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第百十六章

ヌウのパピルスより


 ケメンヌ(ヘルモポリス)の諸霊魂を知るの章。印璽監督院の監督にして勝利を得たるヌウ曰く、

 『女神ネイトはマチヤトに輝き、又女神マアトは眼を食らひて且つ其の聖なる審判者たるものの腕によりて運ばるる、又セム(エジプトはセム系語族)の祭司は我を其の上に運ぶ。我は其を人々に語らず、又我は其の神々に告げじ。我は其を人々に語らず、又我は其を人々に語らず、又我は其を神々に告げじ。

 我は其を人々に語らず、又我は其を神々に告げじ。我は無知の人として入込めり、而して我は隠れたるものを見たり。今汝等を敬禮し奉る、噫、汝等ケメンヌ(ケメト=エジプトの古代名)に住める神々よ。汝等は我の女神ネイトを知る如くに、我を知る、而して汝等は永続する生長を眼に輿ふ。我には審判せらるべき事物の審判の時、喜びあり。我、然り我は、アンヌの緒霊魂を知る。
 彼等は一箇月の祭禮の時、大にして、半月の祭禮の時、小なり。我等はトトと隠れたる者と、而してサアと、而してテムとなり。』


 追記−本文若し死者によりて熟知せられれば、残物は彼に取りて忌嫌物たるべく、而して彼は汚れたる水を飲まさるべし。


▽書き下しVer.

 ヘルモポリスにおわす万神を知るの章。印璽監督院の監督にして勝利を得たるヌウ曰く、
 「女神ネイトはマチヤトに輝き、聖なる目(ウジャト?)を食らいて聖なる審判者たちの手によって運ばれる。神官たちは、我をその上に運ぶ。我は、それを人々に告げず、神々にも告げない。我は無知なるものとして入り込み、隠れたるものを見た。
 今、汝らに拝礼する、おお、ヘルモポリスに住まう神々よ、汝らは我が女神ネイトを知るように、我のことも知り、永遠を生きるものを目にする。我は(魂の)審判に喜び、アンヌ(冥界?)の諸霊を知る。
 彼らは一ヶ月の祭礼の時、大にして、半月の祭礼の時、小となる。
 我らはトト神と隠れたる者と、サァと、テムである。


※マチヤトって何処ですかねぇ? ネイトの守護地サイスのこと…?
※隠れたる者っていうのは、多分、のちにテーベの守護神となるアメン神のこと。アメンはもともとヘルモポリスの神。
ただし、古代エジプトでは神々の像は殆どが、一般人に見ることの出来ない「隠れたるもの」になっていたため、神一般のことかもしれない。
※死者がこの呪文を知っていると、あの世で残版や汚れた水を口にせずに済むとのことだが、理由は分からない…。



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