン」あたり、わりと後期の作と思われるものでしたら、たしかチロール地方の地元に伝わる話にある、とか、こちらでは山脈にさしかかる夕日のバラ色を「ラウリン王の花園」だとか呼ぶ、とかそういう考証がされるようですが。
 
>  「ニーベルンゲンの歌を読む、という文庫本(講談社)には、こんな記述がありました。

>  『…原型はドイツ語で記されていない。しかし歌謡として北欧に伝わり、ノルウェーのベルゲンにいるザクセン商人たちの間で謳われているうちに、それを聞き知ったアイスランド人が1250年頃に、古ノルト語の散文で書き留めた。それが現在、ティードレクス・サガと呼ばれている作品である』

 上は、ちょっとみたところコッチさんが書いて私が訳した情報と相反するような書き方ですが、私は、こう解釈します。ノルウェーにおいても、書記とか写本生とかの仕事は、けっこうアイスランド人が専門にやっていた。だからノルウェー王が、『サガ』作るって言ってライター募集したらアイスランド人ばっかだったてこと。
 上の講談社の書き方だと、そんじょそこらのアイスランド人が、旅路で聞いたものを、今だとフツーの人が旅行日記つけたみたいに書き留めたみたいですけど、それは無いでしょう。かなりの資力がないと、歳月費やして、高価な羊皮紙に美しく清書させるなんてできませんよ。

>  この本はニーベルンゲン伝説の成立についてを説明してる本なので、シドレクス・サガそのものというよりは、中に含まれるニーベルンゲン伝説に焦点を置いてるわけですが。

>  ドイツ語のディートリッヒ伝説があるとしても、それは北欧に伝わったシドレクス・サガとは直接関係ないところで書かれた、現地のディートリッヒ伝説だと思います。
>  だから内容に繋がり無くても問題なし。

>  エッダ詩として含まれてる「ヒルデブラントの挽歌」で、ヒルデブラントが何でかフィヨルドで戦ってたりするのは、北欧に伝わったヒルデブラント伝説が、活躍の場所を地元にシフトしただけのものかな、と思ってみたり。(だからヒルデブラントは"フン族"呼ばわりされる。フィヨルドにフン族がおるわけないっちゅーねん)

 場所のシフトは、ほんに、しばしばあることです。伝承しているうちにズレるんでしょね。
 和訳をアップしましたが、『セルリ(ソルリ)の小話』だと、ヘジンの出身はセルクランドで、これは(サラセンの地、北アフリカ)だと解されるらしいんですね。でも「セルク」は「ベルセルク」にも通じるから、元々は、やたらと毛皮を身にまとう蛮族の国とか。

> > …あと、別スレで上がってた「ハイメ醜男説」
> >  グリムが、複数の手の属性は(ゲルマン・チュートン)の神族
> > には見られないが、英雄ハイメには見られる、ということを書いてたんです。
> 相手がグリムですからねぇ…。
> 過去にグリム関係で、とんでもなくハズレな本をひいたことがあったんですよ。
 グリムに関連してどんなババつかまされたのか、判りませんが、グリムって、およそすべての文献に目を通しているなって、つくづく思います。
複数の手について(英訳:http://www.northvegr.org/lore/grimmst/015_14.html)は、かなり前のレスでハイモ/ハイメについて書いたと思いますが、前回判らなかったと言ったベルセルクの父スタルクアズについても、ここでグリムは触れてました。
 これを手がかりに、調べると、八手のスタルクアズという人物は、まず、『ヘイズレクとヘルヴァルのサガ』の、歴代の系譜っぽいくだりで多少ふれている QAutumns さんの、
http://members5.cool.ne.jp/~qautumn/CHRONICLE/mythology/saga/08_tlfng.htmlの『チュールの剣』には無い。

 あと、『ガウトレク(王)のサガ』に登場し、ソォール神はスタルクアズを何かと呪いをかけるが、オージン神は、これに何かと肩入れして恩恵をさずけるのです。(何でも、スタルクアズの父方の祖母が、アサ・ソォール=自分のことか?)と結婚するはずだったのを他に嫁にいってしまったとかで、今でも根に持ってるそうです。
 これをなぞるストーリーは、サクソの『デーン人の事蹟』にもあり、オーティヌス(オージン神)が、やはりスタルカテルス Starcatherus に肩入れして、並みの人間の3倍の寿命をもたらし、そのお礼としてスタルカテルスは、ヴィカルス王を血祭りにあげる。そしてトールス(ソォール神)は、ここでも、スタルカテルスに敵意をもっていて、ステルカテルスのもつ3対の腕から、4つの手をもぎとってしまうのだとか。

 あと、醜男については、ハーゲン/ハイメもそうだといわれる伝承があるそうです。
 これは、『ノルナゲストのリーマ』というフェローのバラードで少し触れているが、容姿のみにくくさじゃなくて「ヘグニの醜い面を見た」とも取れなくないのでむずかしいのですが、少なくとも、Smith-Dampier という英訳者は、ヘグニの醜い面というのは伝承であって、『ニーベルンゲンの歌』にも、その言及があるというのです。(これは調べたけど、grim , grimmig 和訳だと剛毅とか訳される、くらいしかなかったですが。)
 しかし、私がアップした『セルリの小話』の一番しめくくりのところでは、ヘグニ(シグルズ殺しのヘグニとは設定は違いますが)は、「目の中に《恐怖の兜》をもつ」、すなわち、それくらいいかめしい形相をしています。

 こういう、瞋目とか六臂とか、まるでインドですが、アーリア民族だから太古につながってるんでしょうね。
 ちなみに『小話(サットル)』というノルド語は、梵語のスートラ(経)と同源なのだそうです。原義は「糸」とかで、そのココロは、本というものは縫って綴じて冊子にしたから。だから「経」は糸偏なんでして、ちなみに英語でも縫合糸のことをスーチャーと言います。

投稿時間:2003/02/13(Thu) 16:39
投稿者名:岡沢 秋
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反証が…
 きよさんのサイト、フレームが多いので、ノートPCからだと文章読めない(笑
 んで、何かあっちこっちリンク切れてたり、「戻る」ボタン無かったりするんスけど、お気づきでしょぅか…。

>  ただ、そもそも私が訳したコッチさんのサイトの根底には、リッター=シャウムブルクの「ニーベルンゲン北方説」というのがあります。(要するに畿内説・大和説論争のドイツ版ですな)。
>  でもって、リッター氏の主張は、ベルンがイタリアのベローナじゃなくて、ドイツのボンだとしてたのです。たぶん、そちらのご記憶なんでしょう。

 今読み直してみましたよ。そういう話でしたっけ、忘れてました。
 ただ、ちょい言い訳すると、何で記憶があんまり残ってないかというと、その説の【根拠】が、あんまし詳しく説明されてないからです(笑

 ボンの昔の名前はヴェロナだった。じゃあ、ボンの周辺に、ディートリッヒ(シドレク)となるべき人物が存在したか?→答えはNoじゃないですか?

 サガに登場するすべての人物に、歴史上の実在がいるとは限らない。
 しかし、歴史上に何か出来事がなければ、発端となる物語(最初、とはこれを言ってます)が、作られるきっかけは無いわけでしょう。

 きっかけもなく、ある日の誰かの思いつきから、世代を越えて受け継がれるサガが生まれることは無いですから。人がそれを面白いと思って語り継ぐには、下地が必要なはずです。

 それから、そもそもの前提として、「ニーベルンゲンの歌」に登場する地理が最も正しく、「シドレクス・サガ」の地名は正しくない、なんてドグマは、存在しないかと思います。

 ニベ歌の元になってるエッダ詩には、はっきりした地名は数えるほどしか出てこないでしょう。メーリンゲンとかフェルゲンとかに当たる地名も出てこない。多くは、ニベ歌で初登場の地名でしょう。

 だから、ニベ歌の書かれた13世紀の詩人が付け加えたと地名なんだと思いますよ…もっと具体的に言うと、それを書いたとされる、オーストリア人の詩人の知っている地名だった、と。
 
 だから特定しやすい。
 改ざんとかそういうのではなく、自分の知ってる地名で物語に実在性を持たせようとする技巧だとフツー考えるのではないでしょうか…。

 英雄サガで地名特定しようとするのが、そもそも無駄なんじゃないかと。(語る人の好みで、自分のご近所の地名に置き換えるもんでしょう? お気に入りの登場人物を、自分とこの出身者にするために…)

+++
 シドレクス・サガの書かれた場所等について。

>  上の講談社の書き方だと、そんじょそこらのアイスランド人が、旅路で聞いたものを、今だとフツーの人が旅行日記つけたみたいに書き留めたみたいですけど、それは無いでしょう。かなりの資力がないと、歳月費やして、高価な羊皮紙に美しく清書させるなんてできませんよ。

 とのことなんですが、ご自分の、前のカキコ見てくださいよ…

>さて、サガの物語のネタが取材されたのは、ドイツ北部のブレーメン市とゾースト市の周辺とされています。

 ↓
手持ちの資料では「ノルウェー」と書かれていた。

>A) ドイツ詩歌を諳んじることができる吟遊詩人を、ノルウェーに
招聘してインタヴュー。あるいは記録係をドイツに派遣。
 集まったばらばらの歌を元に、ひとつの散文物語に書き直せ(自国語で!)と命じた。

>B) もともとドイツ現本なる代物が存在していて、ハコンはそれを単 にノルド語に翻訳させただけ。

 ↓
どちらでもなく、口伝を持つ人々のほうからノルウェーにやってきて、そこでアイスランド語で書きとめられた。

 と、前回きよさんの書かれたことと、自分の資料と食い違ってるので、「何でやねん」と、言ってるのですよ^^;

 ザクセンの商人たちとアイスランドの商人たちがノルウェーで出会った。で、アイスランドの商人たちには、それを文字として書留める技術があった。
だから低地ドイツで取材したものでは無いし、ドイツに在った見本が輸入されたわけでもないらしい。と。


>> …あと、別スレで上がってた「ハイメ醜男説」

>  グリムに関連してどんなババつかまされたのか、判りませんが、グリムって、およそすべての文献に目を通しているなって、つくづく思います。

 で、「マイスター・ジンガー」ハンス・ザックスよろしく、全部まぜまぜにしちゃったんですね^^;

 ハイメに手が何本あろうと、不細工だろうと、面白いからお気に入りキャラであることに変わりはないのですが、いくらなんでも、4本手があって剣はディートリッヒにもらった一本だけです、てのは変ですよ。
 じゃあ、戦ってるとき、盾と剣持ってる以外の2本の手は、何をしてればいいんですか…。

 このテの英雄サガは、口伝が基本でしょう。琵琶法師みたく、語ってるまわりで、その場面を想像しながら皆で聞くでしょ。
 で、「勇士ハイメの外見説明!」てな段になる。
 いきなり「腕が4本。」→聴衆は当然、「その腕で何が出来るんですか」って質問するでしょう。なんもしてませんってことになったら、聴衆ガッカリしますって。

 インドの手がいっぱいある神様は、それぞれの手にちがう装備品持ってたり、その手のぶん鬼のように強いのが当然じゃないですかー。
 ハイメの残る2本の手が何してたかの説明が無いなんて、絶対ヘンだ!
 
 手がいっぱいあるならあるで、理由が無いハズがない。
 インド語族だからアリ、なんて、学者は認めてもサガの聴衆は認めないぞ。否。オレも認められん。(結局それか)


 あと、ハーゲンの「醜い」は、「怖い」「いかめしい」の意味だと思います。それが普通の感覚なんじゃないかなあ。
 ハイメの「醜い」も、おおよそその意味で、いかつい、普通の人間とは思えない、という意味だと。まあ側に美形の(で、何故かいつまでも若い)ディートリッヒがいるんだから、比べられてもしょうがないというか。

投稿時間:2003/02/14(Fri) 02:49
投稿者名:jinn
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タイトル:
Re: 反証が…
>  んで、何かあっちこっちリンク切れてたり、

あはは。これは同感ですねぇ〜。リンクをつけるのは難しいんですね。

>  英雄サガで地名特定しようとするのが、そもそも無駄なんじゃないかと。(語る人の好みで、自分のご近所の地名に置き換えるもんでしょう? お気に入りの登場人物を、自分とこの出身者にするために…)

これは岡沢 秋様の仰るとおりかと思いますね。ただ、自分の興味でこういう説があるとか教えてくださるのであれば、同じような興味をお持ちの方にはとても面白いと思うのです。
でも、学術的な意味合いは、当然薄くなります。他人の説を紹介するだけですから。それでもやっぱり紹介するという意味はあるので(何回逆接を続けるんだ、という感じですが)、わかりやすく整理してくださるのであれば、それはとても有り難いことだと、ボクなどは感じてしまいます。

> +++
>  シドレクス・サガの書かれた場所等について。
>
> >  上の講談社の書き方だと、そんじょそこらのアイスランド人が、旅路で聞いたものを、今だとフツーの人が旅行日記つけたみたいに書き留めたみたいですけど、それは無いでしょう。かなりの資力がないと、歳月費やして、高価な羊皮紙に美しく清書させるなんてできませんよ。

きよ様のイメージなさる「そんじょそこらのアイスランド人」というのがどのようなものかは存じませぬが、少なくともきよ様の考えなさるようには、学者たちは思っていないはずです。ちなみに、アイスランドでは羊皮紙は手に入りやすくありました。貴重ではありましたが。また、ノルウェーに来ていたアイスランド人の身分は「資力」はあったと思うのが普通だと思います。
いずれにしても、シズレクスサガを書いたのがノルウェー人かアイスランド人かという問題は、結論のでるものではなく(アイスランド人の学者はアイスランド人だとする人は多いですが)、ノルウェー人であった可能性の方がplausibleだという程度に留めておくのがよいと思います。

>  ザクセンの商人たちとアイスランドの商人たちがノルウェーで出会った。で、アイスランドの商人たちには、それを文字として書留める技術があった。
> だから低地ドイツで取材したものでは無いし、ドイツに在った見本が輸入されたわけでもないらしい。と。

これも、岡沢 秋様の書かれた↑のまとめが、最も受け入れられている説に近いと思います(アイスランドの商人かノルウェー人であったかはとりあえず問わないことにしましょう)。

きよ様のお書きになったものを全て読んでいるわけではないですが、岡沢 秋様が丁寧にまとめてくださったものを拝読しますに、いろいろな学説を、中途の理解で並べてしまっているように拝察致します。
エドワード・R・ヘイムズの英訳所収のIntroductionに依れば、シズレクスサガはハーコン四世(治世1217-63)の時代に彼のために書かれたということです。北ドイツ地方で編まれたという説もあることはありますが、サガ成立の経緯を考えるとき、ノルウェーで編まれたと考えるのが最も妥当で、自然だと思います。サガ編者は、自分の資料に基づき編んだとされ、その際、書物や口承を参考にしたと考えられます。

> >  グリムに関連してどんなババつかまされたのか、判りませんが、グリムって、およそすべての文献に目を通しているなって、つくづく思います。
>
>  で、「マイスター・ジンガー」ハンス・ザックスよろしく、全部まぜまぜにしちゃったんですね^^;

わはは。ここは岡沢 秋様に一本やられましたね。確かにグリムは多くの文献資料を渉猟しています。そして、グリムの言及が見過ごされすぎているという事実もわかりますし、そのことに対して、見直しを、と仰りたい気持ちはボクも共感致します。事実、ボクもずいぶんとグリムを参考にしてきました。けれど、ここの部分については、注意がやはり必要だと思いました。

> 4本手があって剣はディートリッヒにもらった一本だけです、てのは変ですよ。

ここは、文献資料を比較するときに、ferstrendrという形容詞の意味をきちんと理解する必要があると思うのです。これは古スウェーデン語資料とも一致すると思うのです。つまり、strendrは、albogaと同義の「尖った部分」という意味に解すればよいと思われます。それが四つあるわけですが、肩の部分に四つもでっぱりがあるというのは、やはりそれは筋骨隆々の意味だと思うわけです。背中の方まで筋肉ががっちりとついて盛り上がっている、と考えた方が文脈上自然だと思います。
別に「肘」と訳す必要もないのですね、このalbogaという単語は。

>  手がいっぱいあるならあるで、理由が無いハズがない。
>  インド語族だからアリ、なんて、学者は認めてもサガの聴衆は認めないぞ。否。オレも認められん。(結局それか)

あはははは。学者でも認める人はまれだと思いますよ(^o^;;;;

>  あと、ハーゲンの「醜い」は、「怖い」「いかめしい」の意味だと思います。それが普通の感覚なんじゃないかなあ。

実は、これはGrimrの意味ですが、やはり「醜い」という意味合いはあったと思います。けれど、それは現代の日本人が言う「醜い」という「醜悪」とはニュアンスが違うと思うのです。それこそ、鬼瓦、という名前を聞いたときに日本人が感じる風貌というか容貌というか、そういう感じのようにボクには思われました。

他にはスカッラグリームルの息子エーギッルもおり、彼は「父スカッラグリームルに似て」というようなことが書かれていたはずです。

なお、きよ様のカキコで「サーットルthattr」が、インドのスートラと語源が同じというところがありまして、実はこれは誤りであると申し上げたくてカキコをしようと思い立った次第です。
英語のsutureは、スートラと語源的に結びつくのは本当です。
しかしながら、アイスランド語のthattrは、ラテン語のtextや英語のtextureと語源を同じくするとは言え、スートラとは異なります。音声学的にそれは立証不可能だと思います。確かに元々は「編む糸」の意ではあります。しかし、英語のsewとweaveの意味が異なるのと同じようにスートラの語源とthattrの語源も異なるのです。

投稿時間:2003/02/14(Fri) 12:32
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
反証とか
>  きよさんのサイト、フレームが多いので、ノートPCからだと文章読めない(笑)
>  んで、何かあっちこっちリンク切れてたり、「戻る」ボタン無かったりするんスけど、お気づきでしょぅか…。
 そうですか。自分のノートPCからだと、かくべつ問題はないですが。脚注エリアとか、フレームの区切り方や、ノーフレーム版等ついては、まだ採用方式を模索・試行錯誤中といったところなので、ご辛抱を。
 リンク切れも、そのうちチェックしてみまし、サイトマップの階層や分割構造も練り直す必要はあるとは感じてますが。

>  今読み直してみましたよ。そういう話でしたっけ、忘れてました。
>  ただ、ちょい言い訳すると、何で記憶があんまり残ってないかというと、その説の【根拠】が、あんまし詳しく説明されてないからです(笑)
 ひとつ念を押しておきたいんですが、この『シドレクス・サガ』の要約コーナーは、コッチさんが作成したサイトを丸ごと日本語したものです。(だから、名前がほぼ全部ドイツ語化されている、等の特徴をそのまま残しています。)流用したんで、まあ、礼儀として、リッター説のところもやりのこさずに訳しました。
 ですが、それはリッター説を私が支持するということじゃありません。リッター説のとこを是非読めとも勧めません。このコーナーで、第一人称で書かれているのは、コッチさんの「声」であって私ではないことを念頭においてください。

 リッター説は、「畿内説・九州説論争のドイツ版」(←ここは「大和」じゃなく「九州」でした)―です。ドイツ人の掲示板などを覗いてみた限り、ドイツでも「そうだそうだ」と賛同する輩もおれば、「えー、そんなのめちゃくちゃウソでしょ」と当惑する人もいるんです。

>  ボンの昔の名前はヴェロナだった。じゃあ、ボンの周辺に、ディートリッヒ(シドレク)となるべき人物が存在したか?→答えはNoじゃないですか?
 テオドリック大王にとってかわる、北のそれらしき人物を候補に立てられないのは、この論の弱点であり、ドイツの掲示板でもたしか指摘されてました。
 ただ、ここであえて「悪魔の弁護人」として、代弁するならば、「ボンの周辺にディートリッヒとなるべき人物がいなかった」とは断言はできませんよ。それだけ言ってしまってキルと、単なるヘリクツになりますんで、ちょっと思いつくまでの範囲で少し説明します。
 まず、テオドリックというのは、そう珍しい名ではないこと。テオドリック大王と同期の、やっぱりローマの雇われ将軍に「ストラボ(ン)」(たしか=「すがめ/やぶにらみ」の意味)という人物がいます。この人の本名もたしかテオドリックだったはず。
 また、この名については、ヴィクトル・リュードベリが、解析していますが、古ノルド語形だと、「ショードレク」で、意味は「民を統べる(者)」です。本来のゴート語でもそれに近かったでしょう。リュードベリがいうに、これは名というよりタイトルであった。この人の幼年のなはハッディング等だったが、リーダーとなって王の資格をえて、はじめて「ショードレク」の号を名乗ることができたのだ、とかいう考察です。

>  英雄サガで地名特定しようとするのが、そもそも無駄なんじゃないかと。(語る人の好みで、自分のご近所の地名に置き換えるもんでしょう? お気に入りの登場人物を、自分とこの出身者にするために…)
 そりゃ、無理な部分もありますけれど、そうじゃないものもあります。
 『セルリの小話』では、ヘグニとヘジンの最初の対決場所は、「オージンス・エイ」(オージンの島)で、その何年も後でハー島(シェットランド諸島のホイ島)で決戦したことになっています。
 しかし『詩の語法』49章では、オークネイヤ(オークニー諸島)を経由してハー島で決戦があったことになっています。
 だから、可能性としてはオークニー諸島が→オージンの島に変わったかとの考察が可能。

> +++
>  シドレクス・サガの書かれた場所等について。
 この一連については、説は立てられますけれど、サガ作成の記録が残されているわけではないので、誰も断定はできないと思います。だから「これが真実だ」っていう純金24カラットみたいな答えは出せないと思うから、私としては、ファジーな把握でいいと思っています。
 元になったモノが、ザクセン地方だというんであろうが、ブレーメンやゾーストの町だって言おうが、低地ドイツ語圏だって言おうが、大体同じじゃないですか。

 私が、ここで用いている「取材」ちゅう言葉は、「そのドイツ語の元ネタから単に*材料を取っている*」という意味でつかっています。かならずしも「現地派遣」とか「現場ルポルタージュ」という意味じゃないです。
 で、言い方がまずかったかもしれませんが、より正確にいうならば、「ブレーメンかゾースト(ないしその半径何百キロかのエリア以内)のモノ(有形か無形文化財か)を取材(ネタ拾い)」して古ノルド語でひとつにまとめて書かれたのが『シドレクス・サガ』。
 
 伝道したのが、プロフェショルな吟遊詩人なのか・玄人肌の商人さんだったのか。(王が)招聘して来たのか・商用目的で来たから招かれてきたわけでないのだ。そういう区別はできましょうけど、trivial なことなのでさておくとします。

 また編纂を命じたものががノルウェー王ハコンIV世でなくて、正体不明のアイスランド人と言う人も言うかもしれません。そうでないとは、断言できんかも、ハコンIV世がさせた、も公算が高い「可能性」くらいにしかいえないかも。

 そこで、ちと調べました。ハコンは庶子で、その正当性(前王が父親か)が問われ、母親が、「熱した鉄(焼きゴテ)」の試練をかいくぐって証明した人です。執政をまかせていた伯(ヤール)が、のちに王位を簒奪をはかり討伐せざるを得ませんでした。文学のパトロンでもあり、『トリスタンのサガ』ほかフランスのロマンスの翻訳を依頼した。伝記はストゥールラ・ソールザルソン(アイスランド人)によるものがあり。だそうです。
 『シドレクスサガ』の成立した 1250 年頃は、ハコンIV世の在位中ですから、少なくとも、それを編纂させた有力候補に上がると思います。
 これが最初に編されたのは、ノルウェーですが、まもなく(ものの数年のうちに)アイスランドに(も)持ち込まれたそうです。Membrame 写本とは別に、アイスランド語の写本も存在するのはそのためかと。

>  で、「マイスター・ジンガー」ハンス・ザックスよろしく、全部まぜまぜにしちゃったんですね^^;
 ハンス・ザックスの書いた戯曲のことをおっしゃているようですが、比べようがないと思います。前者はおそらくエンターテインメントなんだから。
 私が、「グリム」というのは、兄のヤコプ・グリム著の『ゲルマン(チュートン)の神話』という学術的な本のことです。間違ってもメルヒェンの方じゃあないです。
 ごちゃ混ぜというけれど、どの記述がどの作品からなのかそのつど典拠を挙げています。ただ、『ヒュミルの歌』第〇節とはいわずに、Saem xx (セームンドのエッダ 第〇〇)という表記なので、判りにくいことがあります。また、古いドイツ語やアングロサクソン語などの表現の意味の説明を、ラテン語でするので敷居は高い書物です。

>  ハイメに手が何本あろうと、不細工だろうと、面白いからお気に入りキャラであることに変わりはないのですが、いくらなんでも、4本手があって剣はディートリッヒにもらった一本だけです、てのは変ですよ。
 これについては、後期中世のロマンとしてのハイメに手が四本あるかどうかでなく、遠くさかのぼる過去にウル・ゲルマン民族の記憶にあった、ハイメの原型となりし神秘的なキャラクターが、四本の手を持っていて、その痕跡(vestige)が、かなり後期の作品にも残っているという見方です。
 グリムは、多腕の表現の例として、『大バラ園(決闘会のほう)』からも出してますよ。
 人間らしくない、というならアレ出しますよ。ディートリッヒが火ぃ吹くやつ。

投稿時間:2003/02/14(Fri) 22:32
投稿者名:Warhorn
Eメール:
URL :
タイトル:
おーでんせ
>  『セルリの小話』では、ヘグニとヘジンの最初の対決場所は、「オージンス・エイ」(オージンの島)で、その何年も後でハー島(シェットランド諸島のホイ島)で決戦したことになっています。
>  しかし『詩の語法』49章では、オークネイヤ(オークニー諸島)を経由してハー島で決戦があったことになっています。
>  だから、可能性としてはオークニー諸島が→オージンの島に変わったかとの考察が可能。

デンマークのフューン島にあるアンデルセンで有名なオーデンセという町。あれはユングリンガ・サガによれば、オーディンがしばし身を落ち着かせた場所で、ユングリンガ・サガにはOdinsey(便宜上のつづり。oは長音、dはエズ)と示されています。これをOdin+s(属格)+eyとすれば、オーディンの島と訳すことができますが、オーデンセの由来を見てみると、オーディンの社という意味とあります。

オーデンセとこの決戦の場所と違うんでしょうか・・・?

まぁ、私はその小話を知らないので、解説を読んだこともなければ、テキストを見たこともないですが・・・。まぁ、でもオーデンスエイとくれば、オーデンセ!は北欧ファンにはデフォだと思ったもんで・・・<ちがうんかな?

投稿時間:2003/02/15(Sat) 12:08
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
Re: おーでんせ
> デンマークのフューン島にあるアンデルセンで有名なオーデンセという町。あれはユングリンガ・サガによれば、オーディンがしばし身を落ち着かせた場所で、ユングリンガ・サガにはOdinsey(便宜上のつづり。o は長音、d はエズ)と示されています。これをOdin+s(属格)+eyとすれば、オーディンの島と訳すことができますが、オーデンセの由来を見てみると、オーディンの社という意味とあります。

 貴重な情報のご教授ありがとうございます。ユングリングサガ第五章「ゲヴュンについて」ですね。

(オーディンは)ある島に居を構えたが、それはオージンスエイ(->オーデンセといい、フョーン(->フュン島)にあった。
>[アイスランド] t&oacute;k s&eacute;r b&uacute;sta&eth; &iacute; ey einni. &THORN;ar heitir n&uacute; &Oacute;&eth;insey &iacute; Fj&oacute;ni.
>[英訳]and took up his abode in an island which is called Odins in Fyen.

 早速、自分のページに反映させていただきます。

投稿時間:2003/02/20(Thu) 20:13
投稿者名:Warhorn
Eメール:
URL :
タイトル:
Re^2: おーでんせ2
うう、ちょっと体調が悪かったので、おーでんせをあげてから今日まで見ていませんでした・・・。話についていけてなくても、それはリハビリ期間ということでご容赦を・・・。いやだって万全の体調じゃないとここは障気が強くて・・・(おいおい、毒はくかな<私)

で、ほんまちらとだけ調べで申し訳ないんですが、オーデンセの由来のオーディンの社のあれが判りました。

Odinsve(Oは長音、dはエズでeは長音)もあり、これの最後のヴェーがいわゆるヴィー(聖域(社と理解してもおっけー))であります。

ということで、オーデンセ=オージンスエイ=オージンスヴェーで理解していててもさしつかえはなさげです。

いじょ。

すんませんまだ本調子じゃないので・・・。

あ、ついでにここで訂正。4つのエルボーの英訳の見ている行を間違えていました。His shoulders are squareでした。すまそ・・・。1行前を見ていました・・・。が、これをどう訳すのさ・・・。肩が四角いて・・・。どうよ・・・。


ということでjinnさんのコメント1076から引用(すんませんjinnさん、無断で・・・)

ここは、文献資料を比較するときに、ferstrendrという形容詞の意味をきちんと理解する必要があると思うのです。これは古スウェーデン語資料とも一致すると思うのです。つまり、strendrは、albogaと同義の「尖った部分」という意味に解すればよいと思われます。それが四つあるわけですが、肩の部分に四つもでっぱりがあるというのは、やはりそれは筋骨隆々の意味だと思うわけです。背中の方まで筋肉ががっちりとついて盛り上がっている、と考えた方が文脈上自然だと思います。
別に「肘」と訳す必要もないのですね、このalbogaという単語は。

ということで、

うわ、人のふんどしで相撲とるかな<私


※※※※※※※※※※※※
余談(アップしてかなり暫くしてからの追加)

菅原 邦城
( Sugawara Kunishiro ) ソルリの話とヘジンとホグニのサガ
( SORLA PATTR EDA HEDINS SAGA OK HOGNA Translated from the OldIcelandic with notes )

であるみたいですね。注釈もついているみたいだし、大阪外大に行ったらコピーできるんかな・・・。どうにかして手に入れるようにしてみます・・・。

投稿時間:2003/02/15(Sat) 12:58
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
セルリ、フラテイ本、ハイメ肘
>  きよさんのサイト、フレームが多いので、ノートPCからだと文章読めない(笑)
 『セルリの小話』は、フレーム無しのリンクがファイル名ミスでした。正しい URL は、http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/myth/saga/sorli-nj.htm
 Warhorn さんのオーデンセのご指摘も盛り込ませていただきました。
 当ページは、写本についても触れていますが、ちょっと乱雑な文ですね。フラテイ本は、解説が
 http://www.ne.jp/asahi/fuse/abraham/europe/north-europe/norway/no-art/no-saga/no-saga.htm (日本語)にちこっと出てます。
 こちらの挿絵だと、="O(オー)"の花文字に見えますが、実際は"&THORN;(ソーン)"="PみたいなTh"の花文字です。つまり、本当は「|〇」なんですが、棒の部分がカットされて「〇」がクロースアップされてるわけです。「〇」の中におりますのは、オラヴ聖王で、その往生際のシーンです。
 それが判明したのは、Raqoon社の写本のデジタル化のページ
http://raqoon.com/miml/exampledocs.html (英&アイス)でした。

 さて、ヘイミル「四面の肩」の部分は異本では「四臂」だという話ですが、Warhorn さんも jinn さんも、何かと共通するご指摘でしたが、私としましては、「四肘」の方の表現を、「四面の肩」のほうと合致するように解釈するのは、無理めではないかと感じます。

まず、スウェーデン本「Sagan om Didrik av Bern (写本A&B)」の、URLは、
http://www.nordlund.lu.se/Fornsvenska/Fsv%20Folder/03_Handskrifter/Sko115.html です。

 Warhorn さんは、「多エルボー」の句は、ごくありふれた虚飾表現かもしれなく、他のヒーローにも例があるんじゃないか、と―おそらく、探すほうの身にはなって発言してくれているのではないでしょうが(笑)、上のスウェーデン版の電子テキストをとりあえず検索にかけた限りは、elbogen, albogen は他に見つかりません。

 そもそもグリムが『ゲルマン神話』で、四腕に触れている箇所では、『ヴィルキナ・サガ』(『シドレクス・サガ』の[抄本]の別称)としていますから、スウェーデン本のことを指していたのではないかと思います。
 前回引用したのは、この箇所です(ゴマかしてた途中のところも入れときました)。

# 17 han oc brunt sk&auml;g . oc stort hoffwd oc h&auml;rda breder [?breda h&auml;rder]/ han haffde langa arma oc iiij alboga oc tiwkka h&auml;nder oc fagra finger/
>茶色いアゴヒゲ。そして、頭大きく、肩は広く、/その腕長く、肘 iiij つ(4つ)で、真手は分厚く、指美しく/

 私は代名詞とかもよくわからずに言っているわけですけれど、jinn さんの解釈どおりならば、
 → 肩は広く、その[肩から生えた]その腕はながく、その[肩の]力瘤/隆起は4つあり、..
 という、私が感じるにかなり穿った読み方でないとできないと思うんです。

 それと、皆様には、北欧ゲルマンには多腕の伝承はありえないという先入観がどうもおありな気がしますが、いまひとつある、スタルカズ/スタルクアズ(Starka&eth;r)の例も、「どうせ、これだって八手あるかのごとく手の動きが早い、以上の意味はない」と片付けておしまいなのでしょうか?

投稿時間:2003/02/15(Sat) 21:18
投稿者名:岡沢 秋
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違うんですよ^^;
えー、しばらく実家帰ってる間にすんげー話が進んでしまってるのでナンなんですが、

 きよさんは、出された意見を「打ち消す」事実ではなく、全く別の事実を出してしまっているので、反証たり得ないんですね。

 私が言ったのは「ハイメが4本腕ならそれでもいい。が、聴衆はそれを受け入れたのか」と、いうことです。
 私が聴衆だとすれば、英雄が4本の腕であることに、必ず何かの説明を必要とする。

 同じように、「テオドリック」という名前を持つ有名人物が何百人いようとも、テオドリック大王以上に、伝説の英雄となる資格を持つ人物がいたかどうかの問題ではないでしょうか。

 もし、いたとしても、テオドリック大王よりインパクトが薄ければ、それら別のテオドリックの所業は、すべて大王のほうに吸収されるのが普通だと思われませんでしょうか。

 もちろんこれは、当時の人に聞くわけにもいかないから、状況証拠に過ぎない。しかし、少なくとも、信憑性は在るはず。より多くの人を納得させられる説が、現時点で採用するべき説だと私は思ってますし、自分が納得できたモノがこのサイトで採ってる説です。

 もちろん、きよさんが別の説を採られるなら、ご自分のサイトでいくらでもやっていただければ…と、思うのです。
 ここでやられてもなぁ(笑)

 (ちなみに大バラ園が、シドレクス・サガより後世の、おとぎ仕立ての話だっていうのは…きよさんご自身が、だいぶ以前に投稿されてましたよね。)

***

 ディートリッヒが火を吹くのは、前にも言ったとおり、「火が悪魔の化身としての象徴だったからだ、だからドラゴンも火を噴くのではないか」という推測と繋がっています。

 サガの中でも、「ディートリッヒは悪魔と契約して火を噴く云々」てな話が出てませんでしたっけ。
 後世のつけたし、ディートリッヒが悪魔の化身である黒い馬にさらわれて地獄へ連れて行かれた…というエピソードと同じ時代に付け加えられた話だと、私は思っています。

***

 グリムのババは、まさしく、きよさんの挙げられた「チュートン神話」なんです^^;
 解釈の仕方がすんごぃ偏ってる…というか、そのまんま信じちゃイケナイ感じなんです…よね…。
 神話や伝承には、必ず、語り継いだ人々がいるはず。
 グリムは、その「人々」の意思を勘違いしてたような気がしまして。なんとなく。

***

 で、フレームが見えにくいのは、600×800の画面です…。画面ちっこいノートでは、ギリなんスよ^^;


>  それと、皆様には、北欧ゲルマンには多腕の伝承はありえないという先入観がどうもおありな気がしますが、

 腕とか頭とイッパイある巨人なら出てきますよ^^;
私に限って言うなれば、「ハイメは人間なので腕はそんないっぱい無いと思うよ?」と、言ってるのです。
 さすがにすべての伝承が分るわけないので、「腕がいっぱいあることは在り得ない」なんて、言ってません。自分の限界は分かってます。
 それとも、きよさんは、すべての伝承をご存知なのでしょうか^^;

***

>jinnさん
 お忙しいところ、レスどうもありがとうございます。
 「様」はこっぱずかしいので、「さん」でいいっス。いやむしろ呼び捨てでも可です…。

>Warhornさん
 オーデンセ、デフォですね…。とか言いつつ、こないだ麦酒をド忘れしていた人間なので、言われなきゃ忘れてた可能性在。あはは〜
 …地理はやはり姐さんに。

投稿時間:2003/02/16(Sun) 23:54
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
なら、ちょとだけペースを変えます
> きよさんは、出された意見を「打ち消す」事実ではなく、全く別の事実を出してしまっているので、反証たり得ないんですね。
 真っ向う直接に答えていない、ことはなんとなくは判っております。ノリが悪かったのは、申し訳ありません。
 けど、弁解させてもらえるならば、岡沢さんが、作者の意図はこうにちがいない、とか当時の聴衆の心理こうだったであろう、という
ご想像に対して、私がやはり空想を働かせて、いや、こういう動機、こういう心理や反応もあるぞ、と「反論」することはできます。
けれど、「反証」しろ、となると返事に窮します。

 でも考証ばっかり出しても何かウケがすごく悪いんで、ちょっと方向転換いたします。例えば、岡沢さんが、作者は、
> 語る人の好みで、自分のご近所の地名に置き換えるもんでしょう? お気に入りの登場人物を、自分とこの出身者にするために…)
 しかし、例え詩人自分が多少ヘンだ、納得いかない、キライとか思っても、それでもあえて「語り継がれたものは、古来の伝承として、
そのまま残そう」という別なる衝動は、同時に存在すると思います。例え、自己流に斬新してやるぞ、とかなり大胆な意思をもった奴でも、ガンコ師匠の顔がちらついてたりするんじゃないかな。

また、
>私が言ったのは「ハイメが4本腕ならそれでもいい。が、聴衆はそれを受け入れたのか」と、いうことです。
>私が聴衆だとすれば、英雄が4本の腕であることに、必ず何かの説明を必要とする。
 も同様で、英雄詩が歌われて頃の昔であれば、聴衆も「おお、たしかにハイメは四つ腕の奴じゃった。わしが若い頃聞いた話でもそうじゃった」と、あるいは納得したと思うんですよ。「そういや、八手のスタルカズなんてやつもおったのう」と。
 そりゃ、「その四つの腕はどうしてたんだ!」というヤジとかあって、吟遊詩人が、「ご高聴いただいている、そこの伯爵殿、さればこの私めのさびしい巾着に1マルク金貨お与えに下されば、お話してさしあげます。じつは、ハイメはかならず長袖の上衣を着るのが常で、
余分な腕のほうは袖のなかに引っ込めておったのでござります。さあさ、話を続けましょう…みたいなやりとりがあったかもありません。
ただ勝手に想像しているだけですけれど。

 聴衆に媚を売らねば、大道芸では路銀を稼げない、パトロンの家名やゆかりの地にドロを塗ってはいけない、そういう拘束や圧力があるなかを、アーチストは、うまく渉り歩っていかなくてはいけませんが、それでもコアの伝承は守っていこうとしたでしょう。守る「使命」を感じたと思います。
 まあ、詩人たちの故意であるか不可抗力かはともかく、地名の綴りや、人物のあだ名や形容詞は、時代を超えて推移していますが、
その「原(ウル)」の形はなんだったか、詮索・追求できるのではないか、に自分はわりと興味あるわけで、グリムの『チュートン神話』にも根底にそれがあると思います。(おっしゃるように、「解釈に偏り」、や「扱い要注意」の代物ではあります。また、『グリム童話』とのような読物ではないことは、他のご存じない方にもことわっておきましょう。) 

>ちなみに大バラ園が、シドレクス・サガより後世の、おとぎ仕立ての話だっていうのは…きよさんご自身が、だいぶ以前に投稿されてましたよね。
『大バラ園』と同様の、ジークフリート(シグルズ)&グンテル(グンナル)他 VS. ディートリッヒ(シドレク)ボーイズ の十二人対決は、『シドレクスサガ』にも収められています(http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/myth/thidrek/sum4j.htm#XVI)。
ですから、1250年頃には成立していることになります。だから、もし「シドレクス・サガより後世」 と過去に書いていたら、それは誤りです。すいません。「ワルテル」や「ニベ歌」よりは後かと思いますが、はっきり主張するのは、ちとやめときます。

 ヘイミールの四Xですが、もうひとつ解釈の余地があります。それは、「肘」でなく「腕尺」を指しているということです。
 中世のエル[英語], aln [古スウェーデン], alin [古アイスランド]を意味しているのでは、ということです。
 まず、以前挙げたノルド/アイスランドのテキストでは、ヘイミールの肩幅は[vera a'lnar]とあり、私は1アリン(1腕尺)と訳してありましたが、正しくは 4 アールナル[複数]なのかもしれません。Zoega 辞典だと、古アイスランドの1アリンは、半ヤードつまり45 cm となってますから、1だと物足りなさそうで、4だとなるほど牡牛並みになります。

 ですから、「4肘、四臂」という記述は、本来もしかしたら「=4腕尺の肩幅」だったかもしれません。
 腕尺エルはもちろん肘エルボーとつながっていて、エルは本来は「肘から小指の先までの長さ」。しかし時代や地域によってだいぶ異なります。
 古アイスランドは45cm、古スウェーデンでは 60cm 弱。英国では45インチ(114cm)でおよそ倍。
 ちなみに、古代エジプト依頼のキュービットに通じている単位らしいです。

投稿時間:2003/02/17(Mon) 06:46
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
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タイトル:
…。
 たとえば、五円玉に何で穴があいてるのか? と、いう議論をしてたとします。

 私は「向こう見るためかも」とか「軽くするためかも」などと言っている。

 で、きよさんは、「五十円玉にも穴はある」とか、「世界にはこんなに穴のあいてるお金がある」とか、さらには「古代のお金も穴が開いていたという伝説があります」とか言ってるわけですよ^^;

 ノリが悪い以前に話の趣旨理解してないんちゃうのん、って話です…。

>  けど、弁解させてもらえるならば、岡沢さんが、作者の意図はこうにちがいない、とか当時の聴衆の心理こうだったであろう、という
> ご想像に対して、私がやはり空想を働かせて、いや、こういう動機、こういう心理や反応もあるぞ、と「反論」することはできます。

 別に、ここに反論してほしいわけではないのです。

 私は英語も原語もわからんので、Warhornさんやjinnさんのような指摘は出来ないが、大衆心理だけは自分の専門だし辛うじて手に負える分野なので挙げた、というだけです。(自分の手に負えない分野にヘタに手は出さない。)

 心理はあくまで状況から導き出されるものにすぎない、その状況が、「ハイメの四本腕説は、違うんじゃないか」と、言っているから、こういう話をしたまでです。

 Warhornさんが書いてくださってる、「四本腕の記述は他にもあるはずだ」という部分などは、いかがでしょうか。
 探されたことは?
 他の方々の記述はどうなってたんでしょうか。
 そこに「いや、ない」という反論は可能なのかどうか。


>  聴衆に媚を売らねば、大道芸では路銀を稼げない、パトロンの家名やゆかりの地にドロを塗ってはいけない、そういう拘束や圧力があるなかを、アーチストは、うまく渉り歩っていかなくてはいけませんが、それでもコアの伝承は守っていこうとしたでしょう。守る「使命」を感じたと思います。

 ミンネザングじゃないんですよ^^; 聞くのは一般大衆でしょう。
 大衆向けなのだから、大衆がそんな話イランと言えばそれまで。
 いや、むしろ、語る者自身が、「自分はこんな話ヤだな」と思えば、その場で変えたことでしょう。

 師匠なんかいないでしょう、技術屋ではないですし。
 カレワラのように地域限定で歌い継がれたものなら、親から子への伝承はあったでしょうが。

投稿時間:2003/02/20(Thu) 20:18
投稿者名:Warhorn
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タイトル:
Re: ごめんよ〜〜
>  Warhornさんが書いてくださってる、「四本腕の記述は他にもあるはずだ」という部分などは、いかがでしょうか。
>  探されたことは?

すまそ!!1行まちがえていたなり!!!!すまないです。

あ〜、shoulders are squareの既述を他の描写で探してみます。ごめんやし、体調が直り次第すぐに・・・親方〜。で、ついでにアイスランドから古期アイスランド語版のテキストがとどきました〜〜。あ〜、AかBかはわかりません・・(おいおい)

えっと、ついでにグリームが8本手はどのネタなんすか・・・おしえていただけるとうれしいなり・・・。英訳では既述がなかったもんで・・。う、全然、違うサガのネタだったりして・・・。

いや、ちょっと職場で「〜なり」が流行っているもんで・・・<レベル低い職場やな・・・。

い、いいわけしてよい?ぢつは時間がないもんで、シズレクス・サガは職場で昼休みに昼ご飯食べる時にながらで読んでいるんで・・・(で、英訳自体、職場におきっぱなしだったりして・・・)。いい加減でした・・・同僚としゃべりながら、読んで、飯くって・・・で・・・。ごめん。

投稿時間:2003/02/20(Thu) 23:36
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
URL :
タイトル:
Re^2: ごめんよ〜〜>きよさん
 自分、キレすぎ!
 いくら会話がかみあってないからって!
 掲示板のログ容量が膨大になってるからって!

 いや失礼。つーかガキだなぁ。

> あ〜、shoulders are squareの既述を他の描写で探してみます。ごめんやし、体調が直り次第すぐに・・・親方〜。で、ついでにアイスランドから古期アイスランド語版のテキストがとどきました〜〜。あ〜、AかBかはわかりません・・(おいおい)

 わぁぁあ姐さんスゲエ。
 毎度どっから本取り出してるんですかぁ。
 で、仮説が正しけれゃ、その描写がどっか他にもあるはずなんですねえ。オンラインテキストなら検索でピッと出せるんですがねえー。紙だしなあ。

 私も今月中はチト商売繁盛なんで、あんまし細かいの調べてる暇がなく。

> えっと、ついでにグリームが8本手はどのネタなんすか・・・おしえていただけるとうれしいなり・・・。英訳では既述がなかったもんで・・。う、全然、違うサガのネタだったりして・・・。

これかな?↓

***Byきよさん

 あと、『ガウトレク(王)のサガ』に登場し、ソォール神はスタルクアズを何かと呪いをかけるが、オージン神は、これに何かと肩入れして恩恵をさずけるのです。(何でも、スタルクアズの父方の祖母が、アサ・ソォール=自分のことか?)と結婚するはずだったのを他に嫁にいってしまったとかで、今でも根に持ってるそうです。
 これをなぞるストーリーは、サクソの『デーン人の事蹟』にもあり、オーティヌス(オージン神)が、やはりスタルカテルス Starcatherus に肩入れして、並みの人間の3倍の寿命をもたらし、そのお礼としてスタルカテルスは、ヴィカルス王を血祭りにあげる。そしてトールス(ソォール神)は、ここでも、スタルカテルスに敵意をもっていて、ステルカテルスのもつ3対の腕から、4つの手をもぎとってしまうのだとか

****

あと、 No:1081の投稿
http://cgi.www5b.biglobe.ne.jp/~moonover/bekkan/bbs/wforum.cgi?no=1081&reno=1074&oya=1029&mode=msgview&page=0

とかのあたり?


なんかつらつら話上げてくれてるんだけど、前後の文脈がかみあわず、起承転結ないっスよ、きよさーん。

むかしニベ歌の話してたときは、わかりやすい解説してくれたのに。
わかんないのは、オレがバカになったからですか…?

投稿時間:2003/02/21(Fri) 21:43
投稿者名:Warhorn
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タイトル:
ふぃーりんぐ・・・
すんません、どこにつけていいかわからないのでとりあえず、自分のコメントにつけてみました・・・。

ほんとに流しで半分ぐらいまで流しました。(ストーリーはあまり把握できていない)。描写を主にして流してみました。で、ちょっと感じたことを上げてみました。

以前、地名が北にシフトしているというコメントがありましたが、私が受けた感覚では確かに北の地名が多く使われており、かつ「南については非常にうといが北については詳しい」です。南はスヴァヴァやフンドランドとばっくりとしているのだが、北欧とロシアに関しては詳しい。ドイツから写本を輸入してそれを転写したんじゃないなぁとつくづく判ります。南にはあまり詳しくないような気がします。ドイツについてでさえかなり情報を持ってなさそうです。まぁ、北欧人が海や川づたいに交易したというアレで、ロシアへは行きやすいが(コネもあるし)、内陸部へは向かいにくい、というアレかな・・・。

人名に関しては「〜というが、ヴェーリング(説明はややこしいので北欧人と理解してください)は〜という」とわざわざいくつか書いている。すでにその人名(もしくはエピソード)が北欧に輸入され、北欧語で定着していたからそう挿入しているか、はたまたわざわざ創作・・・するかなぁ・・・。

で、一番、おもしろい発見。実は人物の容姿に関する描写は出だしの20章ぐらいまではあるのだが、それ以後に登場した人たちは軽く紹介されているにすぎない・・・。どうも4のエルボー(手が4本ではなくて、肩の形状でもういいよね?)の描写はなさそうですね。ごっつい男の描写がぱったりとヘイミル以後ないんですよね。なんでかな・・・。ヘイミル以後はいっつもの北欧のサガにありがちな、男前で強くて寛容で気前がよく〜、な描写が多い・・・。

とりあえず、半分ぐらいまで流した感想でした・・・。

まぁ、いつもながら、すぐに訂正があがったら・・・すません。

投稿時間:2003/02/21(Fri) 23:49
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
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タイトル:
らじゃ。
 すんません姐さん。半分買わせたような気がしてた上に病み上がりに働かせまして。

> 以前、地名が北にシフトしているというコメントがありましたが、私が受けた感覚では確かに北の地名が多く使われており、かつ「南については非常にうといが北については詳しい」です。

 あ、やっぱ地名は北のほうの使ってるんですね。
 でも南の、行ったことないはずの地名も出てくる、と。
 学者さんたちが、「南から伝承されたものがノルウェーで書きとめられた」という説を採用してるのも、きっと、そこらへんが理由なんでしょうね。

 最初から北方の物語として作られたんなら、わざわざ知らん南の地域の地名出す必要無いし(笑)


 人名は…ちょっとワカランですが、南のほうと北欧とでは、多少、言葉違うと思うんですよ。なんで、人名の意味おんなじまんま言葉を変えた、とかじゃないでしょか?
 スィーズレク/ディートリッヒ/テオドリク、とかの違いじゃないんでしょか。

> で、一番、おもしろい発見。実は人物の容姿に関する描写は出だしの20章ぐらいまではあるのだが、それ以後に登場した人たちは軽く紹介されているにすぎない・・・。

 マジですか?
 じゃそれ以降の人たち説明ナシ?
 ああん…じゃあ書かれた時代が前後で違うとか…、かなあ。
 
 で、私、章番号とか詳しいインデックス入手してないんでわからないんですが、以前作成したダイジェスト
http://www5b.biglobe.ne.jp/~moonover/2goukan/deat/saga.htm

 の、どのあたりから描写なくなるか、教えていただけますでしょか。
 (つまり、誰と誰の描写が曖昧か知りたい。たぶんアマルングとかどーでもよさそうな扱い受けてる人らはあんまり描写無いんだろうなー、と。)

 えーと、このスレ長くなってるんで、もう一個のスレからはじめていただけると、嬉しいですー。パソの画面の右はしに切れちゃってる(笑)

投稿時間:2003/02/22(Sat) 02:23
投稿者名:jinn
URL :
タイトル:
Re: 肩凝りに効くのは何かしら?
> すんません、どこにつけていいかわからないのでとりあえず、自分のコメントにつけてみました・・・。

すみません、尻馬に乗りますが、ボクもどこにつけてよいかわからなかったので、Warhornさんにレスをつけるということで書かせて戴きます。しばらく出張でしたので、読むこともカキコもかなわず失礼致しました。

> どうも4のエルボー(手が4本ではなくて、肩の形状でもういいよね?)の描写はなさそうですね。

きよ様の書かれているvara a'lnarですが、varaはいわゆるコピュラ動詞ですので、英語のbe、ドイツ語のseinですね。数詞ではありませんので、ご注意下さい。
また、a'lnarは、複数形ではなくて、単数属格形です。いわゆるa'lnar-breidrと、きよ様の御参照なさるZoegaの辞書にも出ている形です。属格形というのは、このように大きさや長さを表す時に用いられる形です。
ですから、Warhorn様のお読みのHaymesの英訳でも「肩の下の部分は1エルの長さだ」と訳されているのはそのためですね。
さて、出張の間も、きよ様のおっしゃる、スウェーデン語訳の描写の部分について、考えていたのですが、手元にスウェーデン語のテクストがないので、きよ様の引用なさったところから見るしかできません。ただ、このスウェーデン語のテクストが、古アイスランド語写本の母テキストを参照にしたかどうか、わかりませんが、やはり
># 17 han oc brunt sk&auml;g . oc stort hoffwd oc h&auml;rda breder [?breda h&auml;rder]/ han haffde langa arma oc iiij alboga oc tiwkka h&auml;nder oc fagra finger/
>おやおや、こちらでは:
>茶色いアゴヒゲ。そして、頭大きく、肩は広く、/その腕長く、肘 iiij つ(4つ)で、真手は分厚く、指美しく/

というのは、きよ様の解釈もなりたつかな、とも思いました。尤も、「肘が四つ」というのは、やはりどうしてもおかしいので、肩の部分と肘の部分がごつくて、いわゆるなんというか、ジャミラ体型に似ているというべきかもしれません。あるいは、いかり肩というのでしょうか、肩から腕にかけて、四カ所「カクッカクッ」となっているところがある、つまりはそれだけごつい体つきだったのだ、と考える方が納得がいくかな、と思った次第です。
もちろん、これはスウェーデン語訳をした写字生が、きよ様のように肘が四つある、と考えなかったという可能性は否定しません。
そこで、やはり問題になるのはその訳の元になったテキストがどうなっていたか、ということを考える必要があると思うのですが、もちろん現存していない以上、最終的な答えは闇の中です。
けれど、アイスランド語テキストを読む限りは、肩の周りは四つのかどがあった、という直訳になります。身体の「かど」の部分は普通関節とかこぶ状の盛り上がりを意味しますから、「四面の肩」とは違うと思います。そこで、両肩で四つのかどがある=左右それぞれ二つずつと考えれば、上にも書いたようないかり肩、あるいはいわゆるジャミラ体型に近い肩を創造できるのではないかと思う次第です。
恐らく、英訳のsquare-shoulderというのもそういう姿をイメージしているように私には思えるわけです。

なお、Warhornさんの手になさったアイスランド語テキストは、恐らく私と同じ校訂本(Gudni Jonsson編)ではないでしょうか? Haymesの英訳も原典はそれを用いていますね。これは基本はストックホルム写本で、そこに欠落している最初と最後はA写本を基本にして、AB両写本を参照しているそうです。

Warhornさんのおっしゃるとおり、肩のことはもう十分すぎるほど話が出たと思いますが、いかがでしょうか?

投稿時間:2003/02/23(Sun) 01:55
投稿者名:きよ
Eメール:kyamazak@ix.netcom.com
URL :http://home.ix.netcom.com/~kyamazak/index.html
タイトル:
ご無沙汰です
 ちと忙しくて、あまり書き込みなどできてませんですみません。ご丁寧に脈略まで整理していただいて。

 掲示板につきましては、まるでかたや茶室、かたや西部のサルーンのごとく作法が違うような気もいたします。例えば岡沢さんが出された言に対して、単に相槌をする、とか、「今ンとこ知らないけどいずれ調べるかもしれない」、「同、けど調べる食指があまり動かない」、とかの場合は、ご返事することはごみレスっぽいので省略しています。もう少しサポート的が精神があってもいいけど欠落してるんですね、おそらく。

 例えば「グズルーンの歌」についても、そうでしたね、ヘルヒェ(エルカ)だったかの名の下女が、グズルンとシ(ョーズ)ドレク
と密通していると告げ口して、イアルクナステインを釜に入れて沸騰した湯に手ェ突っ込んで無実を証明するんでしたね、とストーリーをなぞるだけで、その後につづく発想がなかったんで出しませんでした。
 火や熱の試罪法というのは、ヴァイキングのあいだでおこなわれたとどこかで小耳にはさんだ程度で詳しくありませんが、ハコンIV世の母親が、その出生は間男のいわゆる「かっこう」でなく全王が宿した種ですと証明するためにこの類の試練に応じたことともつながっていると思います。

 五円玉の穴あきの理由に対して、五十円玉もあいてるからと答えるというのは、なかなかいい表現ですね。正鵠を射ていると思います。 しかし、物語に不条理なところがあっても、そこはあまりにも不条理すぎる、とするか、受け入れられる許容範囲内にあるかは、けっこう個人さがでますよね。

 また、考えてみると双首や多手というのはファンタジー(空想)の産物と考えられがちですが、実際は自然現象なわけですね。
 結合双生児で首が二つある亀や牛や人間はときおり世界各地で生まれるし、多手についてもそうですから、例え伝播の軌跡がなくとも世界中にそういう物語が独自に発生してもおかしくない、と思えます。

 2ペアの腕に対して、何で2ペア分の剣や盾がないか?とのご質問ですが。質問を質問で返すようですが、なぜ、なくちゃならないか、とも思います。例えば第1ペアの手は弓手(ゆんで)、馬手(めて)に徹するとか、食事を食べると手とお尻を拭く手が分かれているとかじゃダメ?

 それよっか改めて気になるのは、ハイメがおさがりの剣もらったからってジェラシーするヴィドガの心の狭さです。ハイメは、最初のブルトガングをシドレクの兜にたたけつけて台無しにされてますよね。ヴィガはミームング持っているじゃないか。

 あとフェローのバラードの成立については、9世紀の云々と書いてあったような記憶があって、片付いているんじゃないかと思いました。あと、大元は移住のときの9世紀?頃かもしれないが、その後も交流はあったのではないかなど、考察しておられたと思います。
 14世紀が成立と見られる、程度のことはあちこち書かれていますが、その根拠がよくわからないんですよね。たぶん、語学的な分析かなにかだと思うんですが。(ちなみにケルトのマビノギオンの成立年代の根拠もよく知らないんですね。)
 えーと、フェロー人というのは文盲だったわけではないですが、自国語で読み書きするようになったのは比較的近代です。フェローの郵便の人が、掲示板にそう書いておられます。フェローのバラードが書き留められたのも近代になってから。14世紀といわれたてもそれが本当っぽいのかどうかアセスメントできません。
 『ヘグニのバラード』というのがありますが、実はこれは『シドレクスサガ』と内容が良く似ています。ヘグニ vs. シドレクの決闘もありますが、『サガ』では「火吹く」ところが、バラードでは魔法使いのティドリクが、『毒を吐いて』ます。

 他のレスにもいろいろお答えしたいのはやまやまですが、今はそうもしておれませんので、次のご機会にします。
 ただ、Jinn さんが古スウェーデンテキストが手元にお持ちでないということですが、
 www.nordlund.lu.se/Fornsvenska/Fsv%20Folder/03_Handskrifter/Sko115.html

にオンライン版があることは付け加えておきます。(上のリンクの"%20"は半角スペースで置き換えても同じです。)

投稿時間:2003/02/23(Sun) 02:31
投稿者名:岡沢 秋
Eメール:
URL :
タイトル:
自分から長くしてみる
>  ちと忙しくて、あまり書き込みなどできてませんですみません。ご丁寧に脈略まで整理していただいて。

 イエイエ。自分のために整理してみただけなので。<自分のためか
 ちうか長すぎてワカランと友人が申しておりましたので奴のためでもあるか。

>  掲示板につきましては、まるでかたや茶室、かたや西部のサルーンのごとく作法が違うような気もいたします。

 すんません。よその神話サイトと違って、ここは、情報のやりとりだけを目的とした掲示板ではないので。

 それと、サイト自体の目的が、情報公開ではなく「人をハマらせる。楽しませる。」というところにあるっていうのも一つ。
 辞典サイトとはノリの違う人が来てると思っていただければ…。
 引用を乱発されると、ついていけなる人が(私ふくめ)多いので、なるべく簡潔めの文でお願いします。

>  また、考えてみると双首や多手というのはファンタジー(空想)の産物と考えられがちですが、実際は自然現象なわけですね。
>  結合双生児で首が二つある亀や牛や人間はときおり世界各地で生まれるし、多手についてもそうですから、例え伝播の軌跡がなくとも世界中にそういう物語が独自に発生してもおかしくない、と思えます。

 そりゃ、あるでしょうね。
 エジプト神話の、小人の姿の神ベスなんかは、ピグミー族が元になってんじゃないの? っていう説もあるし。ただ、「じゃあ中国に三つ目の英雄が多いのは、中国人に三つ目の人間がいたからか?」「インドに千本の手がある神様いますけど、千本の手の人は生まれますかねえ…」とか言うと、一気に信憑性の下がる話ではありますよね(笑)

>  2ペアの腕に対して、何で2ペア分の剣や盾がないか?とのご質問ですが。質問を質問で返すようですが、なぜ、なくちゃならないか、とも思います。

 そりゃ、手がイッパイあったら、武器をいっぱい持つのはアタリマエだと思うからです。
 で、
 戦いは勝ってこそ。⇒戦いに勝つには、当然、武器はたくさん持つだろう。⇒あいてる手があるんなら、武器を持たずに戦場に出るバカはいないだろう。

 さらに、
 武器を2対持って決闘したら、すんごい卑怯。⇒ディートリッヒvsハイメのシーンの意味が変わっちゃうんですが…。

 騎士もので、しかも登場してすぐ主人公と一騎打ちのシーンがあるのに、4本腕で戦うのかよ! …とか、思わなかったでしょうか。

 ついでに、和訳の本で、探しても探しても、ハイメが4本腕だっつぅ話が見つからなかったのも理由のひとつです。そんな目立つ容姿なら、どっかに書いてあるはずだー。

 探してたら、ついでにフーグディートリッヒとウォルフディートリッヒとオルトニットの話の和訳見つけたんで、2号館にアップしときます。ヨロシク。(?)


>  それよっか改めて気になるのは、ハイメがおさがりの剣もらったからってジェラシーするヴィドガの心の狭さです。ハイメは、最初のブルトガングをシドレクの兜にたたけつけて台無しにされてますよね。ヴィガはミームング持っているじゃないか。

仮説
・ハイメが無邪気に喜んでいたのでひやかしたかった。
・ディートリッヒが剣をあげるときに言ったセリフが癪に障った。
・ハイメがすんごい田舎者なので、そんな立派な剣持ってても豚に真珠だろ? と思った。

 いずれにせよ、ヴィテゲ君の素直ではない性格ゆえで、このとき剣ではない別のもの(マントとか、盾とか)をあげてても、同じようなセリフを言った気がします。


> フェローのバラードの成立
 14世紀とする根拠については、私もよくわかってません。で、英文も読めないんで、ちょこっと調べてみますわ〜。^^;

投稿時間:2003/02/25(Tue) 00:48
投稿者名:jinn
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Re: ご無沙汰です
こちらこそ、御無沙汰でした。
>  14世紀が成立と見られる、程度のことはあちこち書かれていますが、その根拠がよくわからないんですよね。たぶん、語学的な分析かなにかだと思うんですが。

ポイントだけ、私の考えを述べさせて戴きます。
言語学的にも、またバラッドの形式から言っても、14世紀というのは
妥当だと思われます。

>  ただ、Jinn さんが古スウェーデンテキストが手元にお持ちでないということですが、
>  www.nordlund.lu.se/Fornsvenska/Fsv%20Folder/03_Handskrifter/Sko115.html
>
> にオンライン版があることは付け加えておきます。

ありがとうございました。
ただ、私が言うのは、校訂本のことでして、入手は今の私の忙しさでは
ちょっと時間がかかりそうです。
基本的にe-textは、まゆにつばをつけながら読んでいます。
とはいえ、きよ様の情報には御礼申し上げます。
なんといっても、どのような形であれ、テクストが読めるのは素晴らしいことですから。
古スウェーデン語は、まだ勉強が不十分ですが、これを機会にさらに自分に葉っぱをかけようと思います。
きよ様の御意見は、いつも刺激となりました。この場を借りて、重ねて御礼申し上げます。

投稿時間:2003/02/09(Sun) 23:24
投稿者名:岡沢 秋
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面倒なので消しました。
>  フェローの郵便局で、バラードをモチーフにした記念切手を販売しています。『スクリュムスリ(怪物)』や『ブリュンヒルドのバラード』などです。『巫女の予言』のも出るとか。

切手の画像がありましたね。例のサイトに。
あれって、徳島郵便局においてある「阿波踊りの歴史」とかいう冊子と同じレベルのお国自慢パンフ…なのかなぁ…とか、思ってしまいます。

↑地元ネタですが


> 設定の違い
 それが、いつ付加されたものなのか、ってことが知りたいんですね。
 実は^^;
 でも手近なとこで誰も研究してないので資料が無いんです。

 9世紀に移住した、って言っても、その後も本国とは交流してたわけでしょう。
 だから、相互作用しながらストーリーが少しずつ変化しながら作られていったんだと思うんですが、多少なりともオリジナルの設定があるってことは、どっかの段階で誰かが付け加えたもんなんだろう、と。

 それは、9世紀から、バラードが文字として書かれた時代(14世紀ごろとされているらしい)の間の、どのへんなのか。

 と、思いまして^^;

> あと、「エピソード別 名前変換表」(www5b.biglobe.ne.jp/~moonover/2goukan/name.htm )にあった、
> シュルダルの綴りのひとつ Sju'r∂ar [Sj&uacute;r&eth;ar] はどこかに消えてしまったんですか?

 面倒なんで消しました。すんません。
 どうも、フェローのバラードの中、綴りがバラバラで、同じシグルズの名前でも何種類もあるみたいなんですよ。

 そん中の一個だけ書いてんのもアンバランスだし、だったらヘグニやグズルーンのほうも書かなくちゃいけなかろう、と。そこまでする必然性を感じなかったので、結局、消しました。

 ホグニについても、何種類かあるみたいですね。

 …で、あの名前変換表は、学術的な正確性を求めるものではなく、単に「ドイツ語読みと古アイスランド語読みは違うのよ!」ってなことを示したいだけのものなんで。
 いってみれば、興味の「入り口」です。

 せんぶ答えを書いては、これからレポートを書かれる大学生の皆さんに失礼でしょう(笑)

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