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アポピス Apophis、Apepi(仏語:Apophis)

古代名:アーペプ/ギリシア名:アポピス/別称・別綴り:アペピ、アペプ
性別:?


――――神々に反逆するもの

主な称号
恐ろしきもの、巨大なもの、恐ろしきもの

主な信仰
神様と呼んでいいのかどうだかは微妙。巨大なヘビ。

エジプトにおける「ヘビ」は、畏怖の対象とされ、王権の守護者であるコブラ以外のヘビは、すべてアポピスの眷属とされ、忌まわしいもの、恐ろしいものだった。アポピスはその代表にして、最も恐れられた最大の存在である。基本的には忌まわしいものだったにも関わらず、「名」と「姿」がよく知られている。

古代エジプトの宗教観では「描かれたものはそのままの姿で存在するのと同じ」であったため、壁画などでアポピスが描かれる場合は、自由に動き回る姿ではなく必ず「縛り付けられている」か「調伏されている」姿となる。


↓こんなかんじで。




◎原初の時より存在するもの

邪悪と混沌の化身にして、世界の始まりたる、「原初の水」から誕生した存在とされる。原初の水から秩序ある世界が作り出されたのちも、世界を混沌に引き戻そうと、あらゆる悪を試みる。また、その体は「砂洲」と呼ばれ、太陽の船を座礁させ、正常な天の運行を妨げるものとされた。

通常は蛇の形だが、世界に秩序が生まれる前の混沌の化身であるため、「混沌」という概念そのものでもある。
その混沌を制御し、従えることで、世界の秩序は保たれる。…と、いうことで、宗教儀式では、ヘビを打ち倒すという行為が、しばしば行われた。

アポピスを退けるための「アポピスの書」というそのまんまな名前の呪文書があり、そこにはアポピスの起こす様々な災いが書かれている。エジプト神話では、「日食」はアポピスが空をゆく太陽の船を飲み込むために発生すると考えられており、「アポピスの書」にはそれに対する呪文も書かれている。祈って太陽が戻ってくるなら苦労しないって話だが、日食は永遠に続くわけではないので、民衆には神官の祈りで太陽が戻ってきたように見えるたのかも…しれない。


◎必要悪として

恐れられ、忌み嫌われる存在ではあったが、罪深き死者たちを罰する役目も負う。死者が冥界にゆくために必要な呪文集「死者の書」には、アポピスを退けるための呪文が数多く記されており、いわば試練を与える存在でもあったようだ。
また、しばしばセト神の同類とされたように、この世に存在すべき必要悪もしくは決して完全に滅することの出来ない根源的な存在として認識されていた。


[右図]ざっくり
テーベ西岸、デイル・エル・メディーナにある貴族インヘルカの墓(第20王朝)より。
太陽を象徴する聖なる木、シカモア・イチジクあるいはペルセアの樹をとりまくアポピスを倒す「ヘリオポリスに住む太陽神ラーの大いなる雄猫」。太陽神ラーの分身というか使い魔的な猫が蛇を倒す姿は、これ以外にもいくつか残されている。上部の文章は死者の書17章

ちょっと分かりづらいが、以下の部分がこの絵に該当する。

「我は偉大なる猫にして、すべてを統べる者の諸敵が滅ぼされたる夜に、ヘリオポリスにあるイシェドの木にて奮戦したるものなり。」
然らば、此れは誰ぞや。
雄猫はラーそのものなり。而して彼は、シア(認識)の神の、彼に関する言葉ありし為に、「マウ(=ネコ)」と呼ばるる。すなわち、シア(認識)の神云う、「彼は、彼が作りしものに似(マウ)たり」と。かくして、彼の名は「マウ」となれり。


すべてを統べる者=太陽神ラー なので、ものすごくざっくり現代語に直すと、
「ラーの敵なるアポピスが滅ぼされし夜、イシェドの樹の下でアポピスと戦った者は私、偉大なる猫にしてラーそのものである」となる。


神話
・エジプト神話では、日食は空をゆく太陽の舟をアポピスが飲み込んだために起こるとされた。

・混沌といえばセト神を思い浮かべるが、セトは「アポピスの天敵」とも呼ばれる。つまりセトは、アポピスの同類ととれることもあれば、天敵となることもある。エジプト神話の複雑なところだが、時代や土地柄によって解釈が変わり、立場が変化するのだ。

・シリア砂漠からエジプトに侵入してくる異民族たちが、「アポピスの息子たち」と呼ばれた時代があった。

・第二中間期にエジプトを席巻したヒクソス人による王朝の王の一人はアポピスの名を持っていた。この王と、エジプト土着人の王セケエンラーの、エジプト再統一ををかけた戦いが「アポピスとセケエンラーの戦い」というエピソードで残されている。



聖域
なし

DATA

・所有色―黒、黄
・所有元素―水、土、闇
・参加ユニット―なし
・同一化―各種ヘビ
・神聖動物―各種ヘビ
・装備品―なし

◎補足トリビア

日食を「食」というのは何故だろう 世界の日食神話群


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