古英詩 ベーオウルフ-BEOWULF

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ストーリー要約(2) −火竜討伐、英雄の死

今こそ火は貪るべし、黒い炎は広がり、
勇士の強豪大将を、
しばしば鉄の雨を凌いだ者を。


内容
32 2221-2311 この章もあちこち破損しています。/竜の巣に侵入した男は、主君に罰を受けて逃亡中だった。宝を渡せば主君と和解出来ると思い盗みを働いたのたが、実はこの宝、遠い昔、戦いで全滅した一族のものだった。それを3百年の間、竜が守っていたのだった。
 宝を奪われた事を知った竜は怒り狂い、日の暮れたあと人間への報復のため飛び立つ。
33 2312-2390 竜の吐く息は国中を混乱に陥れ、王宮までも焼き尽くす。ベーオウルフは炎を防ぐ鉄の盾を造らせ、ただ1人で戦いに赴こうと決意しながら、かつての戦いでヒゲラーク王が殺されたときは1人では無かった…と、彼は回想の中で語る。その戦いから帰ってきたものはごく僅かだった。ベーオウルフは、王の子ヘアルドレードさえも命を落としたその戦いから生還したのだった。
34 2391-2459 回想の続き。死を覚悟した彼は、自らの人生を振り返り、王座に就いた後、ヒゲラークとその息子が殺された報復をしたことを回想する。かつての身内どうしの争いを思い、血縁者に命を奪われるよりは戦いで死ぬほうがいいと思う。
35 2460-2601 さらに回想。ベーオウルフの祖父にあたるレーゼル王が死んだ後の争いと、これまで自分は常に1人先頭に立って戦ってきた…と、いうことを語る。若い頃、多くの戦いに出会いながら勝ち残って来たのだから、今度も勝つと告げ、竜の洞窟へと赴く。しかし50年という歳月は彼の体からかつての力を奪っており、部下たちは、みな逃げてしまった後だった。
36 2602-2693 ただ1人、ウィーラーフという若者だけは、主君の苦しむのを見て加勢に加わる。ベーオウルフは自らの盾でウィーラーフを庇い、竜に名剣ネグリングを突き立てるが、その剣は真っ二つに折れてしまい、彼は竜の渾身の一撃で首に致命傷を負う。
37 2694-2751 武器を失ったベーオウルフは、なおも力を振り絞り、焔の中、素手で竜を締め上げ、ウィーラーフが竜を切り裂くことに成功する。しかしベーオウルフの体内には竜の毒が回っており、身動きすることが出来なくなっていた。死が間近に迫った事を知った彼は、ウィーラーフに、竜の宝を確認するよう告げる。
38 2752-2820 隠れていた部下たちは、竜が死ぬや否や宝の品定めに入る。ウィーラーフは宝の一部を持って大急ぎでベーオウルフのもとに報告に戻るが、彼はもはや死にかけていた。ベーオウルフは、民が多くの宝を手に入れたことを喜び、自分の死体は火葬して岬に埋葬して欲しい、と遺言し、自らの武具をウィーラーフに与える。
39 2821-2891 目の前で王を失ったウィーラーフの悲しみは深かった。宝は手に入ったものの、それはベーオウルフの命と引き換えにであったからだ。ウィーラーフは、戦いから逃げ出し、王を見殺しにした部下たちに怒りの言葉をぶつける。
40 2892-2945 ウィーラーフの指示で、知らせを待っていた人々に、王の死が告げられる。このことが近隣に知れ渡れば、また再び争いが起こるだろう…。
41 2946-3057 使者が、かつての激しき争いの展開と結末について続きを語り終えたとき、人々は立ち上がり、竜との戦いの現場へ赴く。竜の焼け焦げた死体の側には、古代の錆びた剣が転がっていた。
42 3058-3136 宝には、それを手にいれようとする者が苦しむよう呪いがかけられていたのだった。ベーオウルフさえも、その運命からは逃れることが出来なかった。ウィーラーフは、人々に王の遺言を告げ、宝を運び出し、葬儀の準備をするようにと指示する。
43 3137- 竜の死体は海に投げ込まれ、ベーオウルフの遺体は、ロネスネス(鯨岬)へと運ばれ、火葬される。そこには、海の上ならどこからでも見えるほどの小高い塚が築かれ、黄金が共に埋葬された。こうして、民の嘆きとともに、ベーオウルフの生涯と物語は静かに幕を閉じる…。




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