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ハルポクラテス Harpocrates(仏語:Harpocrate)

古代名:ホルパケレド/ギリシア名:ハルポクラテス、カルポクラテス/別称・別綴り:
性別:男性


――――守護と癒しを意味する幼児神

主な称号
コプトスの領主

主な信仰
母なる女神イシスの息子としての、"幼児"ホルス。子供の神ということで、つねに裸で、頭髪を束ねて垂らした独特の髪型をしている。ホルス神の子供時代だけを切り取って別に神格化したものと言っていいだろう。かなり新しい時代に入ってから、ホルスと分離した神様である。
古代エジプト語での呼び名が「ホル・パ・ケレド」で、意味は子供のホルスとなる。これがギリシア語風に訛ったものがハルポクラテス。
よく遺跡地図などで出てくる「マンミシ(誕生殿)」とは、子供姿のホルスであるハルポクラテスの神秘的な誕生にかかわる儀式を行う神殿だった。新王国時代より盛んになった、神を「父」とする誕生の儀式と関係があったともされるが、儀式内容の詳細は記録されておらず不明である。キップス

●永遠の少年

つねに子供の姿をとり、守られるべきもの、無邪気で元気な子供を象徴する。子供の守り神であるベス神や、母であるイシスに守られている像も多く存在し、危険に対するおまもり、毒などを受けたときの癒しの力を持っていたらしい。
イシスに抱かれた子供の姿をしたホルスで、よく似た属性に「ホルサイセ」という神もいるが、ハルポクラテスは常に子供の姿で表される。

イシスに守られるハルポクラテスの像はローマに多く輸出され、キリスト教における聖母マリアとイエス・キリストのイメージにもつながった。


●「キップス」としてのハルポクラテス

末期王朝時代からローマ時代にかけて盛んに作られたのが、「ホルス碑」とも呼ばれる幼児ホルスを正面から描いた魔よけの板である。(代表例は右図) こうした魔よけの祈願板は「キップス(複数形キッピ)」と呼ばれる。
裸の子供が手に蛇やサソリ、猛獣を吊るし、足の下にワニをふんづけている。これは人間にとって有害なものを調伏するという意味。頭上には魔よけの神でもあるベス神の顔がある。
なんで害獣を退治するのが少年じゃなきゃいけなかったのかとか、そこはほら、日本のアニメではなんで世界を救うのがいつも少女なんだっていうのと同じく野暮な質問なんですよ。ベス神のキップスもあるけど、オッサンよりは少年のほうが祈りたいじゃいですか。


●前身

魔よけの神としてキップスに描かれるような姿は本来は古い時代から存在した地方神だったが、幼児の姿を取るよく似た属性の神々を吸収していって最終的に目立つ存在になったと推測されている。彼がホルスと同化することになったのは、イシスの息子とされるホルサイセの属性を吸収したためなので、それ以前の地方神時代は、ホルスとは全く無関係な神だった可能性が高い。

この神の本来の姿は、じつはホルスとあまり関係なかったようだ。「コプトスの領主」とも呼ばれることから、もともとコプトス周辺で発祥した神で、子供の姿だったため後からイシスの息子(ホルス)として、オシリス系神話に取り入れられたようだ。元々テーベ付近の守護者だった戦いの神モントゥと、その妻ラタウィの息子として描かれていたのが最初の姿のようだ。

またハルポクラテスは、クヌム神の息子で魔法の力を擬人化した神「ヘカ」や、安定を表す神「シェド」など、多くの少年形の神々への信仰も吸収していった。
ヘカ、シェドは両方とも魔法に秀でた神なので、この神は強力な魔法の力で人々を守護する少年神でもあったのだ。


神話


聖域
イシス女神の聖域
キップスの形態では各ご家庭

DATA

・所有色―
・所有元素―
・参加ユニット―エドフ三柱神<モントゥ、メヒト、ハルポクラテス>、王権守護<イシス、ミン、ハルポクラテス>
・同一化―子供の姿をとる神々、ネフェルテム、ヘカなど
・神聖動物―
・装備品―

◎補足トリビア◎

「マンミシ」とは、ギリシア語でもコプト語でもエジプト語でもなく、ヒエログリフの解読者・シャンポリオンがコプト語を元に作り出した独自の名詞。本来の名前が不明なため、便宜上つけられたようだ。


【Index】