ヴォルスンガ・サガ/ワルタリウス

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※このコーナーは、ニーベルンゲン伝説に関連するサガ作品の要約と抜粋です。

ヴォルスンガ・サガ

Volsunga saga


ヴォルスンガ・サガとは、「ヴォルスング家の物語」を意味する。
(フォルスング・サガ、フェルスンガ・サガ、フェルスング・サガ…など表記方法は本によってさまざまだが、一番、発音に近いのがこの表記だろうということで採用。)

このサガは、「エッダ」に収められた断片的な物語をつなぎ合わせた、ニーベルンゲン伝説のエピソード集大成とでも言うべきものである。「エッダ」では失われてしまった、「シグルドリファの歌」から「シグルズの歌」にかけてのエピソードを補うことが出来る。
書き留められたのは「ニーベルンゲンの歌」と同じく13世紀なのだが、内容はそれ以前に口伝で広まっていたものなので、より「エッダ」詩にに近く、異教的なものになっている。
ここには、シグルドの竜退治の話、ブリュンヒルトが戦乙女だった時代のことが登場している。「ニーベルンゲンの歌」よりは「シドレクス・サガ」に近く、エッダ詩では欠落してしまった部分も入っているようだ。


・・・あらすじ・・・
【1】初代:シギからヴォルスングの娘:シグニューの復讐まで
【2】シグムンドの息子たちの話、シグムンドの死、シグルズ誕生
【3】グラムの鋳造とファーヴニル退治
【4】シグルズの旅と結婚
【5】シグルズとブリュンヒルドの死
【6】アトリの死とグズルーン三度目の結婚、物語の終わり

※章分けと小見出しはページ分割の都合で勝手につけたものです
実際は6章に分かれているわけではありません
ヴォルスンガ家・家系図
アイテム目録
「エッダ」におけるニーベルンゲン伝説

おまけ―連ドラ風ヴォルスンガ・サガ


◆元テキスト
谷口 幸男 訳「アイスランド・サガ」 新潮社(昭52)
菅原邦城 訳「ゲルマン北欧の英雄伝説 ヴォルスンガ・サガ」(昭54)

ウァルター物語

Walther und Hildegund (ラテン語原題;Waltharius)


最初に書かれた原文はラテン語で「ワルタリウス」
日本語では、ヴァルター物語、ワルターの歌、ワルターとヒルデグント、の三種類の表記を発見。
この物語の主人公・ウァルターとは、ニーベルンゲンの歌の中で少しだけ触れられる「ハゲネの親友、スペインのワルテル」のことで、この物語では、フン族の王の宮廷での、若かりし日のハゲネのことが描かれている。

9世紀から10世紀ごろの成立とされており、作者はバイエルン人ゲラルドゥスと考えられている。「ニーベルンゲンの歌」よりは、だいぶ前の時代の物語だ。
書かれた時代が違うため、雰囲気は関連する他の作品とは、かなり違うし、作品中では、「ニーベルンゲンの歌」においてエッツェルと語られるフン族の王をアッティラ、ブルグント族を、同じゲルマン系のフランク族として語っている。

あらすじ・登場人物紹介 「ニーベルンゲンの歌」との関連考察

STORY−1
登場人物

◇ 人物考察
◇ 物語の舞台と歴史
◇ 「ニーベルンゲンの歌」の中のウァルター
◇ もしもシリーズ


元テキスト◆ 世界神話伝説体大系24 ドイツの神話伝承[2] 名著普及会 1928初版/1980改訂版
現代教養文庫 「ドイツ中世物語2 グードルーン」 社会思想社 1997


その他のサガ作品


以下は、シドレクス・サガに登場するニーベルンゲン伝説。かなり長い物語なので、そこの部分だけを抜粋した。
完訳からの抜粋ではなく、すでに要約されていたものを合成しつつ写しただけなので、どこまで正確な訳になっているかは不明である。

シドレクス・サガ(の、一部)

ここに挙げた以外にも、ディートリッヒ伝説に関連した、ニーベルンゲン伝説が存在する。
なんと、ジークフリートがディートリッヒに倒される展開のものもあるという。(「ニーベルンゲンの歌」でディートリッヒがエッツェル王に「あなたもよく知るジーフリト…」と語るのは、その名残り)
登場人物たちの選択によった様々な未来が生まれるというのは、何とも楽しい。

関連資料◆ 「ニーベルンゲンからリルケまで ゲルマン神話」吉村貞司 読売出版社 昭和47年初版
         「ドイツ中世叙事詩研究」  相良守峯 1948初版 郁文堂出版
         「北欧神話と伝説」  グレンベック 昭和46 新潮社 

         「エッダ−古代北欧歌謡集」  谷口幸男 訳  昭和48 新潮社





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