北欧神話−Nordiske Myter

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スキールニルの旅(3)

−スキールニルその3・ルッツ風「フレイ」呼称親友系バージョン−


スキールニル 「よーっす! フレイ、最近なんか閉じこもりっぱなんだって? スカジが心配してたぜー」
フレイ 「放っておいてくれないか。義母上には、なんでもないと伝えてくれ」
スキールニル 「そういうわけにはいかねーよ。なんか悩み事でもあるんだろ?
オレたち親友じゃん。教えてくれよ、な」
フレイ 「……。ギュミルの庭を、美しい娘が歩いているのを見たのだ。その娘の腕は輝き、天もくまなく輝き渡るほどだった。」
スキールニル 「はっはぁ〜ん? んじゃ、そのコにフォーリンラヴってワケ? やるねぇ!」
フレイ 「私ほど、彼女に焦がれている者はいないだろう。
だが、アース神も、私の統べる妖精たちも、私が巨人と和解することを望まないだろう。
ああ、私はどうすれば!」
スキールニル 「おいおい〜、そんなに悩むなよフレイ♪ だったらオレが代わりに告って来てやるよォ。」
お前のもってる、ホラ、なんだっけ、あの剣と馬貸してくれよ。そしたら行ってくるわ」
フレイ 「すまない、スキールニル。…頼んだぞ」
こうしてスキールニルは、フレイのために求愛の死者となって巨人族の国へと馬をすすめた。
フレイの与えた馬と剣は、どちら魔法の力を持つ、特別なものだった。
ゲルズ 「何なのかしら、この、地響きの音は。何かが家に向かってやってくる。ギュミルの庭中が、震えているわ」
侍女 「男がひとり、外に来ています。でも見たことの無い男ですわ。旅人でしょうか…。」
ゲルズ 「客人であることに違いはないのでしょう? それなら、中に入って蜜酒を召し上がってもらいなさい。
ようこそ、旅人よ。あなたは一体、何をしにこんなところまで?」
スキールニル 「ちーっす! どもども、邪魔するぜぇ〜。お、あんたがゲルズ? オレ、スキールニル! YO・RO・SHI・KU。
で、単刀直入に言うとぉ、アンタにホレた奴がいるんだよ。フレイっつーの、オレのダチ。
んで、そいつシャイなんで代わりに告りに来たっつーワケ。
ほらよ、この林檎やるよ。今話題の若返りの林檎! いまどき産地でも手に入らないんたぜ〜。すげーだろ。
その代わり、いちどオレのダチのフレイって奴に逢ってくんない?」
ゲルズ 「フレイですって? いいえ。私は林檎を受け取りはしません。私は、あの方とともに住むことは出来ない」
スキールニル 「いや、何もいきなり同棲しろなんつってないんだけど…ま、いいや。
アンタ果物は嫌いか? そうだよな、やっぱ金目のモンのほうがいいやな。任せとけ。
じゃーん!オーディンの息子バルドルとともに焼かれたかの腕輪、ドラウプニルだ。
70年代のレアものだぜ〜。これもフレイが、あんたのために開店前夜から並んで買ったモンだ。
どーだ。すごいだろ〜」
ゲルズ 「遠慮させていただきますわ。私には、林檎の若さも、ドラウプニルの富も必要ない」
スキールニル 「オイオイ。食いもんもダメ、アクセもダメ、あんたよっぽど変わった女なんだな。
大抵の女はコレだろー?」
ゲルズ 「そういう問題じゃないわ!!」(切れ)
スキールニル 「んだとコラ。黙って聞いてりゃワガママばっかりよ。
どうせ”もう好きな人がいるのvv”とかいうオチなんだろーあぁー? ザケてんじゃねぇぞコラ。
こちとら遠路はるばる巨人の国まで来てんだよ。この剣が見えねぇのか。
ひと思いにアンタ殺っちまってもいいんだぜぇ? てめぇのパパも一緒によー。
それとも、テメェのかわいい顔ぐっちゃぐちゃにして一生誰にも振り向かれないようにしてやろうか。なぁ。
それともフレイと付き合うかだよ!」
ゲルズ 「そんな…。無体な…。」
スキーニル 「アスガルドにその人ありといわれたフレイをコケにする奴ぁ、チームの連中が黙っちゃいないぜ」
ゲルズ 「…分かりました。
よもや、この私が、ヴァン神<ゾク>のひとりのものになろうとは、思ってもみなかったけれど。
祝福の杯をお受けください。そして、もどって、あなたの主人に伝えて。
ゲルズの娘は、9夜ののちに、バリの森にゆきましょう」
スキールニル 「おうよ。邪魔したな。あいのりシート開けて待ってるぜ。じゃな!」
こうしてスキーニルニルは使命を追え、フレイのもとに戻った。
フレイは家の前でいまかいまかと待っていて、戻ってきたスキールニルにすぐさま尋ねた。
フレイ 「スキールニルよ、守備はどうだった。彼女は、私の求愛を受け入れてくれただろうか」
スキールニル 「おう、うまくいったぜ。ゲルズの娘は、あんたにラブラブさ。
9夜ののちにバリの森で、アンタを待ってるって言ってたぜ」
フレイ 「そうか…。ありがとう、スキールニル。ああ、その夜が待ち遠しく、なんと遠いことか」
End.


ーーちなみにフレイは、のちのちロキに、このときのことをネタに「妻を買った」と罵られ、
世界の終末の戦いでは、スキールニルに武器をやってしまったせいで素手で戦わなくてはならなくなる。
いろんな意味で代償の高くついた求婚である。


◎このスキールニルの性格ポイント◎

・このスキールニルだと、使者というよりケンカを売りに行ったようにしか見えない。
・明らかにヤンキーである。
・しかも何やらアイテムにこだわりがあるようにも見受けられる。
・もちろんフレイとは幼馴染の親友であるが、フレイがマジメな仕事人間であるために、なんとか友情のバランスが取れている。
・コイツのアイテム知識はストーリー進行上、あまり役に立たない。

※「ルッツ」とはアークザラッド3というゲームに登場した主人公の友人の名前です。わかんない人ゴメンヨ〜


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