ニーベルンゲンの歌-Das Nibelungenlied

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登場人物紹介

【名前の綴りについて】
赤文字は和訳の原本となっているB写本をテキスト化したものから拾ってきた、中世のドイツ語。
vにeのついたものは、「u」に近い発音の文字があります。適当にフォント作ってみました…。
黒文字は現代ドイツ語のサイトから拾ってきた綴りです。赤文字綴りについては、写本によって異種があります。
名前のカタカナ表記は資料によってかなりばらけますが、ここでは岩波文庫の古ドイツ語の読みに統一。
現代のドイツ語ないし英語で読む場合の標記は「現代読み」と表記しました。

+ブルグント(ブルゴント)陣営+

名前  地位 物語での主な役柄
グンテル 国王 美人な妹をダシに英雄ジーフリトをいいように扱う、ちょっと卑劣で、時々意志の弱い王様。ハゲネらの主君。
プリュンヒルト 王妃 たいそう強い女傑で、独身時代は女王。英雄ジーフリトと因縁浅からぬ仲。しかしただの遊び(オイ)だったことが判明、愛憎劇を演じる。彼女の高すぎるプライドが、この物語の悲劇の一端を担う。
ハゲネ 王の側近
重臣
近隣に名をとどろかす勇士。ブルグントの中では一番強いということになっている。狡猾で残酷かと思いきや、妖精さんの声が聞えたりするお茶目なところもある。リュエデゲールの娘が接吻を拒むほど顔は怖いが友情には厚い。
フォルケール 楽人剣士
旗手
ハゲネの親友。フィーデル(ヴァイオリン)の名手にして端麗なる勇将。
ドナウ河流域の生まれとされるが、詳細は物語中では語られない。
序盤のザクセンとの戦いでは旗手をつとめ、後編ではフン族の国へも同行する。
ゲールノート 王弟
次男
兄グンテルの側近であり参謀でもある人物。剛毅な人物として描かれる。
ギーゼルヘルとともに、妹クリエムヒルトのことを心配しつつ、兄や国の名誉も考えている、公私バランスの取れた人物。
ギーゼルヘル 王弟
末っ子
兄弟の中で最も若い。姉クリエムヒルトを慕っている。
後編から戦いに参加するが、その強さは兄以上とされる。
ダンクワルト ハゲネの弟
主馬の頭
優雅といわれるわりに大胆。兄に似てカッコイイが、単純思考とバカ力。大好きです。他の登場人物によると、とても礼儀正しくキチンとした人らしい。
オルトウィーン ハゲネの甥
メッツ領主
ハゲネの妹の息子。かなり血の気の多い人物で、叔父さんをかなり尊敬している模様。要所要所にちょこちょこと出てきては熱さを披露。冒頭、ジーフリトに力いっぱいケンカを売るシーン必見。
クリエムヒルト 王妹 本物語のヒロインにして、のちに英雄ジーフリトの妻となる女性。悲劇は、彼女が見た、鷹を失う予知夢から幕を開ける。穢れなき乙女が子持ちの人妻になったとたんプライドの塊に。女性の神秘的な変貌を体現する人物。
ウオテ
V''te
母后 王の母上。予想として美人。クリエムヒルトとギーゼルヘルは母似(超美形)のようだが、上の息子二人は一度も美しいといわれていないので、父似(ゴツい)?
ジンドルト
Sindolt
献酌係 召使じゃないです。ちゃんと闘います。
フーノルト
Hnolt
侍従 よくジンドルトとペアにして語られる。
ルーモルト
Rmolt
大膳職 言ってみれば宴会部長。ハゲネとともにエッツェルの国へ行くことを止めるよう忠告するが聞き入れられず、人々にかわってウォルムスで留守番。
ゲーレ
Gere
辺境伯 使いっ走りかと思ったら、地位は高いみたいです。位置的にはオルトウィーンに近いかも。ニーデルラント側を治める辺境伯。俊敏なるゲーレと呼ばれ、宮廷の各場面に登場。クリエムヒルトあての伝言をニーデルラントに伝える使者となったことがある。
ダンクラート
Danchrat
先王 冒頭の一行で「お亡くなりになりました」と出てくる。
ピルゲリーン
Bilgrim
大司教
ウオテの兄
王族の1人だけに高貴な身分。自分の領地も持っていて、後半、クリエムヒルトやグンテルたちがエッツェルの国へ向けて通過する途中の町、パッサウに住む。
エッケワルト
Ekkewart
辺境伯 嫁ぐクリエムヒルトの家臣としてニーデルラントへ同行。
クリエムヒルトが再婚するときもついてゆき、エッツェル王の国の果てを領地として、しかもそこでなぜか昼寝をしているところを目撃される。
アストルト 辺境伯 そもそもこの人、ブルグント勢に入れちゃっていいのかどうかも不明。

+フン族勢+

名前 地位 物語での主な役柄
エッツェル 国王 先妻を亡くし、クリエムヒルトと再婚する異教徒の王。クリエムヒルトとの間に一子をもうけるが、妻から全く愛されていないことに気がつかなかったという。武勇に欠ける。
リュエデゲール 辺境伯 国王に信頼された大人物。遠来の客人、ディエトリーヒを城に滞在させている。何とか両陣営の戦いを思いとどまらせようとする良識派。クリエムヒルトへの恭順の誓いのために命を落とす。
ブレーデル 王弟 兄とは違い、冷静に状況を分析している実質上の王といったところ。戦いもそこそこ強いみたいですが、何しろ相手が悪かった。
ヘルヒェ
Helchen
亡后 エッツェルの先妻、長い闘病生活の末、後半冒頭で逝去。
宮廷の乙女たちの後見人だった人。
ヘルラート
Herrat
ヘルヒェの姪 ディエトリーヒの婚約者。エッツェルの先妻の縁者。この物語の中では、ほとんどクリエムヒルトの侍女と変わらない役柄。彼女の活躍は、「シドレクス・サガ」に登場。
ウェルベル
Wærbel
楽人 フォルケールのように楽人騎士ではなく、ただの楽人。スウェンメルとともにブルグントの国へ使者として来たのが彼だったため、ハゲネに皮肉を言われ腕を切り落とされる。
通称はウェルベリーン。
スウェンメル
Swemmel
使者 先ぶれの役。エッツェルの国に嫁いだクリエムヒルトから、ブルグントの国への伝言を託され、そうとは知らず人々を死の饗宴へと誘う。
通称はスウェンメリーン。
オルトリエプ
Ortliebe
王子 のちに、再婚したクリエムヒルトがエッツェルとの間にもうけた、幼い王子。しかし、セリフも活躍もないままハゲネに殺されてしまう。合掌。
シュルーターン(Scrtan) ギベッヒェ(Gybecke) ラームンク(Ramnch) ホルンボゲ(Hornboge)
槍試合までは登場するが、その後の消息不明

アメルンゲン陣営

名前 地位 物語での主な役柄
ディエトリーヒ 東ゴート王 叔父の謀反で国を追われ、亡命中、フン族の国に滞在している英雄王。戦いに巻き込まれて部下を失うことに。
ヒルデブラント 王の片腕
老将
通称、師匠。ディエトリーヒの師父で、個性豊かな部下たちのまとめ役。ワイルド&パワフルな豪傑ジジィとして有名。
ウォルフハルト
Wolfharte
ヒルデブラントの甥 ヒルデブラントの姉の息子で、けっこう血の気の多い若者。真っ直ぐ突っ込んでいく。
ジゲスタップ
Sigestap
ディエトリーヒの甥 主君の血縁者なので、ヒルデブラントにとっては主のひとり。
イーリンク
Irinch von
Tenelant
デンマルク辺境伯 クリエムヒルトに報酬を約束され、ブルグント勢にケンカ売りだす人。ハゲネに手傷を負わせたことで賞賛され、調子に乗って攻め込んでいくも、怒れるハゲネに打ち倒され落命。
イルンフリト
Irnfrit
テューリンゲン方伯 アメルンゲン陣営ではないが、ともにエッツェルのもとに身をよせている。イーリンクが討たれた後、弔い合戦に出陣。
ハーワルト
Hawart
デンマルク領主 イーリンクトの上司。
イーリンクが倒されたのを見て、イルンフリトとともに弔い合戦のために出陣。ハゲネに倒される。
その他、出演のみなさん; ヘルプフリーヒ(Helpfrich) ヘルムノート(Helmnot) ウォルフウィーン(Wolfin)
ウォルフプラント(Wolfranden) リチャルト(Ritschart) ゲールバルト(Gerbart) ウィーヒャルト(Wichart)
以上、全員の死亡確認。

ニーデルラント

名前 地位 物語での主な役柄
ジーフリト 王子
のち国王
クリエムヒルトに求婚しようと、彼女の兄・グンテル王のために骨を折り義弟となるのですが、余計な行動を取ってしまったがため、プリュンヒルトとクリエムヒルトの奥さまゲンカを引き起こして死亡。
ジゲムント
Sigmnds
ジーフリトの年老いた父。ジーフリト、クリエムヒルトとともにウォルムスの宴を訪れるが、そこで王妃たちのいざこざが勃発、息子を失い、息子の妻をウォルムスに残して、失意のもとに国に戻ることになる。
ジゲリント
Siglinde
王妃 ジーフリトの母。

ザクセン

リウデゲール
Lidger
国王・兄 序盤でブルグントに攻め入ってくるザクセン人の王。ボロボロに負けて恒久平和条約を結ばされる。戦争後は、国に弟とともに送り返される。ジーフリトを暗殺するための策略に名前だけ使われた。
リウデガスト
Lidgast
同じく、ザクセンの王の1人。リウデゲールの弟。ジーフリトにひっ捕らえられ、ブルグント陣営の囚人になる。

バイエルン

エルゼ
Else
領主 エッツェルの国へ向かうブルグント勢が通過するメーリンゲン付近の領主。兄弟であるゲルプフラートが倒された後、撤退する。
ゲルプフラート
Gelpfrat
辺境伯 バイエルンの国の辺境伯。ハゲネが殺した渡し守の仇を討つために追いかけてくる。
ハゲネと戦い、ハゲルを生まれて初めて落馬させた男。ダンクワルトとハゲネの手によって倒される。

■「献酌」「侍従」等、騎士の役職についての説明ページは、こちら


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