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世界観(ウラ設定ともいう)


別に知らなくてもゲームとしては全然問題ないのですが、無駄にこだわって作ってみたウラ設定です…。

シリーズ通しての「舞台は古代エジプト、登場人物は古代人」を引き継ぎ、前作に当たる「灰色の町の守護者」から50年後、第二中間期と呼ばれる時代を背景に物語が展開されている予定です。前作クライマックスで王権が崩壊したのち、現在も国土は混乱状態にあり、複数の勢力が覇権を争い合っています。

※なお、このシリーズはあくまで「古代エジプト風ファンタジー」ってことになっているので、厳密な古代世界の再現は行っていません。

【第二中間期】 紀元前1650-1550年ごろ

この物語の舞台となる「第二中間期」について。

「中間期」とは、全土を統一する決まった王朝の存在しない、分裂状態の時代のこと。日本で当てはめると「戦国時代」です。
古代エジプト王国の時代には全部で三回の中間期が訪れますが、中でも第二中間期は、中王国時代と新王国時代の間に100年程度続いた混迷の時代です。ナイル下流のデルタ地帯にアジアからの移住者が多数押し寄せたことによって始まるとされ、アジア方面からの移住者によって、エジプトに初めて「馬」「戦車」「鉄器」などがもたらされ、大きな変化が起きる時代でもあります。

使いまわしでスマン


【三つの勢力】

この時代は「王」を名乗る多数の地方権力者たち、どこの勢力にも属さない地域というのが存在しましたが、ある程度の勢力を持ってエジプトを支配しようとしていたのは、以下の三つの王朝・王国だったようです。

<アヴァリス王朝>

ナイル下流のデルタ地帯の東側(紅海側)に作られた、異国人(ヒクソス)による王朝です。
異国人の勢力はやがてデルタ全体に広がり、一時はエジプトの伝統的な中心地であるメンフィスをも、勢力下に収めます。
「赤冠の章」では、この王朝をモチーフに物語が展開します。


<テーベ王朝>

ナイル上流、テーベを中心として作られた、エジプト人王朝です。
エジプトの再統一を目指し、ヒクソス王朝に戦いを挑んだ王たちが属し、その念願をかなえるとともに中間期は終り「新王国時代」が始まります。
「白冠の章」では、この王朝をモチーフに物語が展開します。 


<クシュ王国>

長年、エジプトの支配下にあり、隷属関係にあったナイル南方の国。
第二中間期には、エジプトからの支配が弱まったため独立し、逆にエジプトの国境を脅かすようにもなっています。
(クシュは現在のヌビア北〜エジプト南の地域に該当し、アスワン・ハイ・ダムによって大半の地域が水没しています。 )
この王国は、二つの章それぞれに、違った形でアプローチしてくることになります。


【様々な民族】

ゲーム内には、この時代のエジプトに住んでいたと思われる様々な民族が登場します。
かなりアバウトですが、だいたいこんな感じ。

「チェヘヌ人」=エジプトから西の砂漠に住む人々。現在のリビアあたりから来た人。
「マルトゥ人」=エジプトの東方、アジア方面からの移住者の中で主にメソポタミア周辺から来た人たち。
「ミケーネ人」=ギリシャ文明の前に栄えていた地中海北岸のミケーネ文明の人たち。
「クシュ人」=エジプトの南、ナイル上流のクシュ王国から来た人たち。肌の色はエジプト人より濃い。




この物語は、「神話」を元にしたシナリオと「歴史」を元にしたシナリオ、「神々」と「人間」、双方を主人公として展開してます。
それぞれのパートについて、モチーフとなっている作品を紹介します。


「ホルスとセトの戦い」

エジプト神話で最も有名なエピソードである、ホルス神とセト神の戦いを描いた神話です。
王として地上を治めていた豊穣の神オシリスは、弟セトに殺され地位を奪われてしまいます。オシリスの妻イシスはセトの手を逃れてひっそり息子ホルスを産み、成長したホルスは父の仇をうち、王位を取り戻すため叔父セトに戦いを挑みます。
この戦いに勝利したホルスは王の化身とされ、王の守護神として崇められ、一方のセトは恐ろしい王の敵とされるようになりました。セトの眷属とされた蛇、カバ、ロバなどは、王権を引き継ぐ儀式の中で敵役として殺されることさえあったようです。


「アポピスとセケエンラーの争い」

第二中間期のヒクソス王、アポピスと、テーベ王朝の王だったセケエンラーの戦いを描いた文学作品で、新王国時代に書かれました。ヒクソス人たちの王朝はアポピスの時代に最盛期をむかえ、アポピスはセケエンラーに対し挑戦状とも言うべき書簡を送りつけます。セケエンラーがこれに対し何と返答したかは物語の後半が現存しないため不明ですが、見つかっているセケエンラーのミイラには多くの傷が残され、戦場に斃れたとみられることから、史実では、双方の勢力が激突する大きな戦争が起こったものと考えられています。
(現在の歴史研究では、ヒクソス王朝を含むエジプト全土を再統一したのは、戦死したセケエンラーの息子カメスだったとされています。)


第二王朝時代の「セト派」と「ホルス派」の戦い

最初にエジプトを統一した王たち(世界史で習うナルメル王もそのひとり)はホルス神の信奉者でしたが、それを不服とするセト神の信奉者たちが反旗を翻し、戦いを挑んだ事件が、ごく初期の王朝時代にあったようです。戦いはセト派の有利に進み、一時はホルスとセトが同列に扱われてしましたが、数世代後にはセトの位は再び落ち、ホルス派がセト派の勢力を退けたと思われます。
この歴史上の戦いが、神話の形成に影響したという説もあります。
ゲーム内(白冠の章ではアビドス/赤冠の章ではサイス)でホルス、セトそれぞれによって語られる「過去の戦い」は、この戦いです。ゲーム内の時間は第二中間期ですので、その戦いから約千年が経過しています。




【名前の由来】

エジプトRPGシリーズの、登場人物の名前はすべて当時のエジプト人の名前でつける、というルールは今回ももちろん健在です。ただ、ストーリーの都合上、エジプト人じゃない(他国から移住してきた)キャラがけっこういるので、その出身国にあわせた名前を探すのがちょっとした難関でした…

「赤冠の章」の主人公の友人(ミケーネ人という設定)は、ギリシャの古文書から適当に選択しました。他のキャラと音がかぶらなきゃいいや、って。
問題は主人公の名前。考えあぐねた挙句、エジプトで他国人の名前が出てくる資料といったら「アマルナ文書」だろ? ってことでアマルナ文書あさって主人公っぽい名前を拝借しました。

アマルナ文書ってのは、このゲームで設定しているより後の時代、アクエンアテン王の時代の外交文書で、楔文字で書かれています。今の日本の外交文書が英語で出されるようなニュアンスですね…。
アジール(Aziru)ってのはエジプトの領土の中でも東のほう、今のベイルートあたりの地方の首長で、戦争放棄・平和第一のアクエンアテンが戦争しても負けそうな予感だったのでエジプト裏切ってハッティ側についたとされる人物の名前です。名前を借りただけで、実在したアジールさんと、このゲームのアジールさんは関係ありません。(笑)

ほか、アジールの仲間もだいたいアジア系の名前で固めてあります。出身地不明の名前なので厳密には違うのかもしれないけど、そこまではこだわれなかった。ゲーム内ではアジールの持つもう一つ名前が出てきますが… それは実際プレイして確認してみてくださいねー。と。

もう一人の主人公、メルウェルのほうは手持ちのエジプト名の中から適当に決めたので特に意味はありません…。
名前の、単語の切り方としては「メル・ウェル」です。一作目に登場するメル(メル・エン・プタハ)とは関係ありません。


【地名・州紋章】

ゲーム内の世界は上エジプト22州・下エジプト20州の合計42州ですが、これは実際には時代ごとに少しずつ、構成や名称が異なります。ゲームの舞台となっている中王国時代末期だと、上エジプトは22州ですが下エジプトは17、8州。20州まで増えるのはプトレマイオス王朝なので実は時代がズレてます。
が、「白冠の章」「赤冠の章」で同盟してくれる都市の数に差がつきすぎると宜しくないので、ゲーム上の都合として”下エジプトも20州”としてあります。また州マーク、州区分も、おおむねプトレマイオス朝時代の資料に沿って作成してあります。


【観光ガイド】

このゲームに登場する都市はいずれも古代エジプト時代に存在し、現在も廃墟または人の住む町として知られている土地です。古代名で登場している都市もありますので、主なものについて観光案内などに記載される名前で示してみました。
赤冠の章で訪れる下エジプトは、ナイルの氾濫で蓄積する泥と、他国支配時の影響を受けやすかったのとで、あんまり遺跡が残ってなかったり…。白冠の章で訪れる町は有名な観光地が多いです。

エジプトご旅行の際の参考に〜。


エドフ

デンデラとルクソールの間くらい。今もホルス神殿が残っています。入り口のホルス像がカワイイ。

デンデラ

後々の時代に作られたハトホル神殿が今も残っています。ハトホルのご利益にあやかろうとした人たちが柱を削ったお陰で柱は磨り減ってますorz いやーまぁ気持ちはわからんでもないが…。

アビドス

今も存在します。アビドス神殿には、なんと近年まで神官がいました^^(自称・古代エジプト人の生まれ変わりの人が神官を名乗って住み着いてた) 興味のある方は「オム・セティ」でググってみると何か出てきます。

ウアセト (現在名:ルクソール)

ルクソール神殿と、そこから30分くらい離れたところにあるカルナック神殿。エジプト最大規模の神域です。
無駄に神殿の間取りを忠実に再現してみたのに、コンス神殿とムト神殿が左右逆だったことに後で気がつきました…。
いや、まあ、その、誰も突っ込まないと思ったけど…。

メディーネト (メディーネト・ハブ)

ルクソール対岸、現在では「王家の谷」と呼ばれている場所にあります。ゲーム内でも墓所として登場しますが、ツタンカーメンほか、有名な王様たちや王に仕えた書記、貴族などのお墓があります。

エレファンティネ (現在名:アスワン)

今も昔もエジプトの南端。クヌム神殿、フィラエ島のイシス神殿など色々残ってます。
神殿の間取りは無駄に(以下略


イウヌ (現在名:カイロ)

ほぼカイロの位置にありました。日本からエジプトに到着すると最初に行く場所、カイロ国際空港のあたりがヘリオポリス(太陽の町)。オベリスクが立っていたり、そのまんまな名前のホテルがあったりします。
最終決戦の舞台は現在シタデル(要塞)のあるモカッタムの丘付近。

メンフィス  (現在名:ミト・ラヒーナ村の付近)

カイロの対岸。河の流れのぶつかるとこにあったおかげで度重なる浸水の果てに崩壊。
今は町や神殿は遺構しか残っておらず、近くに村があります。ピラミッドからそう遠くない場所です。

サッカラ

エジプト古代王国初期の王たちの墓が築かれた場所です。ピラミッドの近く。
ギザのピラミッドより古い時代のピラミッドがあったりします。

※町の位置について…
おおむね実際の位置、ですが、ゲームとして作る都合上、多少ずれてる場合も…それはご勘弁を;;
古代名と現代名、さらにギリシャ語名まで混じってムチャクチャですが、一番響きのいいもの、馴れてるものを選びました。
いや誰も突っ込まないと思うけど(何回目?)。

※守護神について…
ゲーム内ではめんどくさいのでだいたいの町が守護神は一柱だけになっていますが、実際は一杯いたケースも。
時代ごとに違ってたり。エドフ、デンデラなど有名どころは、だいたいトリアド(三柱一体)を形成してたようです。

※ゲーム内登場神様の守護地について…
その神様を仲間に出来る都市=実際の歴史でその神様が信仰されていた都市 です。
なので、有名だけど特定の守護地を持たない神様は登場してません。システム上の妙なコダワリ。
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