シャルルマーニュ伝説
-The Legends of Charlemagne

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つっこみルネッサンス

ダンジョンのラスボスは、あの人でした。


 古にいわく。
 ラスボスは、「あのお方」と呼ばれるべきものである。
 しかして「あのお方」呼ばわりされて、なかなか名前の出てこないほど、実は大したことない奴だったりする。
 ちなみにラスボスが身内や師匠などよく知った相手であることは、かつては良くあるパターンだった。

 その王道的伝説がいまここに。
 湖の貴婦人、魔女ファレリーナをウラで操っていた「あのお方」とは…!
 モルガナ様でした。

・モルガナ(モルガン)といえば、アーサー王の姉で妖妃モルガンと呼ばれる人です。
・確かに湖の貴婦人です。
・そういえばモルドレッドのお母さんじゃなかったですか?

 その彼女が、何ゆえこんなところで若い男物色してるのか。
 ファレリーナに案内させて、モルガナの住居へ続く橋へとたどりついたオルランドゥは、リナルドが負けた、あの番人に出会う。戦利品の中に従兄弟の装備を見つけた彼は、大激怒。
 「貴様! オレの従兄弟に何しやがった! まさか…」
 いやー、アンタ先日、その従兄弟を自分でブチ殺そうとしてなかったっけ(笑)

 怒りに燃えるオルランドゥは、ファレリーナが逃げるのもほっといて番人に殴りかかった。
 水中戦の得意な番人は、オルランドゥも水中に引きずり込んでしまおうとするが、今のオルランドゥには、「魔法を無効化する」剣を持っている。

 「効かぬ効かぬ効かぬわァッ、この俺に貴様の技は効かぬ!!」

オルランドゥ、無敵モード全☆開v ベーオウルフよろしく、水の中で番人をザックリ倒し、モルガナの庭園に忍び込む。
 果たして、この妖精はぐっすり眠っていた。前髪はあるが、後ろ髪がない。…そう、この物語の中の彼女は幸運の妖精ということになっているので、後ろ髪ひかれることがない人物なのだ。
 オルランドゥがしばしぼんやりしていると、目の前に蜃気楼の宮殿が出現。妖精は目を覚まし、「ほーっほっほっ。よくぞ来たわねー?! さぁッ! わたくし(幸運)を捕まえてごらんなっさーい!」と、ばかり、駆け出した。

 オルランドゥ走る。「幸運」の妖精逃げる。幸運を捕まえられなかった者は「悔恨」に打ち据えられねばならず、後ろから「悔恨」がおっかけてくる。止まったら死ぬ。頑張れオルランドゥ。このまま行けばフランス新記録だ…!
 「どぉりゃあああ!」
届いたーー!!!

 オルランドゥは、妖精の前髪をガッチリ掴んで引き倒す。
 「はぁ…はァ…、やったぜ、俺は。監督…!」
 「おめでとう、あなたの勝ちです。では牢獄の鍵を(すちゃ)
おお、なんか潔いなラスボスのわりに。ていうか、追いかけっこだけなのか、戦いは。
 「ただしこの鍵は、回しそこなうと壊れてしまい、捕虜たちには破滅が訪れますよ。
 「な、…何だと…?」
幸運のカギ、それは、手にした者が使い方をしらなければ、破滅を招くシロモノ…。
 うわあ、責任重大だぞオルランドゥ! 捕まってる仲間たちの命はキミの手の中だ!

 「……。」

 鍵を手に、しばし考えるオルランドゥ。
 だが、基本的に考え無しのこの人に、あまり深く考えることなんか出来るワケもない。
 「ま、いいや。やってみよう」
モルガナを捕まえたまま、彼は鍵を牢獄の鍵穴に突っ込んで、ぐりっと回してみた。
 するとどうだろう。扉は開き、中からは、捕らえられていた多くの騎士たちがゾロゾロと現れた。
 もちろん、その中にはリナルドもいた。
 フロルドリの恋人、フロリマールもいた。
 そして何と、多くのフランスの勇士たちもこの中にいた。
 オイオイ。じゃあ今、本国はすっげー戦力不足なんじゃん(笑) 帰ろうよ。皆。

 「皆、聞いてくれ。俺はデンマーク人ドゥドン、シャルルマーニュ殿から貴殿らに帰還命令が発せられたことを受け、それを伝えに参ったのだ。途中、妖精に捕らえられてしまったわけだが…。」
あっ。使者がいた。

 それを聞いた騎士たちはザワめきたち、じゃあすぐ帰ろう、今すぐ帰ろう、と、めいめい、奪われていた自分たちの装備品をさがしに行った。リナルドもきっちり装備品を取り戻し、馬にまたがって、ついでにモルガナの財宝をちょこっとくすねて出ようとした。
 だが、財宝を持ったまま出ようとすると、突風が彼はおろか仲間たちまで押し戻し、どうやっても外に出られない。
 「リナルド、いい加減にとしけ。それは諦めろ」
 「ちぇー…。」
いつも思うんだけどキミ、本当に貴族のぼんなの? 野生馬捕まえに行ったり、落ちてる装備品拾ったり、やってることが毎度びんぼ臭いよう…^^;

 リナルドが財宝を投げ捨てると、ようやく人々は外に出ることが出来た。
 さあ、あとはフランス目指してGo Home!

 オルランドゥ「嫌だ。」

 何ですと?

 オルランドゥ「俺はまだ、アンジェリカに求愛の答えを聞いていない。俺はあの人のもとへ戻る。」

 待て待てオルランドゥ、貴様、主君よりもホレた女のほうが大事だって言うのかい?

 オルランドゥ「恋に生きる。それが男の花道だ…!」

 フロリマール「ご一緒しましょう、オルランドゥ。我が恋人も、アンジェリカ姫のいるアルブラッカで待っているのですから。」

 リナルド「好きにすれば? ったく、あんな女のどこがいーんだかねぇ〜。」

と、いうわけでリナルドはその他の仲間たちとともにフランスへ帰還。
 オルランドゥだけは東方に残ることにしましたとな。

 さて次回は、シャルルマーニュが手勢を呼び戻そうとした理由が明らかに。
 長らくほったらかしにされた祖国は今! 乞うご期待。


[ちなみにモルガナは、その後もピンピンしていたそうな。]



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