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初期王朝時代 黎明期

「スコルピオン」

Scorpion T

在位年代;前3000〜2900年ごろ(?)

※「スコルピオン(サソリ)」とは、この王のシンボルがサソリだったことから
  現代の学者がつけた通称。名前ではない。

王朝の首都;ヒエラ・コンポリス(古代名ネケン)  埋葬地;アビドス ウンム=エル・カアブ U-j 出身地;不明

家族構成;不明

Data;
上エジプトに最初の王国を築いたとされる王。即位名などは不明。出土品に描かれたサソリの標章から、こう呼ばれている。現在知られている限り、王権が成立してから最初の「王」で、この王とその一族と思われる初期の王たちは連続してアビドスに墓を築いている。

ホルス神、ハトホル女神への信仰を確認。その他の神々がどのような形で存在していたかは不明だが、サソリの標章がセルケト女神を指すのではないかという説もある。

Background;
エジプトの王朝以前の文明は、ナイル下流で発展したファイユーム文化(小麦などメソポタミア由来の農法はこの文化が最初)やメリムデ文化、ナイル上流で発展して、バダリ文化を継承するナカダ文化がそれぞれに独立していた。その中から勢力を広げていくのが上流のナカダ文化で、下流へ広がる過程で小麦の農法など後の王朝の基板となる他の文化の特性を取り込んでいったと思われる。ナカダ文化の特徴はいち早く階層的な社会構造を作ったこと、熱心に墓創りを行なっていたこと、金属器(銅)を取り入れたことなどだろうか。特徴的な土器がナイル下流域でも見つかるようになる時点から「文化の統一」、王朝の基盤づくりの時代へと入る。
スコルピオン王の時代は、厳密に言うと、この「ナカダ文化」の第三期(ナカダV)にあたる。

この時代までに、エジプトは既にシナイ半島への遠征などを行なっており、外国都市を経由した交易によるアフガニスタンからのラピスラズリ輸入の痕跡も見られる。少なくともヌビアおよびパレスチナとの交易関係があったことは、現地で発見された土器が証明している。
尚、エジプトに先立って発展したメソポタミアは、この時代には既に頂点を過ぎ、衰退期に入りつつあった。