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ハレンドテス --

古代名:ホル=ネジュ=イテ・フ/ギリシア名:ハレンドテス/別称・別綴り:-
性別:男性


――――王の後継者たる若き神

主な称号
父の後見人ホルス

主な信仰
いわゆる「ネケンのホルス」。崇拝地によって性格が多少異なる、ホルス神のバリエーションの一つ。
この名前はギリシア語で、古代エジプト語では「ホル・ネジュ・イテフ」(父の後見人ホルス)が訛ったもの。ネケンのホルスとも言う。ネケン(ネへン)とは地名で、この神が祀られた地域の名称。地域的な特性も秘めていると言えるだろう。

ホルス神には、大きくわけて三つの姿がある。イシスの息子、母に守られる存在としての「幼児」ホルス、父オシリスの後継者として王位を取り戻す「少年」ホルス、王となって地上を収める「大人」ホルス。このホルスは、少年と大人の中間くらいに位置する。すなわち、一部の神話でいわれる、王位の奪還にたびたび失敗してキレて母親に八つ当たりするような幼さのない、「立派な跡取り息子」としてのホルスである。

神話上で有名なホルスは、オシリス・セトらの兄弟であるホルス(大ホルス、またはハロエリス)と、オシリス・イシスの息子であるホルス(神話で有名なホルスはこちら)の二種類あるが、ハレンドテスは大ホルス(ハロエリス)と同じ系列の、ちょっとオトナなホルスである。
そのため生殖の神ミン神とかかわりを持ち、ミン神の息子とされたり、ミン神と同一化されてミンの息子たちの守護者とされたりした。

王位を奪還するためには、戦う必要があるため、戦の神でもある。
王の軍の先触れでもある神、ウプウアウトとの関係を持つ。


この名前は、ホルスとセトの争いの最終幕に描かれる「神々の法廷」において、自らの正当性を主張し、神々に後継者としての自分の地位を認めさせる場面に登場する。「親孝行」「大人物」などと絶賛の嵐である彼は、国王の代理人であり、分身でもあった。王はかくあれ、そのように正当性を主張し雄弁であれ、という理想をこめた姿でもあっただろう。
新王国時代には、このハレンドテスをなぞり、「神々の法廷」を演劇化して、ホルスの役を王が勤める、と、いう儀式もあったという。

さらに、この神は、オシリス同様に豊穣の神でもあるミンと強い結びつきを持つことによって特別なホルス神として認識されている。ホルスと名前のつく類似神はたくさんいるが、戦いの神や太陽神の眷属ではなく、豊穣神としての属性を持ったホルス神は意外といなかったりする。

ホルスが、オシリスの息子であると同時にミンの息子でもある…という、厄介な事態は、このホルスの分身とも呼ぶべき神から発生しているようだ。古代エジプトには、古代北欧のような養父制度はなかったようだから、義理の父というわけでもあるまい。
ネケンと、ミン神の聖地が近かったため、親子関係が結ばれたのかもしれない。


神話

・属性=「親孝行」。亡き父オシリスの祭儀を取り仕切る。
・特技=「弁論」。神々の法廷において王位継承権利の正当性を主張する。
・職業=「王子」。母イシスの英才教育のたまもの? 「理想的な王の後継者」を体現する、王の化身としての神。

聖域
ネヘン

DATA

・所有色―
・所有元素―
・参加ユニット―
・同一化―ホルス
・神聖動物―鷹
・装備品―ウアス杖とか。王子的装備。



【Index】